11/19にコイズミ無線で行われた、FE163En-Sの試聴会に行ってきました。
当日は雨でしたが、会場に到着すると席は既に満席!
久々(7年ぶり?)の16cm限定ユニットということで、注目度も高いようです。
まずは、ユニットの説明から始まりました。
コーン紙は、FE166E(炭山氏の右手)と全く同じですが、
エッジに工夫があるとのこと。
波形布エッジは、一見するとFE168SSと同じに見えますが、
今回のFE163En-Sのエッジは、三つある「波」の中央だけが小さいのです。
非常に小さな違いですが、この違いで中域のピークディップが明確に変わるとか。
左がFE163En-S、右がFE168SSのエッジ。(もしかしたら違ってるかも…)
そして、今回のFE163En-Sの特徴は、
ボイスコイルとダンパーとコーン紙が一箇所で固定されている事です。
応答性の向上を狙ったこの構造は、製造が難しく、
FE163En-Sの発売に向けてFOSTEXの試作ラインをフル稼働させているとのこと。
つまり、完全にMade in Japanなのですね。
それでは、試聴タイムです!
先発は、浅生先生の「ASB163EnS」
構造・寸法共に、FE166Enでの作例と酷似していますが、
空気室容量を若干大きくしたとのこと。
板厚は15mmで、一人で製作・移動可能な重量となっています。
音を聴くと、
低域を中心としたピラミッドバランスな音だと分かります。
ホーンに癖は全く無く、
図太い低域に支えられた、穏やかな中域が印象的です。
そのお陰で、ピアノなどの大型楽器も等身大の表情で鳴らしていました。
一方、ポップスでの試聴は、ややノリの悪さを感じます。
大音量再生は得意のようですが、音量を落すと表現力がガクンと落ちてしまいます。
これは、ユニットのネジにくっ付けた「ひっつき虫(コクヨ製)」と「太鼓鋲」が、音を大人しくしている為だと思います。
好みによって、増減させれば、これらの欠点は改善されるでしょう。
次は、炭山先生の「ヒクイドリ」
いかにコンパクトな「スワン型」を作るか?を目標に作られた本作。
16cmバックロードなのに、10cm用の「スワン」より僅かに2cm程幅が広いだけに収まっています!
まだ図面が出来上がっていないのですが、
音道は、2.1m程度と短めになっているとのこと。
そして、空気室とスロート断面積は、長岡先生の「スーパーレア」と同サイズになっているよです。
音は、鮮やかな切れ込み、そして爽快感のある
正統派バックロードホーンの音でした。
音の開放感は浅生先生の作品とは全く異なり、
「春の祭典」の金管やティンパニーの音が弾け飛び、
演奏の凄みを感じさせます。
試聴時に、吸音材が全く入っていなかったのが幸いしたのでしょう。
もちろん、FE163En-Sは穏やかなFE166Enを基本としているので、
音の鮮度が上がっても、中高域が騒がしくなることは皆無です。
短いホーン長が幸いして、体を突き抜けるような低域であると共に、
スワン型特有の「扁平率の低い」スロート断面により、重低音の伸びも圧倒的です。
やはり、ホーンの長さと低音再生帯域は余り関係が無さそうです。
(むしろ、再生帯域はホーン広がり率の大小による、と感じています)
一方、ホーン鳴きが若干感じられました。
浅生先生は「空気室に吸音材をちょっと入れれば良さそう」、
炭山先生は「側板が振動しているので、何かで抑えれば良いかも」
と言っていましたが、
私は、空気室容量とスロート断面積(ホーン全体の断面積)を共に1〜2割程度小さくして、ホーンの動作を明確にしてやれば良さそうだな〜と感じました。音の開放感が若干スポイルされる心配はありますが、「ヒクイドリ」を試聴する限りでは、これらの値を小さくしても問題はなさそうです。
こうして、FE163En-Sを試聴していると、
基本はFE166En譲りの穏やかな音で、どのような音楽に対してもヒステリックにならず表情豊かに鳴らすことができます。
もちろん、磁気回路の強さも申し分なく、バックロードもぐいぐい駆動してくれます。
一方で、HPコーン搭載で低歪みなFE168EΣと比べると、FE163En-Sは特有の紙臭さ(中域が盛り上がり、モッサリした感じ)を感じる所もあるかな?と感じました。
逆に言うと、HPコーンのギラギラな高域がイヤな人には、素直な特性のFE163En-Sは受け入れやすいと思います。
高域はFE163En-S単発で聴いても全く問題ないのですが、
スーパーツイーター(試聴会ではT96A-EX?を0.33μF)を接続すると、音の表情や余韻が数段階向上しました。
これは、一度聴いてしまうと戻れない変化ですw
今回は、コイズミ無線での試聴会でしたが、
12/17には、大阪の河口無線でも試聴会をやるとのこと。
さらに、12/10にはコイズミ無線にて、FOSTEXの設計者が作った箱と浅生氏の箱の鳴らし比べも行われるので、今回聴けたなかった人はぜひ足を運んでみてください♪
最後に、ちょっと宣伝を。
コイズミ無線で、12月14日までにFE163En-S / T96A-EX2の購入&入金をすれば、送料が無料になるとのことです!
