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スピーカーユニットの固定方法(03)

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スピーカーユニットの固定方法について紹介している連載、今回は「対向配置」について書いていこうと思います。



対向配置のメリットは、スピーカーユニットの振動を打ち消せることにあります。



フロントバッフルに固定するだけの方法では、ユニットが音を出そうとしたときに、その反作用で少しだけ箱が後ろに動きます。これがどの程度問題なのかは後程お話ししますが、理想的な振動板の動きを妨げるものといえます。

同じスピーカーユニットを2本対向で使うと、それぞれのユニットの反作用を打ち消しあうことができます。
理論的には、これで箱の振動が無くなるはずです。




しかし、現実には箱の剛性(固さ)は限られており、スピーカーユニットの振動に負けて変形してしまいます。たとえば、両側から押されるような力が加わると、中央部が膨れ上がるように変形します。(下図、左)



そこで、右に示したように、左右のユニットを硬い材料(金属など)で接合し、箱への負荷を減らす方法がとられます。

私もいくつか実例を試聴しているなかで、この接合する効果は非常に大きいと感じています。2つのユニットを単に左右対称に配置した場合(図中、左)は、正直目立った改善効果がないのですが、ユニットを強固に接合することで強力でダンピングの効いた低音になるのです。おそらく、先に挙げた箱振動の抑制効果や、細かい振動になる中低音域もしっかり抑制できるためと思われます。




こうした構造を実際に製品に導入している有名な例が、デンソーテン社のサブウーハーです。
  
  <デンソーテン社のサブウーハーTD520SW>
  https://www.eclipse-td.com/products/td520sw/index.html

このサブウーハーでは、フローティング構造を採用しており、連結部された2つのユニットをそのまま抜くことができる構造になっています。



こうした構造は、サブウーハーだけでなくKEF社の「Blade」、ViVidAudio社の「GIYA」といったハイエンドスピーカーにも用いられています。また、最近ではSONY社の「SA-Z1」も有名です。

  
  <ViVid Audio社のGIYAシリーズに搭載されるウーハー構造>
  https://www.stella-inc.com/vivid/download/GIYA-S2.pdf


同じユニットが2本必要であったり、ユニットがリスナー側に向かないことによる指向性の問題はありますが、効果的に振動を低減できる方法として注目することができます。

次回は、床から伸ばした支柱にスピーカーユニットを固定する方法を見ていこうと思います。





ひのきスピーカー「SOLA Mk2」の詳細はこちら。





スピーカーユニットの固定方法(04)

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今回は、「スピーカーユニットを下から支える方法」について見ていこうと思います。

スピーカーのバッフルは、多かれ少なかれ振動するので、
それならば、下から自立した台に固定すれば良いのでは?という考え方です。

いろいろ調べてみると、図に示した①~③の3通りがあるようです。

今回は、①の下から磁石を支える方法について見てみようと思います。




パターン① 下から磁石を支える。

まず、Ge3が「自立台」として提唱している方法があります。これは主に自作スピーカー派の間で使われています。



実例では、このような感じです。

参考:https://blog.goo.ne.jp/4g1g4g0/e/a154dcca0bb967c36e16c69ec324ff3b


参考:https://mtt2.blog.fc2.com/blog-entry-56.html

スピーカーユニットの磁石を支えるように、木材の支柱を下から伸ばします。スピーカーユニットは緩く固定し、基本的にはその柱に乗っているような形になります。




市販スピーカーでは、テクニクスが2017年に発売された「SB-G90」、2021年の「SB-G90M2」というモデルで、「重心マウント」というスピーカーユニットの磁石を支える方法がなされています。


参考:https://jp.technics.com/products/g90m2/

磁石部分に張り出した金属のフレームを、エンクロージュア内部の補強構造にネジ止めする構造になっています。ユニットのフレームを見ると、ネジやドライバーを通す穴(くぼみ)が4カ所あることが分かります。製品ではゴムパッキンを上から被せることで、空気漏れを防いでいます。


参考:https://jp.technics.com/products/g90m2/

スピーカー全体の内部構造を見ると、ユニットはスピーカー左右板の補強板に固定されていることが分かります。スピーカーユニット側に特殊な加工が必要になりますが、合理的な構造といえるでしょう。





この「重心マウント」は、同社の歴史的には珍しい手法です。
2015年発売の上位機種「SB-R1」は、一般的な【フレームをねじ止めする】固定方法ですし、2000年以前の製品で特別な固定方法を採用しているモデルは見受けられませんでした。

あえて言うのであれば、1990年代の「SB-M10000」などでは、「DDD(デュアル・ダイナミック・ドライブ)方式」として、前後逆向きに配されたユニットが振動を打ち消すという取り組みをしていました。これは、前回のブログで紹介した手法ですね。


参考:https://audio-heritage.jp/TECHNICS/speaker/sb-m10000.html





今回は、スピーカーの磁石を下から支える方法の例をみてきました。事例は少ないながらも、こだわりの方法として興味深いものがあったと思います。

次回は、②の「スピーカーの磁石を後ろから支える方法」について調べてみようと思います。どうぞお楽しみに!




