10月16日の日記では、
今回のコンテスト参加作品の設計図を紹介すると共に、共鳴管作りのコツを書きましたが、
さらにノウハウが得られたので紹介します。
まずは、管の断面積。
熟練者に聞いた所、やはり振動板面積の5倍は大きすぎるらしいです。
その人曰く、
断面積が大きすぎると、100Hz前後が強調されるぎる代わりに超低域のレベルが下がる…
断面積が小さすぎると、超低域は出る代わりに、100Hz前後が出なくなる…
とか。
断面積はユニットに対して適性値があるらしく、どんなに大きくても3倍は超えることは少なく、FOSTEXユニットでも2倍か、それ以下がいいところ…とも言っていました。
本当なのか私には不明ですが、仮にそうであればコンパクトな設計に貢献しそうです。
後日時間があるときにでもテストしてみたいですね。
さらに、共鳴管もバックロードも共通なのですが、
太すぎる音響管はその内部(横方向)の定在波が出やすいように思います。
私の場合、バックロードでも空気室を大きめに取り、スロート断面積も大きめにしてしまうのですが、
それらの音響管スピーカーに共通して「ヒョンヒョン」という中域の共鳴音が出てしまうのです。音楽を聴いていると、異様にバックコーラスやエコー成分が誇張されてしまいます。
原因は明確に特定できていませんが、今後の課題として考えていこうと思います。
そして、ユニットから管端までの距離。
この距離(距離 L mとする)により、
340÷(L×4)
に相当する周波数に、幅1オクターブ、-10dB程度の大きなディップを作ることができる
というのは、前回と変わりありません。
おそらく、共鳴管の放射特性を明確に変えられる最大のポイントです。
しかし、「変えられる」=「音が良い」とは限らないようで、
L>60cm:100Hz付近が減衰し低音量感不足。
60cm>L>20cm:100Hz〜400Hzにディップが生じ、低音特性に違和感を感じる。
(ウッドベースの音階を聴いた時に、不自然に一部の音域が消える)
20cm>L>音道幅÷2:ホーンからの中高音モレを軽減できる。
音道幅÷2>L :長岡式ネッシーに近い音色となる。
「音道幅÷2」というのは、例えば共鳴管の幅が15cmだとしたら、
15cm÷2=7.5cmということです。
この項目は、大きく音色が変わる&周波数特性も大きく変化するので、
さらなる探求が重要だと思われます。
そして、閉管端の処理
これは、完全反射面が最適なようです。
この部分(端から10cm)は、全体の共鳴効率に対して非常に支配力が強く、
吸音材を敷いただけで、共鳴効率はガクンと落ちてしまいました。
さらに、この部分を「ノーチラスチューブ」のような先細り形状にするのも共鳴効率を下げる要因となるようです。しかも、たった20cm程度の先細り形状であっても確実に共鳴効率低下を招いているようなのです。
もちろん、「共鳴効率が下がる=悪い事」ではなく、共鳴管特有のピークディップが軽減されるという見方も出来まして、前田氏の『チューバ』シリーズはその設計思想なのだと思います。
なお、端から20cmも離れれば吸音材により共鳴効率がガクンと落ちることは無くなるようです。この考えを元に設計したのが小澤先生の共鳴管なのだと思います。
波長が数メートルもある低音域の共鳴が、そんな数センチの差で変わってしまうというのは個人的には納得がいきません。
しかし、実験事実としては、変わってしまうのですから仕方ないですね…
今回のコンテスト参加作品の設計図を紹介すると共に、共鳴管作りのコツを書きましたが、
さらにノウハウが得られたので紹介します。
まずは、管の断面積。
熟練者に聞いた所、やはり振動板面積の5倍は大きすぎるらしいです。
その人曰く、
断面積が大きすぎると、100Hz前後が強調されるぎる代わりに超低域のレベルが下がる…
断面積が小さすぎると、超低域は出る代わりに、100Hz前後が出なくなる…
とか。
断面積はユニットに対して適性値があるらしく、どんなに大きくても3倍は超えることは少なく、FOSTEXユニットでも2倍か、それ以下がいいところ…とも言っていました。
本当なのか私には不明ですが、仮にそうであればコンパクトな設計に貢献しそうです。
後日時間があるときにでもテストしてみたいですね。
さらに、共鳴管もバックロードも共通なのですが、
太すぎる音響管はその内部(横方向)の定在波が出やすいように思います。
私の場合、バックロードでも空気室を大きめに取り、スロート断面積も大きめにしてしまうのですが、
それらの音響管スピーカーに共通して「ヒョンヒョン」という中域の共鳴音が出てしまうのです。音楽を聴いていると、異様にバックコーラスやエコー成分が誇張されてしまいます。
原因は明確に特定できていませんが、今後の課題として考えていこうと思います。
そして、ユニットから管端までの距離。
この距離(距離 L mとする)により、
340÷(L×4)
に相当する周波数に、幅1オクターブ、-10dB程度の大きなディップを作ることができる
というのは、前回と変わりありません。
おそらく、共鳴管の放射特性を明確に変えられる最大のポイントです。
しかし、「変えられる」=「音が良い」とは限らないようで、
L>60cm:100Hz付近が減衰し低音量感不足。
60cm>L>20cm:100Hz〜400Hzにディップが生じ、低音特性に違和感を感じる。
(ウッドベースの音階を聴いた時に、不自然に一部の音域が消える)
20cm>L>音道幅÷2:ホーンからの中高音モレを軽減できる。
音道幅÷2>L :長岡式ネッシーに近い音色となる。
「音道幅÷2」というのは、例えば共鳴管の幅が15cmだとしたら、
15cm÷2=7.5cmということです。
この項目は、大きく音色が変わる&周波数特性も大きく変化するので、
さらなる探求が重要だと思われます。
そして、閉管端の処理
これは、完全反射面が最適なようです。
この部分(端から10cm)は、全体の共鳴効率に対して非常に支配力が強く、
吸音材を敷いただけで、共鳴効率はガクンと落ちてしまいました。
さらに、この部分を「ノーチラスチューブ」のような先細り形状にするのも共鳴効率を下げる要因となるようです。しかも、たった20cm程度の先細り形状であっても確実に共鳴効率低下を招いているようなのです。
もちろん、「共鳴効率が下がる=悪い事」ではなく、共鳴管特有のピークディップが軽減されるという見方も出来まして、前田氏の『チューバ』シリーズはその設計思想なのだと思います。
なお、端から20cmも離れれば吸音材により共鳴効率がガクンと落ちることは無くなるようです。この考えを元に設計したのが小澤先生の共鳴管なのだと思います。
波長が数メートルもある低音域の共鳴が、そんな数センチの差で変わってしまうというのは個人的には納得がいきません。
しかし、実験事実としては、変わってしまうのですから仕方ないですね…