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Channel: オーディフィル公式ブログ (趣味の小部屋)
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2017年を振り返って

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2017年もあっという間に過ぎて、残すところあと数日となりました。

そこで、この2017年のオーディフィル活動を振り返ってみようと思います!

・ 1月「PR-83Solの発表!&第3回試聴会」

今となっては、定番ラインナップにある「PR-83Sol」ですが、
実は、製品版になったのは1月の話。


そのお披露目会として、「第3回試聴会」を開催しました♪


・ 2月「公式webページ」


公式webページが、だいぶ形になってきたのもこの頃でしょうか。

「桧スピーカー工房 AudiFill」
http://www.audifill.com/



・ 3月「アニソン試聴会」


3月には「エクスペリエンス・ストア二子玉川」様で、アニソン限定試聴会を開催しましたね。
最新のアニソンだけを鳴らすガチな試聴会で、私が一番楽しんでいたかもw


この頃に発売された「FE88-Sol」もお借りして、8cmフルレンジ×アニソンを堪能できるイベントとなりました。

2017年03月25日「「第4回オーディフィル試聴会」セルフレポート」
http://blog.goo.ne.jp/4g1g4g0/e/8f02df0d06a7b7ee6c7484248e613ef0



・ 4月&5月「PR-10」


4月には、前もって発表していた「PR-10」を引っ提げて、
集まれ塩ビ管スピーカー 関東オフ会」に参加してきました♪

そのオフ会に持参したのは、濃ゆい見た目の「塩ビEdition(特別製作ver.)」です!



・ 5月&6月「連載!共鳴管型スピーカーの作り方」


5月と6月には、日記で「共鳴管型スピーカーの作り方」を連載しました。
今見返しても充実した内容なので、自作派の方はぜひ!

2017年05月19日「共鳴管型スピーカーの作り方 その1」
http://blog.goo.ne.jp/4g1g4g0/e/f13a6352707ba7466c7ab9aff7b5f244



・ 7月~10月「嬉しいお便り」&「真空管フェア出展!」


9月には、「PR-10」を買って下さったお客様からお便りを頂くことができました。
作ったものが旅立っていくのは、製作者冥利に尽きますね。。。

2017年09月02日「嬉しいお便り / OMF800P搭載の新作S-065」
http://blog.goo.ne.jp/4g1g4g0/e/dcd87e1de43797b234ceefbf119d7751


そして、10月には「第23回2017真空管オーディオフェア」に参加!!


沢山のお客様に、桧スピーカーの音を聴いて頂くことができました♪

2017年10月15日「真空管オーディオ・フェア 無事に終了しました。」
http://blog.goo.ne.jp/4g1g4g0/e/682f04288275c6572a81bc8542595169



・ 11月~12月「ミューズの方舟 コンテスト」


そして、怒涛のコンテスト参加!!!
なかなかのハードスケジュールだったかも(汗

そんな中でも、新方式「多段共鳴管」に挑戦できたのは大きな収穫でした。



これからも自作スピリッツを忘れずに頑張っていこうと思います!

2017年11月18日「S-066 (製作記2)(ミューズの方舟 自作スピーカーコンテスト2017出品作)」
http://blog.goo.ne.jp/4g1g4g0/e/a57925084374a1357cd94207f5f2228d

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改めて振り返ってみると、盛りだくさんの一年でしたね。

来年も、一歩ずつ頑張っていこうと思いますので、
今後ともお付き合いよろしくお願いします!

それでは、良いお年を!!

謹賀新年

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皆さま、あけましておめでとうございます。

2018年、いよいよオーディフィルも3年目を迎える年となりました。


「桧」の素材をテーマに、
スピーカーを作り続けていますが、
まだまだ、やりたいことは沢山あります。

より一層技術を磨き、
桧の良さを引き出していきたいと思っています。






そして、スピーカーを含めたオーディオ機器は、
楽しんでナンボなもの。

もっとオーディオが楽しくなる、
そんな共感の波を生み出す存在になれるよう、
これからも邁進していきます。


今年も、オーディフィル、カノン5D共々、
よろしくお願い申し上げます。


2018年 1月1日

ショップ「オーディオみじんこ」 に行ってきました。

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今日は、先日秋葉原にオープンした
オーディオみじんこ」 に行ってきました!

場所は、秋葉原の「2k540」内。

ちょっとオーディオ関係では聞かない場所なので、
地図を作ってみました。



イメージとしては、秋葉原の北のほう。
線路(高架)に沿って歩いていけば大丈夫そうですね。

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降り立ったのは、秋葉原駅の電気街口。
改札右側のUDX方面に向かって歩き始めます。



AKBカフェやガンダムカフェを横目に見つつ進んでいくと、
かつての神田青果市場跡にできたアンテナショップ「ちゃばら」が出てきます。



さらに進むと、「2k540」の看板が。
赤茶色の建物の交差点は、コイズミ無線やeイヤホンのある道路の所ですね。



さらに高架に沿って進むと、「肉のハナマサ」が出てきます。
狭い道ながら自動車の往来もあるので、注意して進みましょう。



そして到着!



「2k540」のメインの入り口は、敷地南側の高架下のようです。
そこから入ると、高架下とは思えないおしゃれ空間が広がっています。



なお2k540内で、許可なく商品をアップで撮影したりするなどで、トラブルになった話もあるようです。以下の写真は、「オーディオみじんこ」さんの許可を頂いての撮影を行いました。

ショップ「オーディオみじんこ」は、2k540の「E-2区画」です。
開店直後ではありましたが、早速お邪魔してきました♪



店内には、アンティーク調の家具が並んでおり、
どことなく落ち着きのある、あったかい雰囲気を感じます。



まず出迎えてくれるのが、
オリジナルの小型スピーカー「花蓮」。



壁際の棚には、
小型のビンテージスピーカーが展示されています。
どれも個性的で、可愛いですね!



そして、、、
オーディフィルの「PR-10」も、展示販売しています!





各製品の詳細は後ほど書こうと思いますが、
試聴用のシステムも二種類ありました。

一つは、LINNの再生系とビンテージスピーカーを中心としたもの。


もう一つは、業務用プレーヤーとFostexユニットの自作スピーカー(店長 平野氏 製作)を組み合わせたもの。
(※スピーカーは、フロア型のビンテージスピーカーになることも。)


ちょっと聴いた感じでも(見た目通りに?)、和み系の前者と、HiFi系の後者という棲み分けを感じさせるものでしたが、
それぞれで、今後発売予定のオーディオアクセサリーや店舗のスピーカーを試聴することができるようになるようでした。

これから取り扱うアクセサリーのラインナップも増えていくとのことなので、
聴きに行くのも楽しみなお店になりそうです!


アクセサリーといえば、今は「ビンテージジョイン」が製作するケーブルなどがありましたが、
オリジナルのRCAケーブルをはじめ、ヘッドフォンのリケーブル関係も扱うようになるそうです。



これからお店の内装も含めて完成度を高めていきたい、というお話しでしたので、
何度も足を運んでみると、行くたびに新鮮な楽しみに出会えるかもしれませんね。


「オーディオみじんこ」
https://mijinko.jp/

オーディフィル PR-10 試聴記 (in オーディオみじんこ)

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今日は、秋葉原 2k540にあるショップ「オーディオみじんこ」での試聴レポートを書こうと思います。

今回の試聴記は、「オーディフィル PR-10」です!

......はい。セルフリポート、自画自賛ですw



通常は、ビンテージ家具の上に、小型の真空管アンプと組み合わせて設置されていますが、
希望があれば、メインシステムに組み込んでの試聴ができるので、今回のレビューもこのシステムでの音になります。(みんな指名してね♡)




しかし、セルフレビューというのは意外と難しいものでして、
「あなたの部屋の臭いはどんなものですか?」という位の難問なのです。

普段聴いている音を改めて評価する(改善のための評価でなく、レビューとしての評価)というのは、なかなか難しいものだという事を実感しました(汗)

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まず聴いてみたのは女性ボーカル。
アマンダマクブルームさんのアルバム「Portraits」から「Dreaming」。

桧スピーカーは、女性ボーカルが得意。桧ならではの響きが、ボーカルの柔らかさと優しさを引き立てます。

PR-10は、極めて小型なシステムということもあって、定位感は抜群。 一切のブレがないボーカルがピンポイントで浮かび上がるのは、快感すら覚えます。

POPSならではの広がり感も、小型システムの良さを感じます。
こういう音場・音像感がしっかりしているのは、小型フルレンジであることはもちろん、十分に抑制された付帯音、そして「45°カット」による音の回折制御などが相まっているからだと思います。



とはいっても、小型システムなのでドラムの低音などは厳しいものがありました。 どちらかというとボーカルを主体にまったり聴きたいときに選択したいスピーカーだと言えるでしょう。

ボーカルに関しては、サ行をことさら強調することなく、それでいながら張り出しのある音であるのは、製作者 カノン5D ならではのチューニングを感じさせます。(自分で言うのもアレですな)



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次は、Jazz。
ブライアンブロンバークのアルバム「Compared To That」から1曲目「Compared To That」。

流石にウッドベースはキツイかな?と思いきや、音階が明確で、倍音を上手く利用してウッドベースの存在感を出しています。

この辺は、この価格帯では異例なほど、ガチガチに強化した磁気回路が貢献していると言って良いでしょう。 音圧が出ない分を、スピード感でカバーすることもできるのです。(まあ、低音が出るに越したことはないのですが…)



