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8cmフルレンジ!

8cmフルレンジは、私にとって何かと思い入れのあるユニットが多いような気がします。

自作スピーカー界でも最小クラスの大きさなのですが、
なかなかの実力の持ち主でもあるのが、8cmフルレンジだと思います。

そのサイズゆえに、広い場所での大音量再生は不向きですが、
6畳間ぐらいの空間であれば、いい感じの鳴りっぷりを見せてくれるのです。

偶然にも(?)オーディフィルの中核モデル「PR-10」「PR-83Sol」は、
双方とも8cmフルレンジを用いたモデルとなっていますね。

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それぞれの設計意図もあり、
「TangBand W3-881SJF」と「Fostex FE83-Sol」をそれぞれに使用しています。


しかし、それ以外にも魅力的な8cmフルレンジは沢山あるのです!!

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それぞれに魅力があり、それに合った「使いこなし」もあるでしょう。


さらに、製品として送り出した「PR-10」や「PR-83Sol」では、
【小型バスレフ】という枠が、設計の前段階にありました。

しかし、それを取り払えば、
もっと雄大なサウンドも狙うことができるユニット達だと思うのです。


そうした魅力のあるユニット達を紹介する企画を、
現在進めています。

オーディフィルとして何ができるか考えつつ、
今年の秋ぐらいには、お披露目できるのでは?と思っています。

ぜひとも、ご期待ください!






ちなみに、先の写真の中で
「PW80K」はウーハーでしたね。

気づいた方は、なかなかのマニアさんです(><)b

共鳴管型スピーカーの作り方 その1

唐突ですが、「共鳴管型スピーカー」について、しばらく連載していこうと思います。


今まで40台以上の音響管スピーカーを作ってきましたが、
最近は、バスレフ型スピーカーばかり作っています(汗)

そうしていると、やはり共鳴管型の音が恋しくなって、
またもう一度取り組んでみようか、と思っています。

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「AudiFill BX-200」

そこで、この機会に、
今までの知識を整理してみようと思いました。

以前に共鳴管型スピーカーについて記載したのは、
「カノン5Dの資料室」のこのページ。
http://kanon5d.web.fc2.com/audio/kouza33.html


今回の日記では、先のページには書いていない最新の情報も交えながら、
その設計方法について解説してみようと思います。


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<共鳴管方式の利点について>

そもそも、共鳴管方式の利点とは何でしょうか?

「バスレフ型」や「バックロードホーン型」と比べると、
以下の3つが挙げられると思います。

①バスレフ型と比べて、
  より広い帯域の低音を増強できること。

②バックロードホーン型のように、
  広い面積で、空間を直接揺らすような低音が出せること。

③構造がシンプルで、
  比較的作りやすい。


まあ、欠点については正直いくらでもあるので、
あえて説明しないことにします。

一つ言えることは、「長岡先生の共鳴管」が全てではないこと。
同じバスレフ型でも、市販スピーカーが千差万別なように、共鳴管も設計思想で様々な音・個性を持たせることができるのです。


そして、上手く設計すれば、
16cmウーハーで、これぐらい広帯域なものも作ることができます。
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<設計の手順>

実際の設計の手順としては、以下の4ステップです。

(1)ユニットの選定
 ↓
(2)管の長さ(共鳴周波数)の決定
 ↓
(3)共鳴管の断面積(全体容量)の決定
 ↓
(4)管構造・細部の決定


バスレフ型や密閉型は、非常に明確な設計理論がありますが、
共鳴管型はそうではありません。

今回紹介する設計方法も、
シミュレーションでパパッと決まるものではありません。

しなしながら、「この辺なら大丈夫!」というテキトウな設計方法ではなく、
要点となるいくつかのファクターがあり、それぞれ最適値を求める方法や、ベースとなる理論があると感じています。

そういった【設計の要点】を、今後解説していこうと思います。
それでは、また次回!

共鳴管型スピーカーの作り方 その2

今日は、「共鳴管型スピーカーの作り方」の『その2』をお届けします。

共鳴管型スピーカーの設計で、一番に大切なのは、
やはり「スピーカーユニット(以下、ユニット)の選定」です。


ポイントとしては、
「バスレフ型で使えるくらい、低音が出るユニット。そのなかでも、フルレンジタイプが好ましい。」
というところです。

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長岡派の共鳴管との違い

先のユニット選択は、長岡鉄男先生の意見と明らかに異なります。

長岡派の共鳴管型スピーカーの作例では、
「バックロードホーン向け」のユニットを使うことが多々あります。

理由としては、「管共鳴と低音が被らないようにするため、ハイ上がりなユニットを使う」という所があるかと思います。

私自身も、その思想に則って、
共鳴管型スピーカーを、バックロードホーン向けユニットで何度か作ったことがありますが、
ほぼ確実に、十分な低音量感は得られません。

稀に、部屋の定在波をうまく利用できた結果、
十分な低音量感が得られた事例もあるようですが、それは特殊な事例でしょう。
(部屋にマッチするスピーカーをこしらえる、という考え方はアリだと思いますが)