ひのきスピーカー「SOLA Mk2」の詳細はこちら。




スピーカーユニットの固定方法(05)

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今回は、上図②の「後ろから磁石を支える」タイプについて見ていきます。



パターン② 後ろから磁石を支える。(パイオニア)

下から伸ばした支柱に、磁石を支えるような役割を持たせる方法は、1980年代後半からパイオニアが「ミッドシップマウント」と称して、継続的に採用していました。

その固定方法は様々なのですが、木材を使った「S-99Twin」、金属を使った「S-3000」があります。

「S-99Twin」
参考:https://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/speaker/s-99twin.html

「S-3000」
参考:https://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/speaker/s-3000.html

他にも「EXCLUSIVE S5(1989年)」「S-5000Twin(1990年)」「S-HE100(1992年)」「S-07(1995年)」といったスピーカーシステムに、「ミッドシップマウント」の表記が見受けられます。


2000年に発売された「S-AX10」では、ミッドシップマウントという文言ではなく「各ユニットはエンクロージャー後方から固定されており...」という記述がありました。
画像を見る限りでは、主な固定は前側のフレームのネジ止めであり、スピーカーユニットの後ろ側にダンピング材を接触させて制振をする、とい手法であると思われます。

「S-AX10」
参考:https://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/speaker/s-ax10.html

このように、パイオニア社は1980年代後半から2000年頃まで、スピーカーユニットの後方を支持する手法に熱心に取り組んできました。


しかしながら、同じ2000年に発売された「S-PM2000」では、一般的な【フレームをねじ止めする】固定方法に戻っています。
酒樽の響きを生かしたピュアモルトシリーズでは、頑強にユニットを固定する必要がなかったのかもしれません。

これ以降は「S-1EX」「TAD M1」といったハイエンドスピーカーでも、スピーカーユニットの固定に特別な所作は見受けられません(※)。両者とも、ハイエンドスピーカーらしい十分な肉厚をもつエンクロージュアになっており、特別な固定方法をとらなくても音質上の問題がなかったものと思われます。

(※TAD M1の中高音域を担当する部分はフローティング)




パターン② 後ろから磁石を支える。(デンソーテン)

タイムドメイン理論を重視するデンソーテンの卵型スピーカーでは、「グランドアンカー」と「ディフュージョンステー」を組み合わせることで、後ろから磁石を支えています。


参考:https://www.eclipse-td.com/products/td510zmk2/index.html

スピーカーユニットに十分な質量をもつアンカーを接触させ、振動を抑え込むことを狙いとした構造です。さらに、それを支える「ディフュージョンステー」は、スピーカーユニットだけでなくキャビネットをも支持をする部材になっており、振動の流れをシンプルにしています。

よく見ると、ユニットに接触する金属部品(黄色)が丸みを帯びているように見えます。これは、鉄製のグランドアンカーと磁石を適度に離すための構造と思われます。素材は加工性や振動特性に優れた「鉄」とのことですが、これがスピーカーユニットに近づきすぎると、その磁力線を引き寄せてしまう問題が起こります。

かつての最上級機「TD712zMk2」では、磁石と接触する支持部分をSUSやアルミ部材に変える対策をしていました。


https://www.denso-ten.com/jp/gihou/jp_pdf/53/53-2.pdf


このように、デンソーテンの卵型スピーカーの場合、スピーカーで発生する全ての振動を「ディフュージョンステー」に集めて、床に放出することが特徴にしています。フルレンジというシンプルな構成だからこそできた理想的な構造だといえるでしょう。





序盤で紹介したパイオニアの「S-99Twin」や、デンソーテンの卵型スピーカーを聴く機会がありましたが、どちらもナチュラルで質感豊かな低音が印象的でした。

凝った構造の割には、音の押し出し感(ゴリッとくる感じ)が強いわけではないので肩透かしを食らってしまう感じもありますが、中高域から低音域まで全体がしっかりと制動されているための音と思われます。良くも悪くも、整った音という印象を抱いています。



次回は、同じ後ろから支持する方法でも、少し変わった方法を紹介します。どうぞお楽しみに!