しっかりと大地に根を張ったサウンドをガッツリ楽しむ、、、という方向性とは真逆な本機PR-10のサウンドですが、
ホーンセクションの明るさを楽しめるサウンドだと感じました。

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そして、ラストはアニソン。
「このはな奇譚」のオープニング曲「ココロニツボミ(eufonius)」。



ここでも、柔らかさ・優しさを全面に感じるサウンドです。 硬くなりやすいボーカルをしっかりと解きほぐして伝えてくれるのは、桧スピーカーの十八番です。

興味深かったのが、ストリングスの実に繊細に表現されることです。 逆に、エレキギターは控えめで、この辺は好みが分かれるところかもしれません。
個人的には、繊細な「このはな奇譚」の世界観にもマッチするようなサウンドにも感じますが、これが「花咲くいろは」だったらもう少しエネルギー感が欲しくなるかもしれません。

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さて、ざっくりとセルフレビューしてみましたが、いかがでしょうか。

今回は、下にfoQ.を敷いた状態だったので、これを10円玉など金属系インシュレーターに変えたらまた違った表情が見えてくるかな?と思います。

「オーディオみじんこ」にて、試聴が可能ですので、ぜひ聴いてみてくださいね♪


「オーディオみじんこ」公式ページ https://mijinko.jp/

ブログ訪問記 ショップ「オーディオみじんこ」 に行ってきました。


オーディオみじんこ 「花蓮」 試聴記 (in オーディオみじんこ)

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さて、昨日の「オーディフィル PR-10試聴記」に引き続き、
今日は、ショップ「オーディオみじんこ」のオリジナルスピーカー「花蓮」の試聴レポートです♪



こちらのコンセプトは、「オーディオ工房&ショップ」ということで、
オリジナル製品の開発も、しっかりとやっています。

その第一作が、コンパクトデスクトップスピーカーの「花蓮」です。



その一番の特徴が、多彩なグリル。
どれも和のテイストを感じるもので、お部屋のアクセントになりそうです。



グリルを外すと表情が一変し、
今度は、洋風のビンテージ感たっぷりの外観が出てきます。



新品なのに、この漂うビンテージ感の秘密は、
代表の荒川氏の手作業によるペインティングです。


(オーディオみじんこ ブログより)


製品というより、工芸品、
いや、美術品と言ったほうが正しいでしょうか!?



さて、そういった外観上の魅力がある「花蓮」ですが、
我々オーディオマニアにとっては、音質も気になるところです。

というわけで、メインシステムに組み込んでの試聴をしてきました♪



まは定番の女性ボーカル。
アマンダマクブルームさんのアルバム「Portraits」から「Dreaming」。



お?おお~~!?
これは、また他では聴いたことのないサウンドです!

改めて聴き込んでいくと、ボーカルの良さ、特に雰囲気の良さを大切にした音だと分かります。
他の楽器も、ほっこりとした温かさを感じさせるもので、丸みのある表情が心地よさを誘います。

総じていえば、これ見よがしに「良い音だろう!」と聴かせるサウンドではなく、空間に調和した響きだと言えるでしょう。 これは本機のコンセプトどおりの音なのかもしれません。



今回聴いたのは、メタルドームをもつユニットが装着されたものです。
しかしメタリックな見た目とは異なり、中高域に嫌な付帯音は一切なく、荒川氏から伺った話でも15kHz程度でロールオフする特性とのことでした。

おそらく、このバッフル面の段差がうまい具合に中高域をマイルドにしてくれているのかもしれませんね。

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さてもう一曲。Jazzでいきましょう。
ブライアンブロンバークのアルバム「Compared To That」から1曲目「Compared To That」。



こちらは、ホーンセクションのサウンドを、柔らかい手触りの良さをもって鳴らしてくれます。
HiFi的にガッツリ聴かせるのではなく、スローライフに丁度良いサウンドを奏でてくれる魅力がありますね。

ユニット上部にあるバスレフダクトは、しっかりと動作していました。
試聴位置ではやや低音が拡散してしまうのですが、ニアフィールドではしっかりとダクトからの音圧を感じることができたので、一般家庭では十分な低音も期待できるでしょう。




使いこなしのテストとして、下に敷いてあったfoQシートを外してみます。

硬質面に直置きとなったことで、JAZZとしての元気の良さ、立ち上がりの良さが大きく向上。
レンジ感も広がり、ベースの音にもフォーカスが合う感じになりました。



今回はfoQなしの方が好ましい印象となりましたが、
重要なのは、使いこなしに機敏に反応してくれるスピーカーであるということです。 (foQは、私も愛用しているアイテムです!)

ラフに作られたスピーカーでは、導入後の音調整に苦労する(対策に反応してくれない)ことがしばしばあるのですが、
この「花蓮」は、真鍮の4本足をもつなど、名実ともに本格オーディオとしての素質を十分にもっているといえそうです。

ちなみに、この真鍮足は手作業によるエージング加工済で、錆による劣化を受けにくい状態になっているそうです。
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さて、2回にわたりショップ「オーディオみじんこ」にある、小型スピーカーとして「PR-10」と「花蓮」のレポートを連載しましたが、
どちらも魅力あるシステムで書いていても楽しいブログとなりました。

両方とも、お店には展示してありますので、
遊びに行ったときは、ぜひ試聴してみて下さい♪




「オーディオみじんこ」公式ページ https://mijinko.jp/

ブログ訪問記 ショップ「オーディオみじんこ」 に行ってきました。

桧スピーカーで聴く、バイオリンの優秀録音

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今日は、「桧スピーカーで聴く、~」と題して、
オーディオソースの紹介をしてみようと思います!


今回のお題は「バイオリン」。

中高域の表情が魅力的な楽器ですが、
いざ「バイオリンを聴こう」と思い立っても、何を聴けばいいやら迷ってしまうほどメジャーな楽器でもありますね。

まあ、私もクラシックはそれほど詳しくないのですが、(ヲイ
手元にある愛聴盤の中から、イイ感じの録音のものをピックアップしてみました。



今回試聴に使ったスピーカーは、オーディフィルの「PR-83Sol」。
8cmフルレンジながら40kHzまで再生可能な「FE83-Sol」を搭載し、桧無垢材のエンクロージュアと相まってバイオリン再生にはもってこいでしょう。

それでは、スタートです!

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「ヒラリー・ハーン デビュー! J.S.バッハ:シャコンヌ ほか」
<Amazonほか>

オーディオ試聴では定番の、ヒラリーハーンから1枚。
彼女の録音は、協奏曲のものも多いですが、こちらはバイオリンソロです。

透明なバイオリンの音色を、豊かなホールトーンをもって聴かせてくれる一枚となっていて、
ガッツリ聴くにも、BGM的に流すのもGOODな逸品です。

他のスピーカーと比べて、フルレンジの「PR-83Sol」だと、高域が若干丸くなるところもありますが、
それがある種の親近感を感じさせ、ずっと聴いていたい音だと感じてしまいます。

まあ、何はともあれ、
バイオリンソロとして飽きずに聴ける一枚としてお勧めです。





「ロマンティック・ヴァイオリン・リサイタル」 (ミリヤム・コンツェン)
<HMVほか>

こちらは、バイオリンとピアノの編成。
滑らかなバイオリンの響きと、ピアノの質感がしっかりと対比されている様子を堪能したい一枚です。

バイオリンの音が決して固くならず、それでいながら色彩感に溢れている、
そんな音を鳴らせるのは、桧の「無垢材」だからかもしれません。

ピアノは、適度な距離感を保ちつつ、しっかりとした鍵盤の様子を感じさせ、
コロコロとした音を聴かせてくれる楽しさがありますね。

オススメは、3曲目。
曲調の変化や、音色の多彩さが聴いていて飽きないほか、これらの変化をしっかりと出せるかは再生機器のクオリティチェックにも最適です。試聴にもオススメです♪




「ヴェンゲーロフ・ロンドン・ライヴ」(マキシム・ヴェンゲーロフ)
<Amazonほか>

バイオリンというと、澄んだ高音を思い浮かべますが、
こちらの一枚での注目は、比較的低い帯域。

バイオリンの胴鳴りを感じさせる、豊かな表情が楽曲の中でも随所に感じられ、
ついつい夢中になって聴いてしまいます。

ちなみに、アニメ「四月は君の嘘」でも題材になった楽曲「クロイツェル」も収録されているのもポイント。

ライヴ録音とのことですが、非常に良い録音です。
中域の表現力を堪能できる一枚になっています!




「愛の悲しみ」(奥村愛)
<Amazon, e-onkyoほか>

ラストは、奥村愛のアルバムを紹介します。
過去にはDVDオーディオなどの発売もあり、オーディオ界でも度々話題になっていますね。

深みのある音色で、濃厚な世界観を聴かせてくれます。
オーディオ的に聴き込もうとしても、いつしか時間を忘れて聴いてしまうタイプでしょうか。

「PR-83Sol」で聴くと、その音としての傾向がより顕著に感じられます。
桧の響き自体が比較的 濃い方向なので、楽曲との相性はなかなか良さそうです。

濃厚なバイオリンの調べに浸ってみたい夜なんかには、もってこいの一枚ですね。




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さて、いかがでしたでしょうか?