重いユニットを持って帰るのは大変なので、これは有難いサービスですね。
当日は雨でしたが、会場に到着すると席は既に満席!
久々(7年ぶり?)の16cm限定ユニットということで、注目度も高いようです。
まずは、ユニットの説明から始まりました。
コーン紙は、FE166E(炭山氏の右手)と全く同じですが、
エッジに工夫があるとのこと。
波形布エッジは、一見するとFE168SSと同じに見えますが、
今回のFE163En-Sのエッジは、三つある「波」の中央だけが小さいのです。
非常に小さな違いですが、この違いで中域のピークディップが明確に変わるとか。
左がFE163En-S、右がFE168SSのエッジ。(もしかしたら違ってるかも…)
そして、今回のFE163En-Sの特徴は、
ボイスコイルとダンパーとコーン紙が一箇所で固定されている事です。
応答性の向上を狙ったこの構造は、製造が難しく、
FE163En-Sの発売に向けてFOSTEXの試作ラインをフル稼働させているとのこと。
つまり、完全にMade in Japanなのですね。
それでは、試聴タイムです!
先発は、浅生先生の「ASB163EnS」
構造・寸法共に、FE166Enでの作例と酷似していますが、
空気室容量を若干大きくしたとのこと。
板厚は15mmで、一人で製作・移動可能な重量となっています。
音を聴くと、
低域を中心としたピラミッドバランスな音だと分かります。
ホーンに癖は全く無く、
図太い低域に支えられた、穏やかな中域が印象的です。
そのお陰で、ピアノなどの大型楽器も等身大の表情で鳴らしていました。
一方、ポップスでの試聴は、ややノリの悪さを感じます。
大音量再生は得意のようですが、音量を落すと表現力がガクンと落ちてしまいます。
これは、ユニットのネジにくっ付けた「ひっつき虫(コクヨ製)」と「太鼓鋲」が、音を大人しくしている為だと思います。
好みによって、増減させれば、これらの欠点は改善されるでしょう。
次は、炭山先生の「ヒクイドリ」
いかにコンパクトな「スワン型」を作るか?を目標に作られた本作。
16cmバックロードなのに、10cm用の「スワン」より僅かに2cm程幅が広いだけに収まっています!
まだ図面が出来上がっていないのですが、
音道は、2.1m程度と短めになっているとのこと。
そして、空気室とスロート断面積は、長岡先生の「スーパーレア」と同サイズになっているよです。
音は、鮮やかな切れ込み、そして爽快感のある
正統派バックロードホーンの音でした。
音の開放感は浅生先生の作品とは全く異なり、
「春の祭典」の金管やティンパニーの音が弾け飛び、
演奏の凄みを感じさせます。
試聴時に、吸音材が全く入っていなかったのが幸いしたのでしょう。
もちろん、FE163En-Sは穏やかなFE166Enを基本としているので、
音の鮮度が上がっても、中高域が騒がしくなることは皆無です。
短いホーン長が幸いして、体を突き抜けるような低域であると共に、
スワン型特有の「扁平率の低い」スロート断面により、重低音の伸びも圧倒的です。
やはり、ホーンの長さと低音再生帯域は余り関係が無さそうです。
(むしろ、再生帯域はホーン広がり率の大小による、と感じています)
一方、ホーン鳴きが若干感じられました。
浅生先生は「空気室に吸音材をちょっと入れれば良さそう」、
炭山先生は「側板が振動しているので、何かで抑えれば良いかも」
と言っていましたが、
私は、空気室容量とスロート断面積(ホーン全体の断面積)を共に1〜2割程度小さくして、ホーンの動作を明確にしてやれば良さそうだな〜と感じました。音の開放感が若干スポイルされる心配はありますが、「ヒクイドリ」を試聴する限りでは、これらの値を小さくしても問題はなさそうです。
こうして、FE163En-Sを試聴していると、
基本はFE166En譲りの穏やかな音で、どのような音楽に対してもヒステリックにならず表情豊かに鳴らすことができます。
もちろん、磁気回路の強さも申し分なく、バックロードもぐいぐい駆動してくれます。
一方で、HPコーン搭載で低歪みなFE168EΣと比べると、FE163En-Sは特有の紙臭さ(中域が盛り上がり、モッサリした感じ)を感じる所もあるかな?と感じました。
逆に言うと、HPコーンのギラギラな高域がイヤな人には、素直な特性のFE163En-Sは受け入れやすいと思います。
高域はFE163En-S単発で聴いても全く問題ないのですが、
スーパーツイーター(試聴会ではT96A-EX?を0.33μF)を接続すると、音の表情や余韻が数段階向上しました。
これは、一度聴いてしまうと戻れない変化ですw
今回は、コイズミ無線での試聴会でしたが、
12/17には、大阪の河口無線でも試聴会をやるとのこと。
さらに、12/10にはコイズミ無線にて、FOSTEXの設計者が作った箱と浅生氏の箱の鳴らし比べも行われるので、今回聴けたなかった人はぜひ足を運んでみてください♪
最後に、ちょっと宣伝を。
コイズミ無線で、12月14日までにFE163En-S / T96A-EX2の購入&入金をすれば、送料が無料になるとのことです!
重いユニットを持って帰るのは大変なので、これは有難いサービスですね。