ひのきスピーカー「SOLA Mk2」の詳細はこちら。





スピーカーユニットの固定方法(06)

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今回は、上図③の「後ろからフレームを支える」タイプについて見ていきます。




パターン③「後ろからフレームを支える」(SONY)

この手法は、SONYが一時期採用していました。


https://www.sony.jp/audio/products/archive/SS-CNX70ED/feature_1.html

こちらは、2001年発売の「SS-X90ED」というトールボーイスピーカーに搭載されている「G-Brace」テクノロジーと呼ばれるものです。スピーカー底面からエンクロージュアとは別の構造を作り、そこにウーハーを固定しています。


「SONY SS-X90ED」
https://www.phileweb.com/news/d-av/200109/28/3257.html

この方法のメリットは、スピーカーユニットを強固に固定できることに加え、ウーハーの取り外しやすさなどのメンテナンス性を確保できることです。


しかしながら興味深いことに、SONYは1999年には「SS-1ED」、2006年には「SS-AR1」という高級スピーカーを発売していますが、そのどちらにもこの方式は使われませんでした。

高級機だからといって、必ずしも凝った固定方法が採用されるわけではないのです。

これは、テクニクスが中堅のグランドクラスで磁石を直接固定する手法をとりながら、最上位のリファレンスクラスでは一般的な固定方法(フレームをねじ止め)とするのと同様です。




次回は、「フローティング構造」をもつスピーカーについて見てみようと思います。
どうぞお楽しみに!










アニソンオーディオフェス2022 開催します!

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秋の深まりを感じる季節になりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今日は、オーディフィル主催イベントの紹介です。




アニソンオーディオフェス2022の詳細はこちら

★試聴参加のみも歓迎いたします。★
(毎年 発表者7名、試聴参加者10名ぐらいです)




こちらで紹介するのは初めてかもしれませんが、2018年から毎年開催しているイベントになります。

自作スピーカーを作っていたころから「アニソンを自由に鳴らせて、聴く人と一緒に楽しめるイベントって無いなぁ...」という思いがあり、開催に至りました。

主にTwitterで募集をしていましたが、有難いことに参加して下さる方が毎年いらっしゃって、
また今年も開催する運びになりました。

会場の確保や、JASRACへの申請など、こちらもだいぶ手馴れてきたところがあります。
今年も皆さんに楽しんでいただけるイベントになればいいなぁと思っています!

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開催日:2022年12月18日(日)
開場: 10時30分~ (試聴のみ参加者の入場開始)
開演: 11時00分~  17時頃、終演予定
★試聴参加のみも歓迎いたします。★

会場「東小金井マロンホール」

開催詳細はこちら
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ひのきスピーカー「SOLA Mk2」





ひのきでスピーカーを作る理由(その3)

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https://www.audifill.com/index.html


今日は、オーディフィルが「なぜ ひのき材でスピーカーを作るのか」についてお話ししようと思います。

実はこのテーマ、過去にも何回かブログにしています。
思い立つ度に書いているのですね(笑)

2016年09月09日「桧でスピーカーを作る(前編)

2016年09月11日「桧でスピーカーを作る(後編)

2017年01月14日「桧でスピーカーを作るということ(前編)

2017年01月15日「桧でスピーカーを作るということ(後編)

2022年02月11日「[S-073] ひのきでスピーカーを作る理由(その1)

2022年02月27日「[S-073] ひのきでスピーカーを作る理由(その2)




ことの始まりは、「MDF」という材料への疑問でした。

店頭でもらってくるカタログを見ると、
いかにも素晴らしい材料のようにMDFが書かれています。

オーディオを始めた当初は、「MDFって凄いんだなぁ」と思っていました。
だって、どのメーカーのカタログにも「MDFで作りました!」って誇らしげに書いてあるのですから。

※当時は、パーティクルボードという材料と比較して、MDFがより高密度材料である、という意味で各社が宣伝していたものと思われます。




自作オーディオを始めるようになった頃も、
ホームセンターで買ってきたMDFやラワン合板で、
なんの疑問もなく作っていました。


最初の出会いは「シナアピトン合板」という材料でした。
当時、マキゾウクラフト(現在廃業)という木工業者さんが、音響用の高級材料として扱っていました。


シナアピトン合板で制作した「S-004(2007年)」


シナアピトン合板で作ったスピーカーの音を聴いて、驚愕。
ラワン合板とは全く違う、透明度が高く艶やかな音が出てきたのです。


これは、材料の影響がでかいのではないか!?