え?
スピーカーの写真じゃなくてジャケットが見たい?

まあまあ、せっかく桧スピーカーのオーディフィルなので、
少しばかりは、お付き合い下さいませ♪
(ジャケットは、題名で検索すればすぐに出てくるはずです。)



次回は、最近テストを進めているインシュレーターのことについて書ければ良いなーと思っています。

「桧スピーカーで聴く、~」シリーズは、また気が向いたときにでも。



それでは!

新・硬貨インシュレーターの実力(1)

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今日は、硬貨インシュレーターシリーズの新章として、
「新・硬貨インシュレーターの実力」の第一弾をお送りします。


そもそも、硬貨インシュレーターというのは、

身近にある「10円玉」「5円玉」「1円玉」をインシュレーターとして使用すると、
けっこう良い結果がでるよ。 という話でして、

2011年に日記を書いて以来、多くの方に読んで頂いています。
硬貨インシュレーターの実力!(2011年04月02日)


<複数を重ね合わせるという技も・・・>



さて、今日は新章ということもあり、
「インシュレーター」の基本として、その意味や効能を考えてみようと思います。


スピーカーというのは、多かれ少なかれ、
それ自身の振動により、箱(エンクロージュア)が振動しています。



インシュレーターを使わずに、接地面にベタ置きした場合は、
その底面だけが上手く振動できない状態になってしまいます。
(左の絵)

一方で、インシュレーターを使用すると、
底面がフリーになり、よりスピーカーにとって好ましい振動パターンになることが多いようです。

経験上、ベタ置きの時に、どことなく詰まったような音や、耳障りな音が出てくる場合は、
しっかりと底面の4隅をインシュレーターで支持してやることで、より開放的で鳴りっぷりの良い音になる事が多いですね。

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そして、次のステップとして、
インシュレーターには振動を制御する効能があります。



素材には、それ自身の固有の振動(減衰)パターンがあり、
それを上手く活用することで、スピーカーの振動、さらにはスピーカーの音色自体をコントロールすることができます。

さらには、構造を最適化して、よりオーディオ的に好ましい振動特性を付与したインシュレーターも、多く販売されています。

この変化の度合いも、想像以上に大きいもので、
低音を豊かにしたり、高域の伸びやかさを付与したりなど、工夫次第ではかなりの変化を狙うことができます。
(ちなみに、測定をしても周波数特性は殆ど変わりません。)

いずれにしても、自身の求める音の方向性、また、機材や接地面の状況により、適切なインシュレーターは変わってくると考えています。

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とはいっても、インシュレーターを使わなくても、
オーディオ的には間違いではありません。

ケーブルのように、使用しない限り音が出せない・・・という事はないですし、
スピーカースタンドのように、正しい設置のために必要・・・という物でもありません。

さらに言えば、理想的な状況であれば、
そもそもインシュレーターなど必要ではないのかもしれません。



完璧なスピーカー、完璧な床があれば、
そもそも、インシュレーターで音や振動を調整するという必要はないでしょう。

ハイエンドオーディオの写真で、機材が床にベタ置きになっているのを見ることがあるのは、
この理想に近い状況を実現しているからなのかもしれません。


でも、我々全員が理想的な状況を手に入れられるわけではありませんよね。

自分の持っている環境・機材で、求める音を出すためのアイテムとして、
振動をコントロールするインシュレーターは非常に有効な手段として働いてくれるはずです。

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例えば、こんな状況。



メタルラックは、それ自身が共振しやすく、
オーディオ機器を載せるには、振動を上手く制御したいところです。

もちろん、ラック自体を変えてしまう手段もあるとは思いますが、
こういった困った状況でこそ、インシュレーターが大きな効果を発揮してくれるでしょう。


他にも、こんな例もあります。



良さげなスピーカースタンドですが、
中身は、木材で作った自作品。

木材は、自然な響きがとても好ましい素材なのですが、
比重が軽いぶん、低音の重量感を出すのは苦手なタイプです。

こういう時には、金属や石材系のインシュレーターを入れてやることで、
音の重心の低さ、パンチ感を出していくことができるはずです。

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いかがでしたでしょうか?

「インシュレーター」は、様々な効能があって、
使用することで音を大きくコントロールできるということ。

一方で、必ず使わなければならないというアイデムではなく、
必要に応じて、求める音に応じて使っていく一つの手段であることも、大切なポイントだと思っています。


次回は、硬貨インシュレーターのキモとなる「音をどう調整するか」についてお話ししようと思います!

新・硬貨インシュレーターの実力(2)

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さて、前回から連載している「新・硬貨インシュレーターの実力」では、
インシュレーターとは?効果・意味とは?という基本的なところから話をしてきました。

今回も、インシュレーターの効能について、書いていこうと思います。

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そもそも、インシュレーターという言葉自体は、
英語の「insulation」、つまり「隔離、絶縁、遮断」という意味から来ていると思われます。


その名の通り、基本的な効果の狙いとしては、
「振動の遮断」にあります。



スピーカーを設置する床などは、スピーカーから出た音波により
絶えず振動をしています。

この外的振動が、スピーカーに流れ込んでしまうと、
繊細な振動(音)を扱うスピーカーの動作、音色を妨げてしまうと考えられます。

そこで、インシュレーターの出番です。
振動を吸収するインシュレーターは、床からの振動をシャットアウトします!!
スピーカーが理想通りの動作ができる、悪影響のない状況を作り出してくれるのです。(イラスト左)

さらに、振動を吸収するインシュレーターは、
スピーカー本体の不要な振動を吸収したり、それが床などに伝達し有害な輻射音とならないよう振動を遮断する効果もあります。(イラスト右)

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というのが、インシュレーターの古典的な考え方です。

確かに、インシュレーター本来の意味からすれば、
「いかに振動を吸収・絶縁するか(=制振)」に焦点が置かれる、というのは間違っていないでしょう。

その結果、「ブチルゴム」「ソルボセイン」といったゴム系材料が重宝され、
レコードのアームに巻き付ける…といった使い方も提案されました。



その一方で、「強すぎる制振は、音楽のニュアンスを失うのではないか?」という考え方が、新しく生まれてきました。

振動を抑える「制振」ではなく、
振動を調和させる「整振」。

この考え方は、「(強すぎる制振は)不要な振動と、音楽に内在する振動を区別なく吸収してしまうのではないか?」といった観点に基づくことが多く、
インシュレーターとして使用する素材には、(ゴム系より制振効果が少ない)木材や金属系材料が使われることが一般的です。

これらはゴム系と比べて、素材固有の音色が強く、制振効果が弱い場合もありますが、
「いかに速く不要振動を逃がし」「外的振動を拾わず」、場合によっては「魅力的な音色を付加できるか」といったことを念頭に、日々素材・構造の両面から検討が行われています。


もちろん、「制振」がダメで「整振」が良いという訳ではありません。
強力に振動を吸収するゴム系素材は、非常に大きな武器になりますし、制振アイテムをどこにどの程度使用するかはユーザーの腕の見せ所だとも言えます。要は適材適所ということですね。

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さて、話を硬貨インシュレーターに戻しましょう。

硬貨は、金属(アルミ、銅、真鍮)でできていますので、
分類としては、「整振」タイプの効能を期待することになります。

しかしながら、硬貨はあくまでも硬貨。
メーカー製のインシュレーターのように、先端素材や音響用の機構を有している訳ではありません。


それゆえに、「硬貨インシュレーターでは効果がなく、メーカー製を選ぶべき」という考え方もあるようです。


しかし、私は硬貨インシュレーターも十分に魅力的である!!と考えています。
次の例はどうでしょうか。


塩と、秘伝のたれ。

秘伝のたれは、焼き肉屋の店主が何代にも渡って改良を重ねてきたもののようです。
これを焼肉にかけたら、さぞかし美味なのは言うまでもないでしょう。
おまけに、この店ならではの歴史や風格を感じられる味わいなので、非の打ち所がありません。


では、塩で食べる焼肉はイマイチなのか?

そんな事はないでしょう。
シンプルな塩だからこその旨味があり、素の肉の風味を何倍にも引き立ててくれます。

さらに言えば、秘伝のたれ のような開発費、ブランドがない分、
ずっと手軽に試すことができるのもポイントだと思います。



硬貨インシュレーターも、私が聴く限りは十分な効果がありました。

紹介したように、メーカー製&硬貨の双方に良い所があるので、
それぞれの拘り、考え方に応じて、インシュレーターを選択し、楽しんでみて欲しいと願っています。

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長大な序章がようやく終わりました。
硬貨インシュレーターの話は、まだまだ続きます(笑)

新・硬貨インシュレーターの実力(3)

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連載でお伝えしている硬貨インシュレーターシリーズ。
第3回となる今回は、1円~500円を使用した実験をお伝えします!