長岡先生も、この量感不足は十分承知だったようで、
「方舟」では、サブウーハーを併用する形となっていました。

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共鳴管の基本原理
長岡派とは違うユニット選定に至る理由は、共鳴管の動作原理から説明すると分かりやすいと思います。

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これは、よくある共振や共鳴を説明する図ですね。

共鳴管では、このバネ係数にあたる部分kが「空気の弾性」、
錘にあたる部分Mが「空気の質量」に相当します。

その結果、とある共鳴周波数で気柱共鳴が起こる・・・
というのが共鳴の基本です。

これは確かに間違っていません。
しかし、もしこの通り単純なものであれば「バックロードホーン向け」ユニットの時に妙に低音が出ないということは考えにくいのです。

「バックロード向けユニットは、低音がダラ下がりのf特だから」という見解もありますが、
Q0が小さいため、むしろ重低音域は一般的なユニット(Qが大きい)より大きな音圧のはずです。

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基本原理は本当か?

問題を解く鍵は、このバネの固定にあると考えています。
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共鳴を分かりやすくするため、ここは『固定』された点として描かれますが、
実際はそうでしょうか?

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管の端にある「ユニット」は、完全な密閉でなく、
背圧に影響されて動作しているのが、現実なのではないか?と考えています。

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現実に即した動作イメージ
そこで、次のような図で考えます。
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振動板は、質量m1の物体として考えます。

これは、ダンパーの弾性(k1)の影響を受けるほか、
駆動している対象でもある、空気の弾性(k2)、質量(m2)の影響も受けます。

そして、何より振動板の駆動力(F)は有限の値であり、
さらには、電磁制動(μ1)が常にかかっているという所がポイントだと考えます。

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振動板重量の影響

ここで、振動板重量(m1)が小さくなると、
「電磁制動(μ1)の影響は(相対的に)大きくなる」のではないかと考えています。
※μは一般的に摩擦定数ですが、ここでは電磁制動の強さとして、m1に影響しないものとします。じゃあ、Fでかけy(ry

つまり、振動板が軽いユニットは、(その周波数特性によらず)
共鳴系の低音増幅を低減させる効果がある、と考えられるのではないでしょうか。

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実際のところ・・・

正直よく分かっていません(笑)

ただ、経験則では「バスレフ型で使えるくらい、m0が大きい(=低音が出る)ユニット」が、共鳴管型スピーカーで十分な低音量感を得るのに好ましいのは確かなようです。

そしてもう一つ、ユニット選びで大切なポイントとして、
「周波数特性」があります。
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中低域の特性

小型スピーカー(小型バッフル)に、フラットな特性のユニットを組み合わせると、
中高域と、低域の放射特性の違いから、低域の音圧が小さくなるという現象があります。

最近は「バッフルステップ」などと呼ばれ、自作スピーカー界でも注目されていますので、
検索してみると、より詳しい説明が見つかると思います。


問題は、これを補正しようと、
意図的に低域の音圧を上げているユニットがあるということです。

いや、別に「普通にバスレフ型で使う」なら問題ではない(むしろ歓迎すべき)なのですが、
これが共鳴管型となると、シビアな相性問題となってきます。

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こちらは、一般的なフラットな周波数特性をもつユニットと、
共鳴管型スピーカーの組み合わせにおける、周波数特性のイメージです。

共鳴管型スピーカーは、無対策だと『緑点線』のような放射特性となります。
そこで、様々な対策を施して『緑実線』のような特性に持っていきます。

100~200Hz付近の低音域で被る部分が出てきますが、
「バッフルステップ」効果で、低域が薄くなることを考慮すれば丁度良い塩梅に調整することが可能です。


一方で、以下のように、中低域の音圧を上げているユニットだと話は別になってきます。

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この場合、ユニットの放射音圧で、既にバッフルステップ対策が済んでいるため、
これ以上の低域(100~200Hz)音圧は不要です。

つまり、余分な低域がほとんど漏れず、100Hz以下の重低音域だけを増強できる、
『緑実線』のような放射特性をもつ音響管を作らないといけません。

正直、これはかなり大変です。
本来『緑点線』のような放射特性の音響管ですので、その中~低域をバッサリ切り落とすのは、一苦労です。(「無理」ではありませんが!)