そう考えたカノン5Dは、片っ端から材木を集め、
試聴テストを行いました。



そうすると、MDFが意外とパッとしない。。。
市販スピーカーのMDF神話は何だったのか。。。


期待したのは、重くて硬い材料でした。
黒檀やマホガニー、桜、樺などの広葉樹です。

しかし、一番すごい音を聴かせてくれたのが、
「ひのき」だったのです。

軽くて、ふわふわしていて、一見頼りなさそうな材料でした(笑)

しかし、百聞は一見に如かず、いや、「百文は一聴に如かず」でしょうか。
目の前で鳴っている、力強く艶やかでありながら、美しさを持った音は、
ひのき材から出ている音でした。




そこから、カノン5D と「ひのき材」のコンビが始まりました。

最初はインシュレーターとして使っていましたが、
オーディフィルを起業した6年前に、悲願の「ひのきスピーカー」を作ることができたのです。

ひのき材といっても、長所だけではありません。
短所もいっぱいあって、何度も泣かされてきました(笑)

それでも、6年間コンビとしてやってきたカノン5Dだからこそ、
奏でられる「ひのきスピーカー」の音があると思っています。




ひのきスピーカーでの試行錯誤は、以下のブログにまとめています。

2022年03月12日「ひのきスピーカー設計 ~第一世代~

2022年03月27日「ひのきスピーカー設計 ~第二世代~

2022年04月24日「ひのきスピーカー設計 ~第三世代~①

2022年06月08日「ひのきスピーカー設計 ~第三世代~②



2022年7月には「SOLA Mk2」という
集大成といえるひのきスピーカーが完成しましたが、
カノン5D と ひのき材のコンビは現在進行形です。

日々新たな発見がありますし、より良い音を求めて試行錯誤をしています。
「ひのきスピーカー工房オーディフィル」の今後にご期待ください!

スピーカー箱を補強する意味

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皆さんこんにちは。
今日は「スピーカー箱の補強」について考えてみます。

冒頭の写真にあるように、オーディフィルが作製しているスピーカー内部にはアルミの補強部材が入っています。これは木材だけでは得られない高い強度を実現するための手法です。

スピーカーの強度が不足していると、ボンボンという箱鳴りが起こってしまうのは皆さんご存じのとおりだと思います。
一般的には、木材の厚みを増やすことで対応しており、確かに板厚を増すことで解決できることが多いです。

ただ、単純に板厚を増すだけでは、中高音域に癖が生じることもありました。
木材の体積や総重量が増し、一度振動を始めたエンクロージュアが収束するのに時間がかかるようになってしまうのです。


楽器と同じく、「響かせるエンクロージュアを作るためには板厚は薄めがいい」というのが持論です。
それと強度を両立させる方法が、アルミ部材での補強でした。

強度のあるエンクロージュアは、透明度の高く、俊敏な低音を再生することができます。
さらに、ボーカルやソロ楽器などの中高音も、低音に埋もれずに細かいディテールを表現することができるようになります。


板の共振特性など、細かいデータはこちらにまとめておきました。
もし良ければ、ご覧ください♪

⇒ コラム「20. スピーカー箱を補強する意味」を読む


「アニソンオーディオフェス2022」 12/18開催の詳細

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寒さが一段と増してきた頃かと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。

直前ではありますが、今年のアニソンオーディオフェスのタイムテーブルが決まりましたので、告知させていただきます!

 

 

開催日:2022年12月18日(日)
開場: 10時30分~ (試聴のみ参加者の入場開始)
開演: 11時00分~  17時頃、終演予定

会場「マロンホール(東京都 東小金井駅開設記念会館)」
  アクセス方法はこちら
  入場無料

<感染症拡大防止策について>
来場(試聴のみの一般参加含む)をご希望の方は、TwitterのDMか、メールでご連絡願います。
「試聴のみ参加」は当日まで受け付けておりますので、お気軽にご来場ください。

 

--------タイムテーブル--------

  11:00~11:10 イベント説明 (主催:カノン5D)
  11:10~11:30  健々さん  発表資料
  11:30~11:50  Χ't(カイト)さん 発表資料
  11:50~12:10  kato19さん 発表資料

  12:10~13:20 ~~ 休憩(70分)~~
          会場周辺の飲食店のご利用をお願い致します。

  13:20~13:40  タニヒロさん 発表資料
  13:40~14:00  幻魚白蝦蛍烏賊さん 作品資料
  14:00~14:20  zukinkunさん 発表資料

  14:20~14:40 ~~ 休憩(20分)~~

  14:30~14:50  カノン5D 発表資料

  14:50~15:10  スワンチャンさん 発表資料

  15:10~15:20 ~~ 休憩(10分)~~

  15:20~15:40  カノン5D 発表資料
  15:40~16:00 持ち込み音源試聴(5~6曲ぐらい?)