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第2回では、インシュレーターの効果として、
必ずしも「制振」だけでなく、より調和のとれた振動を作り出す「整振」もあることを説明しましたね。

硬貨インシュレーターも、いわば「金属の円盤」であることに過ぎないので、
この独自の響きをいかに使っていくか、がキモとなってきます。



そんなわけで、硬貨インシュレーターの序章として
それぞれの硬貨が「どんなキャラクター」を持っているのか、
を徹底的に調査してみました。


やり方としては非常に単純。
硬貨2枚をぶつけて、その音を測定します。



一枚をクッションの上に置き、
そこに対して二枚目の硬貨を、高さ20cmから硬貨を落とします。

この音をマイクを使って録音し、周波数特性を求めます。


余分な音が入らないよう、クッションを敷いたり、
適切な枚数(最終的に2枚のみ)など、測定条件も試行錯誤しています。



とはいっても、手作業の調査なので、
以下の落下パターンによって、やや結果がブレることも分かっています。



いちばんシンプルな落ち方は、①のパターン。
一度だけ衝突したのちに、すぐにクッションへ硬貨が移動する場合です。

一番、ピュアな音がとれますが、得られる結果に偶然性(衝突のクセ)が乗るようです。


②は、二回衝突してから、クッションへ行くパターン。
二回衝突している分、得られる音圧も高く、比較的好ましい結果が得られました。

③は、何度も衝突して、最終的に二枚の硬貨が重なるパターン。
衝突回数が多く、打撃音によるノイズが乗りやすくSNが低下します。(欲しいのは金属の共鳴音の方です。)


今回は、二回、コインの裏表を変えての測定を行い、
双方の結果と、聴感を合わせて議論を進めます。


周波数特性の見方は、赤線が硬貨の音になります。
黒線はバックグラウンドノイズ。参考までに載せました。

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1円玉
<若木デザインが上>

<数字1が上>


聴感上は「ジリッ」というような音。
金属音というより、接触音というような感じで、あまり硬貨っぽい音ではありません。

特性上は、4~5kHz付近に小さなピークが見られるのみ。
10kHz付近にもブロードなピークがあり、小口径硬貨らしい特性です。

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5円玉
<稲穂が上>

<日本国が上>


聴感上は、「チリイーン」というような音。
お賽銭箱のイメージに一番近い華やかな音。さすがは五円。

特性は、2kHzと8kHzのピークが印象的。
ただ、衝突の状況に応じて、他の強い共振も容易に起こりやすいようです。

700Hzのピークは、落下時に中央の穴から空気が流れる「ポフッ」という音を拾っているのだと思います。

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10円
<平等院鳳凰堂が上>

<数字10が上>


聴感上は「ジィーン」という感じ。
5円よりデッドな響きでしょうか。

5円玉と類似した2.5kHzと8kzHzのピークに加えて、
5~6kHzには小さいながらも鋭い共振も確認されます。

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50円
<菊が上>

<数字50が上>


聴感上は、「リィーン」という音。
1円玉とは違う、共振がメインの軽やかな音ですね。

特性では、他にはない4kHzのピークが目立ちます。
小さなピークでは7kHz、9kHzも特徴的ですが、衝突の状況により音圧の大小が大きく変わるみたいです。

500Hzのピークは、(5円玉と同じく)中央の穴による空気音でしょう。

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100円
<八重桜が上>

<数字100が上>


聴感上は、「トリィン」という音、、かな?
他にはない独特の響きを感じます。

目立った共振ピークはなく、3~10kHzの幅広い帯域の共振が確認されます。
どちらかというと3kHzがメインで、そこから高域に向けて音圧が落ちていく…というのも興味深いですね。

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500円
<桐花葉が上>

<数字500が上>


聴感上は、「ドヂィ」という音。
硬貨の王者(?)を感じさせる、重みのある音です。

特性上は1kHzから5kHzまで右肩上がりに上がる細かな共振と、
7~9kHzにある強い共振が特徴になるでしょうか。
-------------------------


正直、硬貨のどれもが特色のある音を聴かせてくれて、
測定した甲斐がありました(笑)

今回は、測定系の影響もあると考え10kHz以上は参考特性として捉えましたが、
聴感に重大な影響がありそうな、1~10kHzでも大きな違いが確認されました。


測定結果も多いので、ここでまとめ。
1円「ジリッ」
5円「チリイーン」
10円「ジィーン」
50円「リィーン」
100円「トリィン」
500円「ドヂィ」
うーん、擬音語って難しいなぁ…(汗)

この結果を元に、インシュレーターとしての優劣や、音質についての議論をすることは難しいように思いますが、
なかなか貴重な結果になったのではないかと思っています。


次回は、インシュレーターとして
実際に音を聴いたうえでレポートを書いてみようと思います!

新・硬貨インシュレーターの実力(4)

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硬貨インシュレーターの新シリーズも、いよいよ第4弾。
実際に試聴しての、感想を書いていこうと思います♪

今回の試聴で使うのは、定番のメインシステム。


スピーカーは「PR-83Sol」と、(写真には載せていないですが)市販のブックシェルフ型の二台で確認しました。

硬貨インシュレーターは、スタンドとスピーカーの間に挟んでテストしました。


インシュレーターを並べて、、、


ほいっ とな。


まあこんな感じに、
どんどん試聴していきました。

試聴曲は女性ボーカル。(洋楽POPS系)
アマンダマクブルームさんの「Dreaming」です。


試聴は、裏と表の計2回で実施。
向きによっても音が変わったので、好印象だった方の感想を主に記載します。


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1円玉 オススメ度:★★★
(向き:数字1が下、若木がスピーカー側)


ヌケが良くなり、モヤツキ感が軽減されます。ボーカルは芯を感じ、フォーカスもしっかりとした音像感が楽しめるようになりました。レンジは広く、高域の爽やかさが助長されます。POPSに好適なキャラクターでしょうか。低音は引き締まり傾向ですね。
<上下逆にすると…>
やや鮮度感が低下。音が丸くなる感じで、好み次第では可でしょうか。

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5円玉 オススメ度:★★★
(向き:五円・稲穂が下、日本国がスピーカー側)


低音のコシが感じられ、濃厚な表現です。ボーカルには大人の潤いが感じられ、実にセクシー。高域は丁寧な描写で、音場感の広さも感じられます。伸びやかさやダイナミックさも向上方向でした。JAZZボーカルに向くかもしれませんね。
<上下逆にすると…>
大人しく、音場・レンジ感は抑制気味。さらに濃いめの表情になりました。

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10円玉 オススメ度:★★★
(向き:10が下、平等院鳳凰堂がスピーカー側)


ニュートラルな質感のなかで、レンジが上下に拡大。ややボーカルに硬さを感じますが、ピアノに重さが出るのは好印象でした。モニターライクに音をしっかり聴かせる良さがありますね。クラシックの重厚さの表現が得意かも。
<上下逆にすると...>
大きな変化はなく、相変わらずのニュートラル方向。(先ほどの向きと比べて)レンジがやや狭くなる分、物足りなさを感じるか?

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50円玉 オススメ度:★
(向き:50が下、がスピーカー側)


柔らかさを前面に感じるサウンド。全体的に丸め込むような方向で、低域レンジも狭い。ボーカルが出てくるので状況によっては使いやすいかも。
<上下逆にすると...>
中域の響きが強く、癖を感じる。低域の重量感がある分、全体バランスとしてミスマッチな感じを受ける...

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100円玉 オススメ度:★
(向き:100が下、八重桜がスピーカー側)


重心の高さが感じられ、付帯音が若干感じられる。良くも悪くも、音が整理される感じを受けますね。強烈な個性があるわけではありませんが、積極的には使いづらいかも。
<上下逆にすると...>
低音はさらに減少。全体バランスも、今一つ。

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500円玉 オススメ度:★★
(向き:500が下、桐花葉がスピーカー側)


重心が下がり、低音は硬貨中最大の量感が得られました。中高域はニュートラルで、使いやすい印象です。制振を感じる大人しいキャラクターながら、芯があるのは好印象。ただ、8個揃えると4000円なので、コストパフォーマンスは微妙かもしれません(笑)
<上下逆にすると…>
高域に若干お強調感が出る。その分、音場を感じさせる豊かな鳴り方へ。

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一気に試聴してきましたが、
やはり定番の10円の強さを再確認しました。

また、1円や5円はキャラクターがありながらも、好印象。
500円も、想像以上の音質を聴かせてくれました。


どの硬貨も、インシュレーターとしての役割をしっかりと果たしている印象でしたので、
いろいろと試してみると、音づくりの幅が広がるかもしれませんね。


次回は、硬貨を少し抜け出して、+αの領域を狙ってみようと思います!

新・硬貨インシュレーターの実力(5)

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硬貨インシュレーターの新章も、いよいよ第五回。
硬貨だけでなく、素材の複合化でさらなる高音質を狙っていこうと思います!

さて、前回の試聴では「1円」「5円」「10円」が、それぞれ良い音を聴かせてくれました。


「1円」はアルミ。
「5円」は真鍮(黄銅)。
「10円」は銅。

それぞれ、代表的な金属素材なので分かりやすいですね。
どれも良さがある一方で、素材固有の癖も散見されました。


そこで、異種素材のハイブリッドを試みます!



