新しいスピーカーユニットの固定方式である、グリップマウント(GM)方式の説明です。
GM方式では、ユニットの磁気回路を「つまむ」ように固定します。
具体的には、このようにスピーカー側板から伸ばした木片(図中 青線)と、隙間を埋める緩衝材によって構成されます。
ポイントは、木片でギリギリまで間隔を詰めておき、最後の約1mm程度の隙間を「片側」に挿入する緩衝材で調整するところです。片方は、木材とリジッドに接触しますので、弾性体による音質劣化(過度な振動吸収)を防ぎます。
なお、各部の寸法は下記のようになります。
まずは、フレーム端から磁気回路までの距離「A」を測ります。
そして、Aから板厚を除いた距離「B」を求め、そこに木片を設置します。
この木片のサイズは、磁石の直径「C」と箱の横幅「F」から求まります。
ポイントは、二つの木片のサイズを微妙に変えることです。
木片のサイズ(DとE)を求める式としては、
(F-C)÷2=E
F-C-E-「1mm」=D
ここでDを若干小さなサイズとすることで、、
緩衝材で調整するための隙間(1〜2mm程度)を確保します。
この隙間があるために、各部の工作精度が低くても問題ないのです。
では、実際の数値を使って計算しましょう。
箱の幅(F)が150mm、磁石の直径(C)が80mmだとすると、
E=(150-80)÷2=35mm
D=150-80-35-1=34mm
となります。
実際のスピーカーに固定すると、
この二つの木片がユニット穴から見える形になります。
ユニット穴のすぐ近くなので、
エンクロージュアの完成後であっても、木片を左右に固定することで
GM方式を施工する事ができるのです。
さて、ここからがGM方式の本領です。
緩衝材(図中の緑色)についてです。
この緩衝材は、磁石側に固定します。
当然ながら、ユニットを「正しい向き」にした際に、木片と接する場所でなくてはいけません。
実際には、こんな感じです。
丸い磁石にコブが出来たようになりますね。
今回は、100円ショップで買った和紙を8枚ぐらい重ねたらピッタリの寸法となりました。
最後に「マスキングテープ(タミヤ模型製)」という黄色い粘着テープを使って固定します。このテープは模型店やホームセンターで売られており、何度も貼り剥がしが可能であり、かつ表面の摩擦が少ないことから選択しました。
このコブを作るのには、好きな材料を使うことができるので、音色変化に注目して材料を吟味するのも楽しそうです。
そして、ユニットを斜めにしながら箱に入れ、
「回す」ようにして正しい位置までもっていきます。
最終的には、木片と緩衝材の位置が重なり、ギュっと磁石が左右から圧迫される形になります。
もし、緩衝材が厚すぎると最後の正しい向きまで回せませんし、薄すぎると圧迫されずにガタが残ります。何度も緩衝材の厚みを吟味して、紙一重の調整を行います(そのために貼り剥がしが自在なマスキングテープを使っているのです)。
こうして、ユニットはガッチリ左右から固定されます。
箱の完成後からでも施工することができ、かつ緩衝材の厚さをコントロールすることで工作精度が低くてもOKという、魅力的な方法だと思っています。
気になる音質の変化としては、
全帯域に渡って音の陰影が強くなり、音のクオリティが別物になるといえます。
磁気回路が強固に固定されているので、振動の立ち上がり・立下りが非常に明快になり、鋭い音はもっと鮮烈に、柔らかい音はもっと低歪みに再生する事ができます。
変化の度合いとしては、10万円のスピーカーと30万円のスピーカーの違いぐらいあるかなぁ、と勝手に信じていますw
最後に、磁気回路が小さいユニット(古典的ユニットやネオジム磁石など)は。
このような構造で、箱の底面から伸びる「腕」でGM方式を実現することもできるでしょう。
GM方式では、ユニットの磁気回路を「つまむ」ように固定します。
具体的には、このようにスピーカー側板から伸ばした木片(図中 青線)と、隙間を埋める緩衝材によって構成されます。
ポイントは、木片でギリギリまで間隔を詰めておき、最後の約1mm程度の隙間を「片側」に挿入する緩衝材で調整するところです。片方は、木材とリジッドに接触しますので、弾性体による音質劣化(過度な振動吸収)を防ぎます。
なお、各部の寸法は下記のようになります。
まずは、フレーム端から磁気回路までの距離「A」を測ります。
そして、Aから板厚を除いた距離「B」を求め、そこに木片を設置します。
この木片のサイズは、磁石の直径「C」と箱の横幅「F」から求まります。
ポイントは、二つの木片のサイズを微妙に変えることです。
木片のサイズ(DとE)を求める式としては、
(F-C)÷2=E
F-C-E-「1mm」=D
ここでDを若干小さなサイズとすることで、、
緩衝材で調整するための隙間(1〜2mm程度)を確保します。
この隙間があるために、各部の工作精度が低くても問題ないのです。
では、実際の数値を使って計算しましょう。
箱の幅(F)が150mm、磁石の直径(C)が80mmだとすると、
E=(150-80)÷2=35mm
D=150-80-35-1=34mm
となります。
実際のスピーカーに固定すると、
この二つの木片がユニット穴から見える形になります。
ユニット穴のすぐ近くなので、
エンクロージュアの完成後であっても、木片を左右に固定することで
GM方式を施工する事ができるのです。
さて、ここからがGM方式の本領です。
緩衝材(図中の緑色)についてです。
この緩衝材は、磁石側に固定します。
当然ながら、ユニットを「正しい向き」にした際に、木片と接する場所でなくてはいけません。
実際には、こんな感じです。
丸い磁石にコブが出来たようになりますね。
今回は、100円ショップで買った和紙を8枚ぐらい重ねたらピッタリの寸法となりました。
最後に「マスキングテープ(タミヤ模型製)」という黄色い粘着テープを使って固定します。このテープは模型店やホームセンターで売られており、何度も貼り剥がしが可能であり、かつ表面の摩擦が少ないことから選択しました。
このコブを作るのには、好きな材料を使うことができるので、音色変化に注目して材料を吟味するのも楽しそうです。
そして、ユニットを斜めにしながら箱に入れ、
「回す」ようにして正しい位置までもっていきます。
最終的には、木片と緩衝材の位置が重なり、ギュっと磁石が左右から圧迫される形になります。
もし、緩衝材が厚すぎると最後の正しい向きまで回せませんし、薄すぎると圧迫されずにガタが残ります。何度も緩衝材の厚みを吟味して、紙一重の調整を行います(そのために貼り剥がしが自在なマスキングテープを使っているのです)。
こうして、ユニットはガッチリ左右から固定されます。
箱の完成後からでも施工することができ、かつ緩衝材の厚さをコントロールすることで工作精度が低くてもOKという、魅力的な方法だと思っています。
気になる音質の変化としては、
全帯域に渡って音の陰影が強くなり、音のクオリティが別物になるといえます。
磁気回路が強固に固定されているので、振動の立ち上がり・立下りが非常に明快になり、鋭い音はもっと鮮烈に、柔らかい音はもっと低歪みに再生する事ができます。
変化の度合いとしては、10万円のスピーカーと30万円のスピーカーの違いぐらいあるかなぁ、と勝手に信じていますw
最後に、磁気回路が小さいユニット(古典的ユニットやネオジム磁石など)は。
このような構造で、箱の底面から伸びる「腕」でGM方式を実現することもできるでしょう。