  16:00     終演

 

皆様のご来場をお待ちしております。


アニソンオーディオフェス2022、無事に終了しました。

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アニソンオーディオフェス2022、無事に終了しました。

当日の様子を書こうと思います。

 

<当日の写真>


健々さん 「ホワイティコ」

ONKYO OM-OF101を使った作品。ラウンド型の本体が特徴です。

 発表資料(pdf)


Χ'tさん 「繭」

同じくONKYOの OM-OF101を使った作品。

FRPで作った本体が特徴的です。

発表資料(pdf)


kato19さん 「Built-in ASW 3001 Mk-II」

ONKYOの OM-OF101に、ツイーターを付与。

スリムなトールボーイ型ですが、中にASW方式のウーハーが入っています。

発表資料(pdf)


タニヒロさん 「ドルフィンジャンプ 2022」

ポリカ板を使った平面バッフル型。

TOAの16cmフルレンジユニットを使用しています。

発表資料(pdf)


幻魚白蝦蛍烏賊さん 「Soft Shell Speaker System」

3Dプリンターで作った柔らかい本体が特徴。

HiViのB3Nをはじめとした、いくつかの作例を聴かせて頂きました。

 作品資料(pdf)


zukinkunさん 「Small Desktop」

wavecorのtw013wa01とsw070wa02を組み合わせた、
超小型2wayです。(背面にパッシブラジエーター付き)

 発表資料(pdf)


カノン5D 「一夜城16」

FE168EΣのロングランを飾る作品として、

大型バスレフ箱での使いこなしを試みました。

発表資料(pdf)


スワンチャンさん 「トランスドライブ50シングルアンプ」

50シングルアンプを、トランスドライブ構成で組んだ

真空管アンプをご持参いただきました。

 発表資料(pdf)


カノン5D 「SOLA Mk2」

小型2wayの限界に挑戦した作品。

ひのきスピーカーならではの音を奏でます。

 発表資料(pdf)



来年は、少しだけ雰囲気を変えようと思っていますが、

今年と同じ12月頃に開催しようと思っています。

 

どうぞお楽しみに。

2022年を振り返って

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<写真>アニソンオーディオフェス2022(12/18)で発表したSOLA Mk2


2022年も残すところ数日になりました。

個人的には、「PS5」や「meta quest2」を買ったりと、
最新の技術を体感した1年でした。

また、ロードバイクを売却するなど、
自分の中でやるべきこととそうでないことを明確にできた年のようにも感じます。





2022年のスピーカーの進捗としては、
自身の集大成である「SOLA Mk2」の完成がありました。

型番としては、<S-073>になるので、
73台目の自作スピーカー作品になります。

原型は昨年の12月にできていたのですが、それから1年間微調整を重ねて、
「これ以上ない」と断言できるクオリティに至りました。

オーディオは【好き好みの世界】だと私は思っていますので、
SOLA Mk2で全ての音のニーズをカバーできるとは思っていません。

ただ、自身が求める音、自身の生活と寄り添えるサイズを考えた時、
自信をもって「これだ」と言えるのが、SOLA Mk2だと思っています。





今後のスピーカー開発は、「SOLA Mk2」とは違うコンセプトになると思います。

より大型なものか、より小型なものか。
さらにはオーディオアクセサリーなのか。

まだ自分にも分かりませんが、
その一つの兆しが「<S-077>一夜城16」になりました。



バックロードホーンでしか使えないと思っていたFE168EΣを大型バスレフ箱に入れた作品です。
粗削りではありますが、思った以上にウェルバランスな音になりました。

「一夜城16」の詳細はこちら


自作スピーカー初心者の時に背伸びをして買った「FE168EΣ」。
再びその音を聴ける幸せを噛みしめています。




来年は、また面白いことをやっていこうと思っています。
どうぞご期待下さい。

忙しい年の瀬かと思いますが、
どうぞお体に気を付けてお過ごしください。

2022年12月 カノン5D

新年のご挨拶

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新年あけましておめでとうございます。
昨年中は大変お世話になりました。