・・・というのは、前回の「硬貨インシュレーター」で実験済みでした。

硬貨同士を単純に重ねるだけでは、それぞれの癖が無くなることはなく、
むしろ重ねたことによる「音の詰まり感」が顕著になってしまう、という結果でした。

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そこで今回は、
厚みを変えた素材のハイブリッドを試みます。

主役は、音色感と低音の重量感に優れる5円玉!
それと、【アルミ箔】をハイブリッドさせます。



どうして、アルミ箔なのか?という点ですが・・・

アルミでできた「1円玉」は、スッキリと伸びやかな高音が特徴的です。
そこで、「5円玉」のモッサリとロールオフする高域に対して、アルミの音が良いスパイスになってくれるのでは?という狙いがあります。





今回は、2枚の5円玉でアルミ箔を挟んで試聴を行います。
(写真では少しずらしていますが、実際はキレイに重なるように重ねています。)


いざ試聴をしてみると、予想は的中!

5円玉の温かみのあるリッチな音質を引き継ぎながら、
高音の伸びやかさをアルミが適度に補強してくれています。

特に、5円玉単発だと音場表現が抑制気味で、
POPSを聴くとダイナミックさに欠けるかな?と思う時がありましたが、
アルミ箔を入れることで、しっかりと澄み切った音場・空間が表現されました。

1円玉を重ねたときは、1円玉の個性が強すぎたのですが、
アルミ箔は厚みが薄いためか、適度な効果として機能してくれました。


アルミ箔は、どこの家庭にもある材料かと思いますので、
ぜひ5円玉と併せて使ってみることをお勧めします。


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こうなってくると、さらに上を見てみたくなるものです(笑)

そこで、用意したのがこの材料。



銅箔、アルミ箔、真鍮箔の三種類です。
ここからは、家庭にある材料ではありませんね(汗)

これらも同じように、2枚の5円玉にそれぞれ挟んで試聴してみました。


まずは、アルミ箔(0.3mm厚)。 <5円玉でサンドイッチしての試聴>
先ほどの家庭用アルミ箔(厚さ0.01mm)とは異なり、
厚さが0.3mmあるしっかりとした質感のものです。

しかし、こちらは家庭用アルミ箔と大差ありませんでした。
気持ち音の芯が強くなったかな?とも思いますが、アルミ特有の高域の強調感も強くなり一長一短のようです。



次に、銅箔(0.3mm厚)。 <5円玉でサンドイッチしての試聴>

ぐっと音の重心が下がり、非常に好印象です。
音の存在感が増しつつ、音の曇りはしっかり低減されています。

銅素材の10円玉は、単発で聴くと真面目でやや硬質感のある音でしたが、
銅箔として5円とハイブリッドすると、5円玉の強すぎる響き感を適度に抑制しつつ、厚みが薄いために銅由来の硬質さも抑えられるというメリットがありました。



ラストは、真鍮箔(0.3mm厚)。 <5円玉でサンドイッチしての試聴>

予想はしていたのですが、単に真鍮の響きが強くなるだけで、メリットは感じられませんでした(汗)

空間のエコー感が強くなり、モヤツキも増加傾向。
既に5円玉が2枚重ねになっているのも相まって、癖がだいぶ強くなってしまったようです。


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と、こんな感じで、
5円玉に「銅箔」をサンドイッチしたハイブリッド構造で好ましい効果を確認することができました!

ちなみに、この銅箔、
0.2mm以下だと、銅の効果が弱く、ややモヤついた印象に、
0.5mm以上だと、銅の効果が強すぎで、中域に硬質さが出てきてしまうので、
0.3mmという厚みが一番ベストでした。

さらに、上下の5円玉からはみ出している部分の面積が大きすぎると、
銅箔の共振ゆえの癖(中~高域の誇張感)が出てきてしまうので、できるだけ丁寧に円形(少なくとも8角形など)にカットするのが良さそうです。


この、5円玉×銅箔インシュレーターは、
金属素材でありながら、キンキンとした金属付帯音がなく、
音の重心の低さによる低音の押し出し感の向上するというメリットが得られます。

さらには、自然な高域の伸びによる、ボーカル帯域の表現力が素晴らしい、など、
非常に優秀なインシュレーターとして仕上がりました!



なお、このハイブリッド硬貨インシュレーターを製作される際は、
絶対に接着しないよう留意下さい。

法律で貨幣の加工・改変は禁止されており、
不可逆な加工は避けるよう、注意すべきです。


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さて、次回は、この硬貨インシュレーターの経験をいかして、
硬貨という枠を取り払い、さらに優れた性能をもつ、
インシュレーターの製作に挑戦してみようと思います!


既に、数十種類もの試作品の試聴を終えていて、
だいぶノウハウもたまってきたので、ぜひお楽しみに♪

インシュレーター製作記 1

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「硬貨インシュレーター」の連載も一段落したところで、
もっと上を目指す、オリジナルインシュレーターを製作してみようと思います。

硬貨の中でも「5円玉」は、
真鍮素材の密度(8.5g/cm3)やその響きゆえに、
単体で使用しても、なかなか良いインシュレーターとなってくれました。


(5円玉の共振音特性)

さらに、銅箔をサンドイッチすることで、
より癖のないインシュレーターを作ることができています。







そこで今回は、
「5円玉」の素材となる真鍮材をつかって、様々な実験に挑戦してみます。




インシュレーターの試聴は、定番のメインシステム。


無垢の桧スピーカー「PR-83Sol」の足元にインシュレーターを設置して、
その音色を聴いていきます。



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まずは、ざっくりと大きさ違いを聴き比べてみましょう。



真鍮材の厚みは10mm。直径を20、30、40mmと用意してみます。
2枚の真鍮円板の間には、0.3mm厚(20×20mm程度)の銅板を挟みました。


まず、「5円玉硬貨」と比べると、
どれも音の芯の強さや、低音の力感が優れていることに驚かされます。

やはり、しっかりとした物量(厚み)があることのメリットは大きいようですね。


真鍮材のサイズ違いでは、
大きい方が、低音が出やすく、音も落ち着く傾向です。
一方で、小さい方は、よりナチュラルで癖が少なく、音の表情も豊かでした。
(サンドイッチ構造でなく、円板だけで試聴しても同様の傾向でした。)



単純なサイズ違いでは、それぞれの「設置面積」や「加圧」の具合が異なってくるために、
必ずしも大きい方が優れているとは言えない結果となったのだと思います。

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次は、サンドイッチする板の「サイズ」。
小さい物は10×10mm。大きいものは、φ20円板からはみ出す20×30mmとしてみました。



小さくすると、銅の物量が減ってしまうためか、低音が出にくくなりました。
スパイク構造に近くなるので、その効果も期待しましたが、雑味の低減感は余り出てきません。
(今までの経験では、金属スパイク×金属スパイク受けで凄い制振される…という印象は持っていません。)

逆に、円板からはみ出すほど大きくすると、
銅の付帯音、具体的には中域に癖っぽさが乗ってしまいます。
ヒラヒラした構造部分があることで、振動が発散されるかと思いきや、むしろ共振を拾ってしまいました。残念。


イメージで書くと、こんな感じでしょうか。

まずは、無難に円板と同等ぐらいの銅箔サイズで進めていくのが良さそうです。

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次は「厚さ」です。
0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.5mmと、4段階の厚みを比較してみます。



0.1mmは、ソフトで滑らかな風合いの音ですね。銅の固有音が少ないのは良いのですが、真鍮の野暮ったい響きを打ち消しきれてないようにも感じました。

0.5mmにすると、低音の力感や、レンジ感などが出てきて、銅素材の音を強く感じるようになります。やや重ったるい音になることもあるので、この辺は塩梅を見つけるのがコツのようですね。



厚みのコントロールは、思った以上に音色調整がしやすいな~といった印象を抱きました。
現状では、0.3mm厚が良さそうにも感じましたが、組み合わせる素材・構造次第で最適値は変わりそうです。

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こうした実験を繰り返していくと、
硬貨よりも、帯域バランスに優れ、癖も少なく、
かつ情報量や音場感をしっかり引き出すことができるインシュレーターを狙うことができそうだ、という感触を持っています。

そもそも、硬貨インシュレーターでもインシュレーター無しに比べたら大きく改善されていたので、
しっかりと作り込んだインシュレーターの威力の大きさを改めて実感しています。



一方で、組み合わせる部品の数は、まさに膨大。

既に、
円板サイズ:3種類
銅箔サイズ:5種類
銅箔厚み:4種類
なので、
60通りです...orz

そして、「真鍮円板」の代わりに、
薄い「真鍮 箔 」を使うサンドイッチの方法もありますので、、、



これらを一つ一つ聴いていくのは、かなり大変な作業になっています(汗)


インシュレーターというのは、そもそも「音質が向上」しないと意味がない代物ですので、
ここは時間と手間をかけて、しっかりやっていきたいところです。


また進捗があったら、このブログで紹介しようと思いますので、お楽しみに!

オーディフィル 2周年/B級品の放出/アニソン試聴会のお知らせ

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さて、新年度を迎えた今日は、
オーディフィル 2周年の記念日です♪

2016年4月からスタートしたオーディフィルですが、
無事に2周年を迎えることができました。

これからも、桧スピーカーの良さを伝えていくべく、
活動を続けていこうと思っています。




そして、2周年ということで、
今まで眠っていた「B級品」を放出しようと思います。



FostexのFE83-Solを搭載した桧スピーカー「PR-83Sol」。
この「フロントバッフルの年輪の向き(裏表)が違う」という理由で封印されていた個体を、B級品として販売します。



フロントバッフルの裏表が逆だと、やや音の密度感が低下するのですが、
桧スピーカーとしての良さは変わりませんし、むしろ弦楽器のヌケは良い方向になるようにも思います。

お値段は、通常品の50%OFFの 49,000円(ペア)!
一点限りの大特価ですので、気になる方はぜひお早めにどうぞ。



<B級品「PR-83Sol」の販売ページはこちら。>




そして、直近の試聴会も決まりました!

