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T/Sパラメータと「BHファクター」の話 (後編)

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前回の日記で、スピーカーユニットのT/Sパラメーターから、
『 Q0 × m0 ÷( Sd ×2 ) 』
を計算する事でバックロードホーン(BH)向けか一発で分かる!、みたいな事を書きました。



では、実際にどうなの?

ということで、色々なスピーカーユニットに対して、計算を行ってみました。
その結果を、excelファイル(xis形式)でupしておいたので、下記リンクからダウンロードしてください♪
<BHファクター 計算表3>
https://box.yahoo.co.jp/guest/viewer?sid=box-l-6q3set3ngusten66eraavg3vb4-1001&uniqid=8200d759-fb85-40d4-9832-de67ce56868b&viewtype=detail



これを見ると、BHファクターは「39」〜「1227」まで非常に幅広い数値となっています。
その中で、上位を占めるのはFOSTEXの限定ユニットでした。

BHファクター最小値「39」は、長岡先生晩年の作例「D58ES」「ネッシー」「D-150 モア」などを生み出した『FE208ES』でした。



FOSTEX以外のユニットとしては、
AUDIO NIRVANAの「Super8」。 BHファクター「41」


Lowtherの「PM4」。 BHファクター「50」


TangBandの「W8-1772」。 BHファクター「61」


DaytonAudioの「PS220」「PS180」。 BHファクター「62」


などが続きます。

確かに、これらはBH向けと言われるユニットなので、
この「BHファクター」の正しさを支えるユニット達だと言えますね。




一方で、例外もパラパラありました。
印象的なのはParcAudioの「DCU-F121W」「DCU-F122W」です。



ParcAudioの10cm口径「DCU-F121W」を強化して、
バックロードホーン向けユニットとして生まれたのが「DCU-F122W」になります。


しかし、「BHファクター(値が小さい方がBH向け)」を計算すると、
(バスレフ向け)「DCU-F121W」『214』 
(BH向け・限定商品)「DCU-F122W」『300』
となってしまい、逆転してしまうのです。

では、「DCU-F122W」はBH向けではないのか?というと、
色々な作例があり、何とも言えません。

「限定10cmウッドコーン(DCU-F122W)イベント速報(2)」
http://www.parc-audio.com/blog/208
「PARC Audio ユーザーコーナー」
http://dream-creation.jp/user%20corner/list/f122w.html
「音工房ZのPARK AUDIO DCU-F122W専用 限定販売バックロードホーンキット」
http://z-sound.biz/z700/dcuf122w.html


そこで、ParcAudioのブログで、TSパラメータについて質問してみたところ、
「一応発表してるけど、TSパラメータだけでは音は分からない」といった感じのようです。
<ParcAudio 2011.12.27 「8cm赤パーク登場」>
http://www.parc-audio.com/blog/1213




まだまだ問題点がある「BHファクター」ですが、
個人的には、一つの数値でユニットを比較できるようになったのは大進歩かな?と考えています。

もちろん、TSパラメータだけでは音は分からないでしょうし、もしTSパラメータだけで音が全て分かったらユニット設計者は苦労しないでしょうw

さらに、「どんな物理特性がバックロードホーン向きと言えるのか(フロントロードホーンならある程度理解されている)」「バックロードホーンはどういう動作をしているのか」さえ私自身余り理解していないので、それがTSパラメータ解釈の難しさを増大しているように感じています。

<終>

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