今年も色々なことにトライできる一年にしたいと思っています。
どうぞ宜しくお願い致します。




「オーディフィル サウンドラボ」開設

2023年の新企画として、「オーディフィル サウンドラボ」を開設しました。
https://www.audifill.com/essay/lab/lab_index.html

今までの情報発信は、ある意味マーケティング主導でしたが、
もっと技術的に面白いことを発信できる場として「サウンドラボ」と命名しました。

内容は、オーディフィル製品とは関係がないことも多いです(笑)

ラボは自由闊達たる風土があってこそ意味があると思っていますので、
お蔵入りしてしまいそうな図面と測定データを公開することを主目的にしています。

内容は、自作スピーカー経験者向けになりますが、
どうぞお気軽にお立ち寄り下さい♪

「オーディフィル サウンドラボ」目次へ


オーディフィル サウンドラボ 更新しました

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仕事始めもあり何かとお忙しい頃かと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。
まだまだ寒い日が続きますので、どうぞ暖かくしてお過ごしください。



さて、webページの「オーディフィル サウンドラボ」を更新しました。

「バックロードホーン型スピーカーの特性~その8~」
https://www.audifill.com/essay/lab/2023/230107_01.html


バックロードホーン型スピーカーのインピーダンス特性について、実例を交えて説明しています。ちょっと敷居が高い測定になりますが、スピーカーの音響的な動作を理解する重要な情報を得ることができます。

簡易的には、ユニット直前、振動板から1cmの距離の周波数特性を測ることでも、類似のデータを得ることができます。あまり知られていない方法なので、ぜひこの機会にトライしてみて頂ければと思います!





オーディフィル サウンドラボ 更新しました

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連載企画の「オーディフィルサウンドラボ」、2記事を追記しました。

[記事] バックロードホーンスピーカーの特性~その9~
バックロードホーンで悩まされやすい【ホーンの共鳴音】について、測定結果をもとに説明しています。ホーン音道内部に吸音材を入れることの功罪についても、データを交えて考えてみたいと思います。


[記事] バックロードホーンスピーカーの特性~その10~
バックロードホーン型スピーカーは、ユニットからの音と、ホーンからの音が合成された特性になります。この時に、周波数特性にピーク(凸)とディップ(凹)ができますが、その原因について測定結果を元に説明していきす。


今後も、記事を充実していこうと思いますので、
どうぞお楽しみに!





ひのきスピーカー SOLA Mk2


オーディフィル サウンドラボ 更新しました

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皆さんこんにちは。
寒さが一段と厳しくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、「オーディフィル サウンドラボ」に記事を追加したので、紹介します。

バックロードホーン型スピーカーの特性~その11~

今回は、バックロードホーン箱の空気室のサイズを変えたとき、どのような音質になるのかのレビューです。

長岡先生の著書にある公式では、

   fx=10×S0/Va
   S0=スロート断面積(cm^2)
   Va=空気室容量(L)

という式で、カットオフ周波数が計算されますが、
実際にどのような聴感上の変化があるのかを記載しました。


記事本文は、こちら。


今後も記事を追記していこうと思うので、
どうぞお楽しみに♪




ひのきスピーカー SOLA Mk2



サブウーハーSW-1のユーザー様レポート

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春らしい暖かさが感じられる気候になりましたが、
いかがお過ごしでしょうか。

今日は、オーディフィルの製品「サブウーハー SW-1」の
お客様からのレポートを紹介しようと思います。



まずは、東京都のT様。



ダイヤトーンのDS-4NB70を含めた、現代的なシステムにサブウーハーを追加されています。

「SW-1」が無塗装仕上げであることを利用し、
ウレタン塗装と大理石で、外装を効果的にDIYされています!

製品として販売していますが、創意工夫によるDIYもOKな造りは、
自作スピーカーから生まれたブランドである「オーディフィル」らしい所かもしれません。




次は、愛知県のU様。



ビンテージスピーカーと自作真空管アンプを中心とした構成で、
小型のサブシステムの方に、「SW-1」を導入されています。



外部チャンネルデバイダーで24dB/octカットとすることで良好なつながりが得られたそうで、使いこなしの参考にもなると思います。

今後、2台に増設することも視野に入れていらっしゃるとのことでした。




どちらのシステムも丁寧に使いこなしをして頂いて、
製作者として嬉しい限りです。

今後も、より多くの方にサブウーハーSW-1を届けられるよう、
頑張っていこうと思います!