「アニソン試聴会2018夏」
(第6回オーディフィル試聴会)

日時:2018年5月12日(土)
12:00開場、13:00開演 (16:00終演)

場所:レンタルスペース「ろおまんか」
(東京 西国分寺駅より、徒歩7分)


音楽ジャンルを「アニソン」に絞った試聴会なので、誰にでもオススメできるものではないのですが(汗)
ご興味のある方は、きっと楽しめるイベントになるかと思います。


<イベント詳細はこちら。>




なんだか怒涛の情報ラッシュですが、
今日が4月1日とかは関係なしに、本当のことなので、ぜひとも宜しくお願いします。(笑)

インシュレーター製作も大詰めに来ていますので、またお話しできると思います!

インシュレーター製作記 2

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今日は、インシュレーター開発のお話しです。
前回、様々な積層構造を試しましたが、今回は、その応用編です。





そもそも、ここでの「インシュレーター」とは何を目指すのか。

日記「新・硬貨インシュレーターの実力(2)」で説明したように、
インシュレーターといっても、その効能・目的は様々です。


「桧スピーカー工房」のオーディフィルが
インシュレーターを作るにあたって、一番気にしているのは、

「スピーカーが朗々と歌っているか」
というところです。



オーディオ的には、ノイズを徹底的に除去するのが正解かもしれませんが...

オーディフィルは、「スピーカーメーカー」です。
(残念ながら、アクセサリーメーカーではありません...)

スピーカーが、
気持ちよく、
音楽を奏でてくれるか。


これがインシュレーター作りの根幹です。

もちろん、スピーカーが朗々と音楽を奏でてくれれば、
聴いているこちらとしても、嬉しくなりますよね。


そんなスピーカーが歌いだすようなインシュレーターが、
この開発の目指すところです。




音を殺さない、音を生かす。
そんなことを考えて行きついたのが、ハイブリッド型です。



金属素材は、その密度ゆえに、
音の「コシ」を出すのに有用な素材です。

しかし、金属の鋭い共振音は、どうしても克服しなければなりませんでした。


そこで、共振が異なる、銅と真鍮をサンドイッチさせ、
その癖を消し去る方法に着目しました。

金属の共振は、ゴム系の制振素材を使えば簡単に除去できますが、
それでは「音を生かす」ことにはつながりません。

可能な限り、剛体を使いながら、
違和感のない音になるよう、その構造を探っていきました。




様々な構造を試していた結果、
前回の金属箔を用いたものから、次のような3ピース構造に辿りつきました。



それぞれ、物量・面積共に意味のあるサイズになっており、
一つだけ違うサイズになると、それだけで音が激変してしまいますorz

特に、中央の「銅3連リング」の寸法は、
上下の真鍮の響きを中和する絶妙なサイズとなりました。

この銅リングを大きくしたり、銅板にすると、
銅由来の硬くて暗い音色が顔をのぞかせてしまいます。。。


ちなみに、直径は30mm。
小型スピーカーから、アンプの脚部まで使えるサイズにしています。




そして、使い勝手を考えると、
それぞれの金属を接合しないといけません。

言うまでもなく、接着剤の種類によっても音は変わります。


ゴム系から瞬間接着剤まで試したなかで、
接着剤のなかに「微粒子」を適量入れることで、癖のない特性になることが分かってきました。



私自身もよく分かっていないのですが、接着剤(ポリマー)単独と比べて、粘弾性や損失特性が変わるのでしょうか。


そして、ソフト系素材ではもう一つ発見がありました。

それは、埼玉県小川町産の和紙「細川紙」が、音を整えるのに役立ってくれたことです。
この和紙がインシュレーター最下層に一枚入ることで、最後に残ったエッジのようなものを、質感を保ったまま穏やかに整えてくれました。

和紙は「楮(こうぞ)」の長繊維がそのまま残っており、一般的な紙と比べて非常に大きな繊維構造をもっていることが有名です。

接触歪を抑える方法として、薄い紙やフィルムを挟むことは、以前から知られていましたが、実際に試してみると高音がロールオフしてしまうのは避けられませんでした。

「楮(こうぞ)」のもつ長繊維構造、とくに楮100%で作られる「細川紙」は、接触歪を抑えつつ、振動を素早く逃がすのに役立っているのかもしれません。






こうして出来上がったインシュレーターは、
コシと深みのある低域、伸びやかで情熱的な中域、穏やかで聴き心地のよい高域、を実現できるものとなりました。

桧スピーカーのオーディフィルが、試聴会などで自信を持って使えるリファレンスインシュレーターが一つ完成したというのは、私にとっても大きな安心材料となりました。

私自身、これまで幾多ものインシュレーターを捨ててきたので、ようやく完成した...という安心感があります(笑)


一応、4個で3000円弱のお値段で提供できるよう、オーディフィル側でも動いていこうと思いますので、もし興味がある方は、もう少々お待ちください。

見た目は地味ですが、音については自信を持っておすすめできます!



さて、次回は「オーディオみじんこ」で入手したアクセサリーが手元にありますので、その試聴記でも書いてみようと思います♪

ではでは!








インシュレーター製作記 3

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インシュレーターの試作もひと段落したところで、
ケーブルの試聴記でも...と思っていましたが、

まだまだインシュレーターの話が続きます!(でも今回が最後。)


今までちょっと疲れるような話が続いていましたので、
今日は気の向くままに書いてみます。





インシュレーターを作るなかで、数えきれないほど試聴を繰り返したのですが、
改めて「やっぱり音は変わる」という事に感心してしまいました。

言ってみれば、ただの金属の塊。

一応、振動するとされるスピーカーの下に入れての試聴でしたが、
「アンプ」や「ネットワークオーディオプレーヤー」の下に入れても、十分な効果があります。


なんででしょうね。。。(汗


コンデンサや配線の振動が音に影響がある、とか聞いたことはありますが、
改めて考えると不思議なものです。





んで、インシュレーターを入れて聴くのが最近の定番になったのですが、
どことなく、音楽を聴くのが楽しくなりました。

インシュレーターの有無を比較試聴した感想を、オーディオ的に表現すれば、
定位感が良くなったり、音のハリが出たり、低音の存在感が上がった...ということができます。

ただ、長く聴いていると耳の方が馴染んでしまうのか、
「超激変!サイコー!」なんていう気分は、余り長く味わえません。
(まあ、そんなハイな状態が続いたら、逆に変なのですが。。。)



でもその代わりに、
「あ、次はあの曲を聴こう」
「あ~~、こういうの好きだわ」
「あれ、もうアルバム最後の曲かぁ」
といった感じで、
スピーカーの奏でる音に、心惹かれる時間が増えたように感じています。





結局、インシュレーターは、
自分の感覚に音をフィットさせるための、最後の微調整なのかな。と思っています。

変わる音の変化は、本当に微々たるものでも、
自分の感覚にフィットしているか、否か、という
大きな違いを生み出すのかもしれません。


今回は、「銅と真鍮のハイブリッド」という選択をしましたが、
これは私の愛用している「桧スピーカー」の音の微調整にとっての最適解だったようにも思います。




桧スピーカーは、その無垢の桧材の響きから、
中域の音色感、表現力に優れています。 ←ほんとベタ惚れ状態です(笑)

その一方で、桧材の密度の軽さゆえに、
音のフォーカス感や重量感の表現はちょっと苦手でしょうか。


そんな桧スピーカーには、
高密度素材でありながら、固有の響きを十分に抑え込みつつ、振動吸収は少な目に、、と、
チューニングした今回のインシュレーターがベストマッチだったのでしょう。





そうなると、ベストマッチのインシュレーターというのは、
本当の意味では、人それぞれ、ということなのかもしれませんね。


例えば、
解像感は良いけれど、もう少し温かみのあるニュアンスが欲しいなぁ~とか、
音場の透明度を追求しているけど、まだ奥行き表現が足りないなぁ~とか、
オーディオの悩みは千差万別です。

かゆい所に手が届くようなインシュレーターに出会えるかどうかで、
もしかしたら、オーディオの満足度は大きく変わるかもしれません。


桧スピーカー工房のカノン5Dとしてスピーカーばかり作っていると、つい細かい所が疎かになってしまいますが、
今回のインシュレーター製作では、お陰でまた一つオーディオの面白さに気づけたように感じています。









オーディオみじんこ 電源ケーブル「AM-AC03 “Helix”」試聴記

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装いを一新した「趣味の小部屋」ですが、
今日は電源ケーブルの試聴記を書こうと思います。

今回の主役はこちら。



秋葉原に2018年1月にオープンしたショップ「オーディオみじんこ」の、
オリジナル電源ケーブル「AM-AC03 “Helix”」です。


長年、電源ケーブルなどアクセサリーの研究を続けてきた、
代表の荒川氏のハンドメイドケーブルです。
製品詳細ページはこちら


今回の試聴では、標準ケーブルと、自作ケーブルの3つで試聴を行いました。



中央の白いケーブルが自作ケーブルで、
プラグには、オヤイデ電気のP-029,C-029(無メッキ真鍮)を使用したものです。


使用したのは、うちのメインシステム。スピーカーには、桧スピーカー「PR-83Sol」を使っています。
電源ケーブルは、プリメインアンプの「Marantz PM-11S1」のものを交換テストしました。







