ミューズの方舟主催「スピーカーコンテスト2014」の第二回です。
今回も、工夫に満ちた作品が登場します!
まずは、井形さんの「9FTB」
独特な外観ですが、中身にも注目です。
一番の注目は、「トリプルバスレフ方式」です。
複雑な構造ですが、既に公式は出来上がっているとのこと。
低音を放出するトリプルバスレフの開口部を、ユニット周囲に配しており、
完全な点音源を実現すると共に、デザイン上でのポイントとなっています。
さらに、ユニットは磁気回路部をダイレクトに固定しています。
マグネット部を4本のネジで頑強に留めることで、弱点となるフレームの悪影響を排除しています。
音を聴くと、全域に渡ってヌケが良く、
レスポンスに優れた音であることが分かります。
搭載している「10F/8422-03(付録)」は、やや穏やかなキャラクターのユニットなのですが、
本機からは、聴こえてくるサウンドはむしろ逆。鮮烈な快音を響かせます。
宇多田ヒカルの楽曲では、
本機ならではのサウンドが切れ味の良さを演出してくれました。
トリプルバスレフの自然に伸びた低音とマッチして、
(見た目とは裏腹に?)現代的なサウンドを聴かせてくれました。
ボーカルは、写実的に細部を描き、
器楽でも、純度の高い音で鳴らします。
試聴のラストは、自衛隊の砲撃音でしたが、
こういう瞬発力のある音を大音量で鳴らせるのは、
スピーカーとしての基礎性能が高いことの証明ではないかと思います。
さて、お次は「デフトラン」の上條さん。
今年は、お馴染みの「ヒレ(※)」だけでなく、
電源トランスを使用した低音増幅回路を組み込んだ作品をお持ちくださいました。
(※)振動板の不要振動低減を目的に、細かな紙片を振動板に貼ったもの。
エンクロージュア自体は、簡素な密閉型なのですが、
電源トランスを用いた回路に至るまでは、相当な試行錯誤があったのでは?と想像しています。
良く見ると、ユニットの固定位置がエンクロージュア中央ではなく、
微妙にオフセットしていることが分かります。
あくまでも想像ではありますが、回折現象などに着目した工夫なのでは?と思っています。
ユニットは先ほどの井形さんと同じ、「10F/8422-03(付録)」なのですが、
暖かな雰囲気を大切にしたサウンドで、心に染み入る音を聴かせます。
「ヒレ」を搭載した上條さんのスピーカーは、過去に何回か聞いたことがあるのですが、
どれも、ボーカルのニュアンスを濃厚に表現する能力があると感じています。
本機も例外ではなく、平原綾香のクリスマスソングは、情感たっぷりで、
歌詞の意味、歌い手の意図がダイレクトに伝わってくるサウンドなのです。
さらに今年は、拘りぬいた電気回路の搭載もあり、雰囲気重視なだけに留まらず、
JAZZや大編成のクラッシックでも、
各帯域において好ましいバランスであったことを追記しておきましょう。
さて、次に紹介する、谷本さんの「タワーBSP-2014」も、面白い工夫が満載です!
(ユニットは「10F/8424G00(市販)」を搭載)
初めて谷本さんの作品を目にする方は、
おそらく「透明プラスチック段ボール」を使用した本体に驚くことかと思います。
昨年のコンテストでも、この材料を使用したスピーカーを持参くださり、
その付帯音から解放されたサウンドに私自身も驚かされました。
付帯音を嫌うあまりに「重く」「厚く」「固く」作るのがスピーカーの常識ですが、
こちらは、あえて軽いエンクロージュアとすることで、固有の癖を排除することを狙っているのだと思います。
ただ、今年の本当の驚きは、その先にありました。
なんと、スピーカーユニットが、「隠れている」のです。
正確には、「ユニットの前方が板で覆われている」ということなのですが、
ユニットの振動がキャビネットを揺らし、そこから出た音をリスナーは聴くのです。
こんな工夫に満ちた作品から出てきた音は、(良い意味で)最高に「規格外」。
特に印象的だったのは、バンドの演奏で、
スピーカーの存在が完全に消え、
SP背後にあるステージの上で、エレキ奏者が自前のアンプで演奏しているように聞こえるのです。
不思議なのは、オルガンの演奏で、
80Hz付近の「ぐっ」と来る低音も十分に聞こえてくるのです。
本体が揺れているから…という説明なしには考えられない低音再生に、
驚きを隠せないカノン5Dでした。
スピーカーコンテストともなると、多種多様なスピーカーに出合えるもので、
この3作品はどれも印象深いものでした。
お客さんの投票でも、「アイディア票」を多く獲得し、
アイディア票のトップ4に、今回紹介した3作品が入る結果となりました。
さて、次に紹介するのは(打って変わって?)
