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オーディフィルが目指す音 ~その3(美しい)~

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今日は、「オーディフィルが目指す音」の第三回目です。




「美しい」とは

美しい佇まい。スピーカーから出てくる音を聴いたときに、第一印象をそう受け取ってもらえることを目指しています。

技術的に言えば、歪が少なく、付帯音が少ないこと。ただ、これを無暗に追求しすぎてしまうと「無表情」になってしまうのでテクニックが必要です。

基本設計の段階から、ノイズが出ないように設計することが大切です。ここで言うノイズは、明らかに聞こえるものではなく、例えば木材や繊維が振動するときに発生するガサつく感覚のことです。




「美しい」と「綺麗」の違い

辞書としての意味は同じかもしれませんが、自分の中では「美しい」と「綺麗」は少し違います。

「美しい」で求めるのは、深みのある美です。ぱっと聞いて判断できる部分より、何時間も音楽を聴いているときにハッとする美しさを感じること。

木材の選択のなかで、ぱっと聴いても分かる響きを持っている材料は避けました。どの楽器も画一的な「綺麗な音」になってしまうのです。

ひのき材に求めたのは、もう少し素朴で風合いの良い響きです。スピーカーに仕立てる際には、さらに制振構造を加えて、響きの状態を調整することで「美しい」と感じられる所へ持っていくことができたと思っています。


  
  <スピーカー内部の制振構造>





ギリギリを攻める

研ぎ澄まされたモノには、美しさが宿ると考えています。
例えるのなら、日本刀の輝きのような感じです。極限まで研いだ刃先は、見るものを魅了する美しさがあります。

音も破綻しないギリギリを狙うことが、美しさの根源になります。
サビの部分で声を張り上げたとき、音が破綻しないギリギリの表現ができると、そこに美が宿ります。それは、単なる綺麗とは違う意味合いになるはずです。

部品のクオリティ(例えばスピーカーユニットやコンデンサ)が良質であるのも条件になりますが、それだけでなく音の余韻(響きとも言いますが)の帯域バランスをしっかりと管理して設計することが大切です。




リラックスできること

ほっと一息つきたいときに、聴きたい音。

単に「リラックス」といっても様々ですが、自分がイメージするのは日本庭園のような安らぎです。



自然の様を大切にするのが、日本庭園の魅力だと思っています。
ぱっと見は地味かもしれませんが、ほっと一息ついて抹茶でも飲みたくなる雰囲気がある場だと思います。

作為的すぎずに、整える。この両者が両立出来ている状態が「美しい」だと思います。
そして、これが日本庭園と、私の志すオーディオの共通点です。



オーディオは工業製品ではありますが、そこに自然な風合いをどこまで持たせられるか。技術一辺倒にならないように、これからも研鑽を積んでいきたいと思っています。





まとめ

オーディオにおいて何を「良し」とするのは人それぞれです。様々なオーディオマニアの方の音を聴かせて頂く機会がありますが、どれ一つとして同じ音ではなく、どれも魅力的な音であることに驚かされます。

オーディオを本格的に初めてまだ15年ほどですが、ようやく自分の目指す音や、オーディオ像が明確になってきたように思います。そして、それを具現化できたのがオーディフィルの「ひのきスピーカー」です。

もし ひのきスピーカーを聴く機会があったら、ぜひこの3つの要素を思い出してもらえると嬉しいです。


オーディフィルが目指す音 ~終~



<関連記事>

「オーディフィルが目指す音 ~その2(艶やか)~」

「オーディフィルが目指す音 ~その1(力強い)~」





ひのきスピーカー「SOLA Mk2」の詳細はこちら。





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