まずは、クラシックから試聴してみましょう。

曲は「パガニーニ ヴァイオリン協奏曲第1番」 。
演奏はヒラリーハーン、伴奏は大植英次の指揮するスウェーデン放送交響楽団です。

試聴した第三楽章では、
ヒラリーハーンのバイオリンの瑞々しい響きと、
重厚でかつエネルギー感のあるオーケストラの響きがどうでてくるかが聴きどころです。



まずは、【自作ケーブル】から。

標準ケーブルと比べて、ダイナミックさ、低域の深みがしっかりと描かれます。

高域レンジは広い方ではありませんが、ヒラリーハーンのバイオリンは朗々と歌い上げ、聴いているうちに楽曲にどんどん引き込まれていく感じを覚えました。



さて、ここで【オーディオみじんこ「AM-AC03 “Helix”」】に交換します。

一聴して驚くのは、「音場の広さ」があること。
オーケストラと、ソロ・バイオリンの位置関係が鮮明に描かれ、スピーカーの後方にオーケストラが広がっているのが分かります。ホールトーンは、さらにその後方から聞こえ、クラシックの醍醐味を堪能することができました。

音色については、標準ケーブルとほぼ同等で、癖が少ないことが分かります。
先ほどの自作ケーブルでは、高域レンジが若干狭いようにも感じましたが、こちらは素直に伸びていますね。

しばらく聴いていると、音全体が紳士的であり、暴れの少ない音であることが分かります。
その一方で、バイオリンの豊かな倍音や、技法による質感の違いなど、様々な音を楽しませてくれるのは、ケーブルとしての懐の深さがあるためでしょう。




次は、JAZZ&ボーカルでいきましょう。

ジーナ・ロドウィックの「All My loving」。

今では廃盤となってしまいましたが、優秀録音として知られプレミアがつくほどの一枚です。



まずは、【自作ケーブル】。

音の一つ一つにコクがあり、魅力的なボーカルを聴かせてくれます。
音場感も標準ケーブルより良好なようです。

よく聴くと、ノイズフロアが下がり、余裕が生まれたような感じで、
低音域の存在感もしっかりと出てきているのが分かります。



そして、本命の【オーディオみじんこ「AM-AC03 “Helix”」】へ交換してみます。

まず、情報量がグッと増えたのが、一発目から分かります。
ボーカルのリップ音、残響音などが驚くほどにリアルになってきます。
若干、サ行の強調感もありますが、それほど気にならないレベルでしょうか。

ドラムの音数が増え、その素材感がしっかりと伝わってくるのも魅力です。
ベースは、量感よりも鮮明さを重視した方向ですが、一音一音がくっきりしているので不足感はなさそうです。





販売価格が13,000円という「AM-AC03 “Helix”」でしたが、その効果は目を見張るものでした。

製作する荒川氏の、電源ケーブルに関する膨大な経験が生きているのは間違いなく、
(特殊な素材を使わずに)癖が少なくニュートラルでありながら、しっかりと情報を引き出す逸品に仕上がっているように感じました。

あえていうのであれば、音楽のコクやノリなどをクローズアップした時にには、今回試したような無メッキ系自作ケーブルという選択肢もアリだと思いますが、
電源ケーブルに対して、【癖の少ない、音質の全体的な底上げ】を期待するのであれば、この「AM-AC03 “Helix”」は間違いなく候補に入ってくる逸品だといえるでしょう。


「オーディオみじんこ」webページ








オーディオみじんこ 「ちりめんRCAケーブル」試聴記

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前回の更新から、1か月近く経ってしまいましたが、
今度の話題も、「オーディオみじんこ」関係でお届けします!

本日の主役は...こちら!


「ちりめんRCAケーブル」です。

ケーブルに造詣が深い、代表の荒川氏のハンドメイドケーブルです。

「ちりめん」というのは、絹織物のことで、
ケーブルの被覆を、柔軟性に富んだ素材のみで仕上げることで、開放感のあるヌケの良い音を狙ったとのこと。

デザイン的には、和風テイスト仕上げの「花蓮」を思い出しますね。



さて、今回試聴する「ちりめんRCAケーブル」は、現代の線材を使ったモデルとなります。
実は、ほかにも兄弟モデルともいえるビンテージ線を使用したタイプなど、様々なものがあるようです(2018年5月現在)。


それでは、早速聴いていきましょう。



曲は「パガニーニ ヴァイオリン協奏曲第1番」 。
演奏はヒラリーハーン、伴奏は大植英次の指揮するスウェーデン放送交響楽団です。


標準的な付属ケーブルとの比較では、やはり「ちりめんRCAケーブル」の圧勝。
バイオリンの音にフォーカスが合い、クッキリとした音を楽しませてくれます。

弦の動きが見えるようなリアルさを伝えつつも、
表情豊かな音色を感じることができました。

情報量は多いながらも、決して温度感が下がらない(音色としてはホット)のは、
真鍮素材のプラグが効いているのだと思います。




せっかくなので、小型の「PR-10」(写真内側)だけでなく、大型スピーカーの「RF-1000」(写真外側)でも聴いてみましょう。

30Hzまで伸びた低域再生能力をもつスピーカーで聞くと、伴奏のオケの動き、低音の和音の表情が明らかに良好になっているのが分かります。
RCAケーブルとしては細めの外観ながら、低域まで充実したレンジ感があるのは嬉しいですね。



ここで、曲を変えて、女性ボーカルを一曲いってみましょう。
ジーナ・ロドウィックの「All My loving」。
まずは、小型スピーカーPR-10での試聴スタートです。



こちらも、標準RCAケーブルでも決して悪くありません。
楽器の表情一つずつを大切にした、好録音ですね。

「ちりめんRCAケーブル」に変えてみると、
ボーカルの濡れ感、深みがグッと向上します。

オーディオ的に言えば、中低域のSNが向上したのだと思いますが、
これは想像以上の変化です。

空間に定位するピアノも、しっかりとした存在感を感じさせるものになり、
単純にハイを上げるだけでなく「本当の意味での解像度」を上げてくるところに、荒川氏のケーブル製作技術を感じますね。




こちらも、大型スピーカー「RF-1000」で聴いてみます。

先ほどのクラシックでは、低域の表現力に違いを感じましたが、
今度は、どちらかというと中域に軸を置く楽器の細やかな表情に耳がいく感じです。

ドラムの音色の多彩さは、標準RCAケーブルとは大きく差が感じられ、
打面のハリ・素材感、打法の一つ一つがより伝わってくる心地よさがありました。




さて、こうして「ちりめんRCAケーブル」を試聴してみましたが、
前回の電源ケーブルとも共通して、素直な音色のなかで確実な改善をもたらしてくれる、という印象を抱きました。

特殊な素材でガチガチに固めたような極太ケーブルは、概して固有の響きを持ちやすいのですが、
今回の「ちりめんRCAケーブル」は、大きな癖を感じることなく安心して試聴することができました。この辺は、振動を抑え込まない構造などが効いているのでしょう。




さて、試聴記は、ここでひと段落ですが、
ひとつ、お知らせがあります!

6月9日~23日に、桧スピーカー「PR-83Sol」が、「オーディオみじんこ」店頭にて期間限定展示をすることになりました!

詳細は、後日報告しますが、オーディフィルの桧スピーカーの中核を担うモデルをぜひ聞いていただければ嬉しいです。


webページ「オーディオみじんこ」
(秋葉原の店舗へのアクセスも、こちらのリンクからご確認ください。)






6/8~6/23 PR-83Sol 期間限定展示@オーディオみじんこ

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今日は、イベント情報のお知らせです。

2018年6月8日(金)~23日(土)の期間で、
秋葉原のショップ「オーディオみじんこ」にて、
オーディフィル「PR-83Sol」の展示を行います。





「PR-83Sol」は、桧スピーカーの中堅モデルです。

弟モデルの「PR-10」は、以前からオーディオみじんこさんの店頭で展示をしていましたが、
今回は、より大型の「PR-83Sol」も聴いていただける機会となっています。


(弟モデル「PR-10」inオーディオみじんこ)

PR-83Solは、十分な物量をもつエンクロージャーにより、
フルレンジの伸びやかな音を存分に楽しんでいただける設計となっています。


また、超コンパクトサイズのPR-10と比べても、より大音量での再生が可能なことから、
試聴会でも度々活躍してくれました。

(2018年5月12日 第6回オーディフィル試聴会にて。写真内側)




もちろん、「オーディオみじんこ」にあるのは、桧スピーカーだけではありません。

代表の荒川氏らがハンドメイドで製作する各種ケーブル・アクセサリーや、
様々な小型スピーカーも必聴ものです。

~小型スピーカーシステム~ (状況により、展示品は変わる可能性があります。)

オーディオみじんこ「花蓮」



The NUDE CABLE「E'nbee RSS-01x」


オーディオみじんこ「後面開放型スピーカー」(写真左)
オーディオみじんこ「マークオーディオ7cmフルレンジユニット用エンクロージュア」(写真右)





展示期間中には、
「アナログオーディオフェア」6/9~6/10(秋葉原「損保会館」にて)
http://analog-audio-fair.com/#top.html
「OTOTEN」6/16~6/17(有楽町「東京国際フォーラム」にて)
http://www.oto10.jp/
などのイベントも近くで開催されています。


サブシステムとして、近くに置いておきたい小型スピーカーをお探しの方は、
この機会に店頭に行ってみてはいかがでしょうか!?