オーディフィル 7周年!

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桜も咲き、春の気候になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

2023年4月で、オーディフィルは7周年を迎えました!

創業した2016年から気づけばかなりの年月が経ってしまいましたが、これからもマイペースに進めていこうと思います。



オーディフィルの「フィル(Fill)」?

オーディフィルという屋号は、AudioにFillを組み合わせた造語です。

このFillは、「満足する・満たされる」の「fill」が語源になっています。
たまに間違えられてしまうのですが、クラシックで目にする「フィルハーモニー」由来ではないんです。こちらの「フィル」は「Phil」ですね。

オーディオを聴いて、心が満たされるような体験をして欲しいという願いから、この屋号にしています。
今では『ひのきスピーカー工房』と名乗ることも多くなりましたが、ひのきスピーカーは、満足できる音を得るためのアプローチの一つとして捉えています。



高忠実再生と「いい音」



基本的に、オーディオでは原音忠実が求められます。私もこの考え方には同意していますし、それをベースに製品開発を行っています。

マイクがキャッチした音を、そのままリスナーの耳に届けましょうという考え方で、非常に理に適っています。最近ではそこにミキシングの意図がそのまま表現されることなどが、原音再生の条件として加わることもあります。いずれにしても、「再生機器による音質の改変はマイナス」という考え方になります。

こうした考え方の場合、音源・機材・部屋、それら全てを良質にしていくことが基本になります。また、どこかだけに偏重しているのは望ましくありません。
オーディオブームが下火になったと言われる今日ですが、ハイエンドオーディオの領域を中心に少しづつ新しい技術が出てきて、さらなる高忠実度再生の領域が開拓されている印象を抱いています。



高忠実でない世界?


私もオーディオ歴が長くなってきまして、たまに不思議な体験をすることがあります。低ノイズ・フラットを重視する原音忠実とは離れた、いわば「原音非忠実」というシステムから、実に心惹かれる音が聴けることがあるのです。

これを「気のせい」とか「個人の好み」とかで片づけてしまっても良いのですが、
私としてはこの領域を非常に興味深く思っています。

歪が加わることが善だと言うつもりはありません。基本的に歪は悪です。
ただ、原音に対して【特定の、吟味された付帯音】がある状態は、必ずしも悪にはならないのでは?という考えです。

それを検証し続けているのが「ひのきスピーカー」です。
ひのきの響き(これは原音から遠ざかる方向ですね)が適度に加わることで、より満足度の高い再生音になるのでは?という仮説に基づいたコンセプトを掲げています。



感性を科学で考える

感性領域の開発では、長年言われていることですが、人の感受性を科学で読み解くことができるのでは?と考えています。
行き当たりばったりでも、職人の勘でもなく、「どういう状態だと、リスナーは心地よいと感じるのか」について測定やデータに基づき話ができるようになるのではないかと考えています。

あくまでも個人としてのスピーカー作りの範囲なので、大規模な試聴実験を行うつもりはありませんが、
オーディフィルは、細かなデータをしっかりと公開していくことができる、ちょうどいいポジションにいるのではないかと思っています。

最近の興味は、【バックロードホーン型スピーカー】にあります。
バックロードホーンSPは、測定をすると明らかに凹凸のある特性を示しますが、そのサウンドは実に魅力的です。

2023年に入ってから「オーディフィル サウンドラボ」と題して、バックロードホーンについての実験結果を整理して公開しています。まだ具体的な製品としてのありかたは決まっていませんが、細かな測定データと試聴結果が同志の方の参考になればいいかなと思っています。


いろいろと長くなってしまいましたが、
これからもオーディフィルをどうぞ宜しくお願い致します!





ひのきスピーカー SOLA Mk2



バックロードホーンの試作(S-078, S-079, S-080)

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皆さんこんにちは。最近、バックロードホーンの試作をやっているカノン5Dです。

フルレンジのヌケのいいサウンドを生かした方式として知られるBHに、もう一工夫できるのではという思いがあり、試作検討をスタートしています。

S-078

まず紹介するのは、10cmフルレンジ「Fostex FE103NV」を搭載する作品です。
細身なスタイルで、奥行きは15cmしかありません。

外観に反して、リッチな中低音が魅力で、
アコースティックな楽器を楽しく聴かせてくれます。


S-079

こちらは、より大きな16cmフルレンジ「Fostex FE168SS-HP」を搭載する作品です。
スワン型のスタイルを踏襲しており、バッフル面積が最小になるよう工夫されています。

