皆さんこんにちは。
最近は、新作「SOLA Mk2」に搭載するウーハーユニットの試作を進めていまして、
かなり良い線まできましたので、ブログに書き留めておこうと思います。
ウーハーを自作する意義
スピーカーユニットは、自作スピーカーの世界では、ユニットメーカーが供給しているものを使うのが主流です。
新作のユニットが出たから、それに合わせて箱を作る…という製作パターンが多くあります。
しかし、「大手メーカーのスピーカーを超えるものを」と考えた場合、
一般に手に入るものでは不満が出てくるのです。
求めたウーハーの姿
オーディフィルが実現したいのは、
「低音表現」と「小型化」の両立です。
一般的には、大きなウーハーを使えば、良い低音が出せることが知られています。
それは低音の音波が長いことに加え、
ウーハーの周波数特性を決めるTSパラメーターを考えれば、
大口径のウーハー、大型のスピーカーが有利であることは明白です。
でも、それではダメなのです。
どんなに38cm口径ウーハーの音が良かったり、
大型のバックロードホーンの音が良くても、
自分の生活に溶け込むようなサイズのスピーカーを作りたいのです。
近年では、ブックシェルフ型として16cm口径、
さらに小さい口径のウーハーを搭載した高級スピーカーも多くなりました。
しかし、これらの低音の「深み」「質感」はどうでしょうか。
求められるのは単に出ているだけの低音ではなく、
低音に【表現力】があることが、
気持ちよく音楽を聴くためには大切だと考えています。
理想のウーハーへの突破口
コーン型ウーハーに潜む問題点を指摘しているのは、
A&Cオーディオ社の島津代表です。
コーンが横方向に変形する「釣鐘動変形」、
それに伴う非軸対称モードの共振が問題であるとし、
独自構造をもつスピーカーユニットの研究を進められています。
A&Cオーディオ社ブログ
「最新版・超硬振動板 その5 本当の問題点」(2020年05月11日)
ここでいう「釣鐘動変形」とは、コーン紙の横方向の変形のことです。
コーン型の構造上、横方向からの剛性は、どうしても弱くなってしまうのです。
私も後を追う形で実験をしており、
「釣鐘動変形」を抑制することの大切さを確認することができています。
★「釣鐘動変形」についての実験はこちら★
「[S-072] サブウーハー試作2号機(FE166Enの改造)」
A&Cオーディオ社の島津代表は、さらに良い音を追求したスピーカーユニットの新作を開発しており、その進捗は同社のブログを読んでみると良いでしょう。
A&Cオーディオ社ブログ「Hippo日記」
3Dプリンターでのウーハー振動板製作
この「釣鐘動変形」を抑え、低音質感を改善する手法を、
より簡便に実現し、より多くの人に届けられないか。
そうした想いをもとに、私カノン5Dが実験を続けているのが、
3Dプリンターによるウーハー振動板の補強部材製作です。
3Dプリンターで造形した物が、
振動板として、本当に実用的な強度が出るかは半信半疑でした。
しかし、3Dプリンターで製作する補強部材で、
低音領域の質感改善を実現できることが分かってきています。
(この辺は、超硬振動板を標榜するA&Cオーディオ社とは、方向性が分かれる所だと思います)
★3Dプリンターでの振動板製作についてはこちら★
「[S-072] サブウーハー試作4号機(3Dプリンターでの振動板製作)」
この技術を元に世に送り出したのが
2021年夏発売のサブウーハー「SW-1」です。
お客様からは、
「16cmウーハーとしては信じられないスピード感のある低音がでます。」
とご好評を頂くなど、その優位性は確かなものだと確信しています。
新作SOLAに搭載するのは、より小さな12cm口径ウーハーです。
SW-1からさらに進んだ振動板構造については、次回の日記に記そうと思います。
最近は、新作「SOLA Mk2」に搭載するウーハーユニットの試作を進めていまして、
かなり良い線まできましたので、ブログに書き留めておこうと思います。
ウーハーを自作する意義
スピーカーユニットは、自作スピーカーの世界では、ユニットメーカーが供給しているものを使うのが主流です。
新作のユニットが出たから、それに合わせて箱を作る…という製作パターンが多くあります。
しかし、「大手メーカーのスピーカーを超えるものを」と考えた場合、
一般に手に入るものでは不満が出てくるのです。
求めたウーハーの姿
オーディフィルが実現したいのは、
「低音表現」と「小型化」の両立です。
一般的には、大きなウーハーを使えば、良い低音が出せることが知られています。
それは低音の音波が長いことに加え、
ウーハーの周波数特性を決めるTSパラメーターを考えれば、
大口径のウーハー、大型のスピーカーが有利であることは明白です。
でも、それではダメなのです。
どんなに38cm口径ウーハーの音が良かったり、
大型のバックロードホーンの音が良くても、
自分の生活に溶け込むようなサイズのスピーカーを作りたいのです。
近年では、ブックシェルフ型として16cm口径、
さらに小さい口径のウーハーを搭載した高級スピーカーも多くなりました。
しかし、これらの低音の「深み」「質感」はどうでしょうか。
求められるのは単に出ているだけの低音ではなく、
低音に【表現力】があることが、
気持ちよく音楽を聴くためには大切だと考えています。
理想のウーハーへの突破口
コーン型ウーハーに潜む問題点を指摘しているのは、
A&Cオーディオ社の島津代表です。
コーンが横方向に変形する「釣鐘動変形」、
それに伴う非軸対称モードの共振が問題であるとし、
独自構造をもつスピーカーユニットの研究を進められています。
A&Cオーディオ社ブログ
「最新版・超硬振動板 その5 本当の問題点」(2020年05月11日)
ここでいう「釣鐘動変形」とは、コーン紙の横方向の変形のことです。
コーン型の構造上、横方向からの剛性は、どうしても弱くなってしまうのです。
私も後を追う形で実験をしており、
「釣鐘動変形」を抑制することの大切さを確認することができています。
★「釣鐘動変形」についての実験はこちら★
「[S-072] サブウーハー試作2号機(FE166Enの改造)」
A&Cオーディオ社の島津代表は、さらに良い音を追求したスピーカーユニットの新作を開発しており、その進捗は同社のブログを読んでみると良いでしょう。
A&Cオーディオ社ブログ「Hippo日記」
3Dプリンターでのウーハー振動板製作
この「釣鐘動変形」を抑え、低音質感を改善する手法を、
より簡便に実現し、より多くの人に届けられないか。
そうした想いをもとに、私カノン5Dが実験を続けているのが、
3Dプリンターによるウーハー振動板の補強部材製作です。
3Dプリンターで造形した物が、
振動板として、本当に実用的な強度が出るかは半信半疑でした。
しかし、3Dプリンターで製作する補強部材で、
低音領域の質感改善を実現できることが分かってきています。
(この辺は、超硬振動板を標榜するA&Cオーディオ社とは、方向性が分かれる所だと思います)
★3Dプリンターでの振動板製作についてはこちら★
「[S-072] サブウーハー試作4号機(3Dプリンターでの振動板製作)」
この技術を元に世に送り出したのが
2021年夏発売のサブウーハー「SW-1」です。
お客様からは、
「16cmウーハーとしては信じられないスピード感のある低音がでます。」
とご好評を頂くなど、その優位性は確かなものだと確信しています。
新作SOLAに搭載するのは、より小さな12cm口径ウーハーです。
SW-1からさらに進んだ振動板構造については、次回の日記に記そうと思います。