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桧でスピーカーを作るということ(後編)

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今回は、「桧でスピーカーを作るということ」の後編です。



「桧」を選んだ理由については、前回に書いたのですが、
しばしば『桧って高いの?』ということを聞かれます。

まあ、高いか安いかは人それぞれの感覚で違うのですが、
ざっとwebで調べてみたところだと、

「桧(節あり材)」で、「フィンランドバーチ合板」と同じぐらいの値段。

といった感じでしょうか。

もちろん、お店や寸法、表面仕上げや時代によって、価格はまちまちですし、
大面積が得意な「フィンランドバーチ合板」と、
柱材が得意な「桧」 を同列で比較するのも、微妙なところがあります。


ちなみに、先の比較は「節あり材」というグレードで、
建材など見えない所での使用であれば、これで十分かと思います。


(写真左が、節あり材)

スピーカーは鳴れば十分というわけではなく、
やはり見た目の美しさ、左右ペアの均質な響きなどが求められます。

オーディフィルのPremiumシリーズに相当する「PR-83Sol」と「PR-10」では、
「節無し」の材料を使うほか、
使用材料の打音チェックで、左右のマッチングを図っています。



あ、打音チェックについて説明しますね。

無垢の桧材は、同じ寸法に切った材料でも、
「コンコン」と叩くと音が違うことが多々あります。

おそらく、無垢材ゆえに、
一つづつ密度や強度が微妙に違うためだと思います。
音階でいえば「ド」と「ミ」ぐらいの違いがあることもありました(笑)

ステレオ再生で使う以上、やはり左右の品質がマッチしていることは重要でしょう。
製作に使う板を一つ一つ叩いてマッチングさせていくのは本当に地味な(アホなw)作業ですが、せっかく製作するなら!という意気込みでやっています。


これでも接着時の微妙な差で、完成した時の音のズレが発生してしまうのですが、
少なくとも、自分で制御できるところは詰めておきたいものです。




さて、無垢材の魅力は、「年輪」にもあります。

これは、どちらかというと、外観の話になるのですが、
フロントバッフル程度の幅(15cm弱)であれば、ざっと20~30年分の年輪が刻まれています。

これって、地味に凄いと思うんですよねぇ。

20年前の1997年は、DIATONEのDS-2000ZXが発売された年ですし、
30年前の1987年は、初の民生用CDプレーヤー登場から僅か5年という頃です。

その頃から、手間暇かけて育てられた桧が、
こうしてスピーカーになって、音を奏でているのです。

そう思うと、ちょっぴりイイ音に感じられるようになるのは、私だけでしょうか(笑)


さて、そんな無垢桧材で製作した「PR-83Sol」ですが、
なんといっても、音響的な基本設計が大事なのは言うまでもありません。

次回の日記では、「PR-83Sol」のエンクロージュア設計について、書こうと思います。


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