「PR-83Sol」展示イベント詳細は、こちら。
http://www.audifill.com/event/event_top.html

「オーディオみじんこ」への行き方は、こちら。
https://blog.goo.ne.jp/4g1g4g0/e/963ce69473006a7012e5fc817f43b178






オーディオみじんこ「PR-83Sol」展示、アナログオーディオフェア&OTOTEN2018

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梅雨本番という天気ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

6/8からスタートしていた「オーディオみじんこ」での展示も、
本日までとなっています。





期間中、多くの方に聴いて頂きまして、
とても嬉しく思っております。

小型モデルの「PR-10」の展示は、まだまだ続きますので、
今後とも宜しくお願いします!

https://mijinko.jp/





春はオーディオショウも目白押しです。
いくつか見てきましたので、簡単に報告を。

アナログオーディオフェア2018

思った以上に、現代的な再生系も多かったのが驚きでした。

「アナログ」といっても、古典的なものから、
現代ハイエンドなものまで様々ですよね。






OTOTEN 2018

昨年の「ハイレゾ音楽」推しから一転、
「レコード」をアピールしている様子でした。

来場者の年齢層は上がったようですが、ハイエンドオーディオも多く、
オーディオマニア層の満足度は高かったようです。


注目は、D&Mブースのマランツのデモ。

新中堅機となる「12」シリーズの、
サプライズお披露目会がありました!





PM-11s1を愛用している身としては、
特にプレーヤーのSA12に興味津々です♪

SA10の圧倒的なSN感も良いですが、
SA12の心地よい音色感は自分の好みにマッチする印象でした。

う~ん、これは欲しい。。。







フルレンジスピーカーの長所と短所

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ところにより強い雨が降っていますね。
週末はオーディオでゆっくり過ごすのも良さそうです。

さて、今日は
「フルレンジスピーカーの長所と短所」というお題で、お伝えしようと思います。

市販のスピーカーの多くは、2way以上の構成、
つまり「ウーハー」と「ツイーター」による2wayスピーカーが大半を占めています。

その一方で、オーディフィルのスピーカーは、
現在は「フルレンジ」方式のみとなっています。

そこで、フルレンジを作る身として、
その方式の良し悪しについて、書いてみようと思います。






フルレンジの長所 その1
「時間軸方向の正確さ」

フルレンジスピーカーは、2wayよりずっとシンプルな方式です。

音が出るユニットが一つ。
ネットワーク回路も入らないことが多いです。

そのため、特に時間軸方向で、
アンプから送られてきた信号を、そのまま音にする能力に優れていると言われています。

音の波形を忠実に再現するには、まずは時間軸を整えてやることが大切。
楽器のリアリティや、ボーカルの音像感は、まさに「時間軸」がしっかりしているかが勝負になってくるでしょうか。

フルレンジ方式は、そのシンプルさゆえに、
フォーカスの合った、リアルな音になりやすいのです。





フルレンジの短所 その1
「レンジが狭い」

一方で、短所としては、
「高音」と「低音」に専用のユニットをもつ2wayスピーカーと比べると、
低音、高音それぞれの音域が狭くなる、ということがあります。

古典的なフルレンジは、とくに顕著でして、
「声の帯域が再生できれば十分」という
割り切った使い方をされることもしばしばです。

ただ、最近のフルレンジユニット、
特に「PARC Audio」や「マークオーディオ」の製品は、
2wayにも匹敵するような、高域と低域の伸びを持っています。

これらのメーカーのフルレンジは、
かなり低音を出しやすい16cm口径クラスでも、
十分に伸びやかな高域特性を持たせており、
一般家庭で音楽を鑑賞するうえで、過不足のない帯域を確保できていると考えています。

とはいっても、やはりフルレンジはフルレンジ。
20kHz以上の超高域がもたらす、潤い感や、豊かな質感を求めると、
ツイーターを搭載する2wayに分があると感じています。



フルレンジの長所 その2
「点音源」

フルレンジスピーカーは、音が出るところが一つです。
それゆえに、「点音源」と呼ばれる、
ステレオ再生において理想的な状態に近づくことになります。



2wayのように、二つの音源から音が出てくるスピーカーは、
とくに近接試聴において、その違和感を感じやすいとされています。

また、2way派が主張する優れた周波数特性も、
垂直方向がズレると、一気に崩れてしまいます。
(2つのユニットからの距離が変わり、位相が合わなくなるため)

そうした観点から、
フルレンジは、小さな部屋での試聴に最適
と言えるかもしれません。

8畳未満のオーディオルームでの近接試聴では、
フルレンジの点音源メリットは大きくなると感じています。



フルレンジの短所 その2
「各種の歪み(ひずみ)」

フルレンジスピーカーは、その一つの振動板から全体域の音を出すため、
どこかしらで歪っぽい音が出ることがあります。

そして、どんなに優れたフルレンジユニットでも、
「ドップラー歪」からは逃れることができません。

ドップラー歪というのは、低域信号で大きく揺れ動く振動板から、
高域信号を同時に出した場合、低域信号の揺れによるドップラー効果で高域に歪が出ることです。

試聴会のような広い会場で、
パイプオルガン(低音)とバイオリン(高音)の入っているソースを鳴らすと、
耳ですぐに分かるぐらいのドップラー歪がでることがあります。

とはいっても、このドップラー歪は、
一般家庭で鳴らす音量では、まず耳にすることはありません。

振動板の振幅限界近くまで鳴らさなければ、
ドップラー歪は、まず問題になることはないと考えています。

一般家庭での音量で気になる歪があるとすれば、
「分割振動」に基づくものでしょう。

2wayのように帯域を分けているスピーカーに比べ、
フルレンジは、コーン紙の分割振動を積極的に使って、
高域を伸ばしてやる必要があります。

それゆえに、固有の音色が付くことがあり、
それとリスナーの好みが合わないと、「歪」と感じるようです。

逆に、その固有の音色と、リスナーの好みが一致すると、
「魅力的な再生音」だとか「音の旨味」とも感じられます。

真空管アンプは、計測値では歪が多いのですが、
その音色に魅了される人が多い、という話も、これと同じですね。

一概に【歪=悪】とはいえないというのが、
オーディオの奥深いところかもしれません。



フルレンジの長所 その3
「ユニットのクオリティ1」

これは余り議論されることはないのですが、
2wayとフルレンジでは、ユニット一つにかけられる予算が大きく異なります。

2wayの場合、「ウーハー」「ネットワーク」「ツイーター」の
三つに限られた予算を割り振ることになるのですが、

フルレンジの場合は、フルレンジユニット一つに、
すべての予算を投じることができます。



そのため、特に安価な部類のスピーカーでは、
下手に2wayにするより、フルレンジとして集中投資をする方が、
結果的にハイクオリティな音が手に入ることも多いのです。

ただ、残念なことに、量産型の市販スピーカーでは、
たとえ安価な製品でも「見た目」を重視した結果として、
2wayが選択される例も多々あるようです。

オーディフィルのスピーカーは、
音質本位で「フルレンジ」を選択しているので、
その値段や外見からは想像できない音に驚かれるかと思います。





フルレンジの短所 その3
「ユニットのクオリティ2」

これは、フルレンジか2wayのどちらが原理的に優れるか、という観点ではなく、
ある種の市場原理を含めた話になってきます。

「ウーハー」「ツイーター」の組み合わせが、現在のスピーカーの主流であり、
特に海外のユニットメーカーで、製品開発が積極的に行われています。

優れたハイエンドスピーカーに搭載されるために開発された技術が、
ウーハーやツイーター単品の設計にも展開され、
結果的に2way構成の場合のほうが、優れたユニットが豊富に存在する、ということがあります。

先ほど、「予算が限られる場合はフルレンジが有利」とお話ししましたが、
逆に「予算が十分に確保できる場合は、2wayが有利」とも考えています。

どの程度で、予算が十分というか...については、
左右のユニット合計で、3万円前後が境目になると考えています。

フルレンジなら、1本 1万5千円。
まあまあな高級フルレンジユニットが手に入りますね。

2wayなら、ウーハー7千円、ツイーター5千円、ネットワーク3千円(片チャンネル)でしょうか。
CP比に優れる新興国製のユニットと、緩急をわきまえたネットワーク構成で、ぎりぎり行けるところでしょう。




さて、こうして2wayとフルレンジを比べてみましたが、
まだまだ長所短所はあるかもしれませんね。

オーディフィルとしては、
価格・用途・製品コンセプトから、
今までフルレンジを選んできましたが...

いよいよ、待望の2way機の開発を行うことにしました!
今年の秋ごろの公開に向けて、少しづつ進めていこうと思います。

また進捗があれば、こちらのブログでも報告していく予定ですので、
ぜひともお楽しみに!






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