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新規ユニット固定方法 「グリップマウント方式」 〜その1〜

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ミューズの方舟のコンテスト出場作「W-tone」は、
ユニットの固定方法を工夫しています。



ユニットは、フレームに付いたネジ穴で固定するのが最も一般的な方法ですが、
それだけでは振動板の反作用を受け止めきれない事が、以前から問題視されていました。


そこで、少数のスピーカー(市販・自作を問わない)で、
ユニットの後部を直接支持する方法が用いられていました。


最近の例では、ビクターのスピーカー「SX-M3」があります。
http://www3.jvckenwood.com/audio_w/hifi/sx-m3/feature01.html


このように、ユニットの後部を何らかの方法でネジ止めすることで、
頑強な動作支点を設けることができるのです。


しかし、この方法は工作難易度が高く、ユニットに何らかの不可逆な加工が必要なことから、躊躇する自作スピーカー愛好家も多かったはずです。



それを解消した方法として
「SDM」と「自立台」
があります。



「SDM」は、1990年頃に前田好一氏によって考案された方式で、前田氏の作例として雑誌に掲載された「チューバ」「クリスタル・ベーシック」にも採用されています。
この方式では、スピーカー内部に仕切りを設け、そこで磁気回路を支持する構造です。支持部は、「foQ」素材や銅箔テープで隙間を調整します。
そこにユニットを強い力で押し込むことで、頑強に固定することができるのです。


一方、「自立台」はGe3(ゲゲゲ)によって提唱された方式です。
https://ge3.jp/index.php?main_page=product_info&cPath=21&products_id=153
スピーカー底面から伸ばした棒の上に、ユニットの磁石を乗せます。そして、ユニットを固定するネジを可能な限り弱く締めることで、各パーツへのストレスを最小限とし歪みの低減を狙っています。

昨年、私が作った「ヘキサロード」は自立台を採用しています。

(ユニット穴の下部に見える白い木片が、「自立台」)



んで、今年も「自立台」をやろうと思ったら、妙な「ビビリ音」が発生するのです。
どうやら自立台とユニットの接触部が原因のようです。

「自立台」は、ユニットの自重のみで接触しているので、エンクロージュア内部の共

鳴など、外力に対して弱点をもつようです。



そこで、今回採用したのが「グリップマウント(GM)方式」です。

イメージとしては、ユニットの磁石部分を「つまむ」ように固定する感じです。
これなら、フレームに機械的な歪みは発生しませんし、振動板動作の基点である磁石をダイレクトに支持することができます!


詳細は、次回。

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