王道の使いこなしが光る2作品です。
お楽しみに!
今回も、工夫に満ちた作品が登場します!
まずは、井形さんの「9FTB」
独特な外観ですが、中身にも注目です。
一番の注目は、「トリプルバスレフ方式」です。
複雑な構造ですが、既に公式は出来上がっているとのこと。
低音を放出するトリプルバスレフの開口部を、ユニット周囲に配しており、
完全な点音源を実現すると共に、デザイン上でのポイントとなっています。
さらに、ユニットは磁気回路部をダイレクトに固定しています。
マグネット部を4本のネジで頑強に留めることで、弱点となるフレームの悪影響を排除しています。
音を聴くと、全域に渡ってヌケが良く、
レスポンスに優れた音であることが分かります。
搭載している「10F/8422-03(付録)」は、やや穏やかなキャラクターのユニットなのですが、
本機からは、聴こえてくるサウンドはむしろ逆。鮮烈な快音を響かせます。
宇多田ヒカルの楽曲では、
本機ならではのサウンドが切れ味の良さを演出してくれました。
トリプルバスレフの自然に伸びた低音とマッチして、
(見た目とは裏腹に?)現代的なサウンドを聴かせてくれました。
ボーカルは、写実的に細部を描き、
器楽でも、純度の高い音で鳴らします。
試聴のラストは、自衛隊の砲撃音でしたが、
こういう瞬発力のある音を大音量で鳴らせるのは、
スピーカーとしての基礎性能が高いことの証明ではないかと思います。
さて、お次は「デフトラン」の上條さん。
今年は、お馴染みの「ヒレ(※)」だけでなく、
電源トランスを使用した低音増幅回路を組み込んだ作品をお持ちくださいました。
(※)振動板の不要振動低減を目的に、細かな紙片を振動板に貼ったもの。
エンクロージュア自体は、簡素な密閉型なのですが、
電源トランスを用いた回路に至るまでは、相当な試行錯誤があったのでは?と想像しています。
良く見ると、ユニットの固定位置がエンクロージュア中央ではなく、
微妙にオフセットしていることが分かります。
あくまでも想像ではありますが、回折現象などに着目した工夫なのでは?と思っています。
ユニットは先ほどの井形さんと同じ、「10F/8422-03(付録)」なのですが、
暖かな雰囲気を大切にしたサウンドで、心に染み入る音を聴かせます。
「ヒレ」を搭載した上條さんのスピーカーは、過去に何回か聞いたことがあるのですが、
どれも、ボーカルのニュアンスを濃厚に表現する能力があると感じています。
本機も例外ではなく、平原綾香のクリスマスソングは、情感たっぷりで、
歌詞の意味、歌い手の意図がダイレクトに伝わってくるサウンドなのです。
さらに今年は、拘りぬいた電気回路の搭載もあり、雰囲気重視なだけに留まらず、
JAZZや大編成のクラッシックでも、
各帯域において好ましいバランスであったことを追記しておきましょう。
さて、次に紹介する、谷本さんの「タワーBSP-2014」も、面白い工夫が満載です!
(ユニットは「10F/8424G00(市販)」を搭載)
初めて谷本さんの作品を目にする方は、
おそらく「透明プラスチック段ボール」を使用した本体に驚くことかと思います。
昨年のコンテストでも、この材料を使用したスピーカーを持参くださり、
その付帯音から解放されたサウンドに私自身も驚かされました。
付帯音を嫌うあまりに「重く」「厚く」「固く」作るのがスピーカーの常識ですが、
こちらは、あえて軽いエンクロージュアとすることで、固有の癖を排除することを狙っているのだと思います。
ただ、今年の本当の驚きは、その先にありました。
なんと、スピーカーユニットが、「隠れている」のです。
正確には、「ユニットの前方が板で覆われている」ということなのですが、
ユニットの振動がキャビネットを揺らし、そこから出た音をリスナーは聴くのです。
こんな工夫に満ちた作品から出てきた音は、(良い意味で)最高に「規格外」。
特に印象的だったのは、バンドの演奏で、
スピーカーの存在が完全に消え、
SP背後にあるステージの上で、エレキ奏者が自前のアンプで演奏しているように聞こえるのです。
不思議なのは、オルガンの演奏で、
80Hz付近の「ぐっ」と来る低音も十分に聞こえてくるのです。
本体が揺れているから…という説明なしには考えられない低音再生に、
驚きを隠せないカノン5Dでした。
スピーカーコンテストともなると、多種多様なスピーカーに出合えるもので、
この3作品はどれも印象深いものでした。
お客さんの投票でも、「アイディア票」を多く獲得し、
アイディア票のトップ4に、今回紹介した3作品が入る結果となりました。
さて、次に紹介するのは(打って変わって?)
王道の使いこなしが光る2作品です。
お楽しみに!