限定ユニットのFE168SS-HPの能力がいかんなく発揮され、
極めて生々しい描写力に驚かされます。

低音域も16cm口径ならではの余裕があり、
ズシンとくる深みのある低音がハイスピードに飛び出してくる、大型BHならではの良さがあります。


S-080

記念すべき80作品目は、10cmフルレンジ「FE103NV」を搭載するスワン型です。
比較的お手頃なユニットでありながら、バックロードホーンに入れると本領発揮してくれます。

空間に広がる様子など、スワン型ならではの片鱗を感じさせます。
S-078と比べてもぐっと音数が多くなった感じです。


もう少し実験してみたいことはあるので、製品化の予定は未定ですが、
スワン型ならではの良さを生かし、現代の住宅事情でも使いやすいバックロードホーンができないかと考えています。

また進捗があれば、こちらに書いていこうと思います。





ひのきスピーカー SOLA Mk2




リスニングルームの模様替え

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少し前に部屋の模様替えをしましたが、もう少し変更しました。

【前回の変更】
https://www.audifill.com/essay/eng/0_16.html


前回は、定在波対策として、6畳間を縦使いから横使いに変えましたが、
ラックがスピーカー中央に残ったままでした。

やはりスピーカー間に物がある状態では、音のヌケが悪いというか、音像の濃度が今一つな状態でした。




そこで今回は、手持ちの散音材をフル活用して、
スピーカー間の壁面を埋めてみました。



音は、中域から低域にかけて分厚い表情が得られ、
音の一つ一つの存在感と音場の広がりが格段に向上しました。

細かい調整の話は、webページの方に追記していこうかなと思っていきます。
どうぞご期待ください♪







バックロードホーンのシミュレーション

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バックロードホーンのシミュレーションソフトとして「Hornresp」というソフトがあります。
MJ誌などで活躍されている小澤先生も使う有名なソフトなので私も過去に何度か挑戦しましたが、なかなか上手くいかずに断念していました。。。

今回、バックロードホーンを本格的に取り組むにあたって、いろいろ使い方を調べて何とか使えるようになりました!
日本語マニュアルを作ってみたので、公開します。

https://www.audifill.com/essay/back_loaded/2_01_bh.html

インストールから、バックロードホーンのための設定など、
どれも癖のある操作方法ですが、一度覚えてしまえばそれほど難しくはありません。

実験では躊躇するような構造も簡単にテストできるので、オススメです。
ぜひ挑戦してみて下さいね♪







小型スピーカー vs バックロードホーン

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こんにちは。カノン5Dです。
最近はバックロードホーンの製作をしているのですが、一方で小型スピーカーである「SOLA Mk2」のチューニングも徐々に進めています。

<小型スピーカーの調整>
バックロードホーンの音を聴いていると、今まで満足できるレベルに到達していたと思った小型スピーカーの方も弄りたくなるんですよね(笑)



言うまでもなく、全体のクオリティは「SOLA Mk2」が圧勝なのですが、
風のように軽やかな低音感は、バックロードホーンに分があります。

でも、その風のような低音感を小型スピーカーから引き出せないかと、悪あがきをしているわけです。


バックロードホーンの特有の音が、その大きな胴体に由来するのは百も承知なのですが、こんな気持ちいい低音を聴かされてしまっては、小型スピーカーも黙ってはいられないのですよ(笑)

ひのきスピーカー「SOLA Mk2」を再び弄り始めて、次の調整ができないか実験を重ねています。





<バックロードホーン(BH)の追い上げ>


完成から1ヵ月が経過し、少しエージングが進んだ「S-080」

研ぎ澄まされた小型スピーカーとの聴き比べは、実に残酷なもので、

BH→小型スピーカー
の順は聴けるんですよ。

でも、
小型スピーカー→BH
の順は聴くに堪えない(笑)

もうノイズだらけというか、付帯音が激しいんですよね...


板材を多く使うBHは、一つ一つの板の振動をしっかりコントロールしていかないと、ゴワゴワポンポンなノイジーな音になってしまう。
おまけに、紙コーンフルレンジだって、最新鋭のツイーターと比べれば必ずしもピュアじゃない。

BHが勝てる方策は、
ひたすらにダイレクトさを追求し、空気をぶわっと動かすこと。

アンプ直結のフルレンジのもつ鮮度の利点を、どう音にするか。
こちらもアイディアはあるので、後ほど公開できると思います。



どうぞお楽しみに...!








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