<この低域をコントロールする方法は、また後日「管設計の詳細」として記載しようと思います。>


以上のように、中低域の音圧補強がされたユニットというのは、共鳴管型では若干使いにくいものです。

そして、「小口径ウーハー」の場合は、こうした中低域の音圧補強がなされていることが多くあるようです。
そんなことから、共鳴管型には「フルレンジ」が向いている、と考えています。


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まとめ

だいぶ長々と書いてしまいましたが、
「まあフツーのフルレンジを使うのがイイと思うよ。」という話です(笑)

とはいっても、ユニット選定というのは『一目惚れ』という要素もあるので、
頑張ってウーハー特性のユニットを共鳴管で使いこなすのも一興かもしれません。


さて、次回は共鳴管型スピーカー設計の定番「共鳴管の長さ」についてです。

春の自作スピーカーイベント まとめ(集まれ塩ビ管スピーカー2017関東オフ会、第7回PARCサウンド鑑賞会)

この春にあった、自作スピーカー関係のイベントを、
Twitter(@audifill)からの転載で、紹介します♪

どれもスマホの写真なので、画質についてはご勘弁ください(汗


「集まれ塩ビ管スピーカー・関東オフ会2017」(4月29日)
http://www.enbisp.com/modules/xpwiki/158.html

毎年恒例のイベントですね。場所は横浜の「横浜ラポール」。
塩ビ管を含む様々なスピーカーが登場するのが見所です♪
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たてちゅうさんの作品。
内容量1.2Lと3.5Lの小型ダブルバスレフですが、しっかりとした低音です! 
66Hzに調整した第二ダクトがバスドラの存在感に効いていますね♪

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なーおさんの作品。 
FE88-Solからスムーズで良好なレンジ感を引き出しています。
第二ダクトの47Hzまで違和感のない低音は、基本設計の高さゆえでしょうか!

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rokuさんの作品。 
フワッとした空気感の低音に、伸びやかな中高音がマッチしています。
JSP方式の使いこなしに感服です。塗装の青も深みがあってイイですね!

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KO球さんの作品。 
Yoshii9を参考にした本作には、懐かしい「FE83」を搭載。 
豊かで自然な音色は、アコースティック楽器をリアルに鳴らします! 生録派ゆえの調音技術を感じますね。

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コニさんの作品。 コーリアン製の箱に、新規のバーチカツイン構成。
オリジナルスタンドも外観にマッチしています♪ 
良質なフルレンジのような温かみのある響きで、素晴らしいネットワーク設計ですね!

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kenbeさんの作品(1)。 
MarkAudioの最新ユニットは、情報量十分♪ 
ローエンドから支えるBHBS方式は、ピアノのペダル音もリアルでした!

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kenbeさんの作品(2)。 
FE88-Sol搭載のブックシェルフながら、こちらもスケールの大きな低音を聴かせます。 
澄んだ響きは、赤松材のエンクロージャーのためでしょうか?

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ケンさんの作品。 
対向配置のユニットが、サイズと重量に見合わないパワフルなサウンドを奏でます。 
軽量な素材に拘ったためか、嫌な響きがないのも魅力ですね♪

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マイルスTKさんの作品。 
ダクトを交換式にした作品。簡単に付け替えができる機構は良いですね! 
確かに、後半の組み合わせは低音量感が出てきていました。

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古舘さんの作品。 
石田式BHBSのエンクロージャーから出てくる低音は圧倒的です! 
音響レンズを装着したユニット(M800)からは、イイ感じの粒立ち感のある音が聴けました♪

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私(カノン5D)はAudiFill PR-10をベースにした"塩ビEdition"を持参しました♪
「桧」と「塩ビ」のコラボです (>ヮ<)/

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海老沢さんの作品。
見た目に違わず、流石の完成度です。 
ダブルバスレフなのに鈍くならない低域にはいつも感心します! 
本体下の吸音機構が効いているのでしょうか?




第7回PARCサウンド鑑賞会(5月27日)
http://blog.goo.ne.jp/ac-audio/e/3b92d1334e5c90f47ce544eb3645ac0c

こちらは、新橋の「九州工大鳳龍クラブ」での開催。
PARC Audioのユニットを使った作品の発表会で、まったり楽しみました♪
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トップバッターは浅川さん。
パッシブラジエーターで肉厚な低音を出しつつ、ハリのあるサウンドがいい感じです♪ DCU-F101w2搭載

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磯口さんの作品。
9mmのMDFの振動を巧みに制御して、ゆったりとした鳴りっぷりです♪ F081K、T114S搭載。

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Ilidium17さんのネットワーク設計デモ!

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関澤さんの作品。
ワインの空箱を使ったもので、なかなかお洒落な感じです。
無垢材ゆえの響きの良さで、ピアノが美音です♪

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こちらは、海老沢さんの作品。
塩ビ管での発表より低音は締まり気味ですが、ハイの抜け感は流石です♪
台座の工作技術も必見です。 F081PP搭載。

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土屋さんの作品。
12cm自作ウーハー+密閉箱で、かなり低い帯域まで伸びています!
5cmウッドコーンとは300Hzのクロスです。

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石田さんの作品。
対向型ユニット配置で、全域で立ち上がりの良さを感じますね!
ダイポール型の指向性の効果は、今回の会場サイズだと体感しやすかったです。

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ひでじさんの作品。 
磁石マウントや、45°カットなど意欲的な作品。
17cmウーハーも無理のない自然な使いこなしで好印象です♪ F171PP, T114S搭載。

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ラスト。さかどんさんの作品。
弾む低音は小型バックロードの良さでしょうか。
毎年作っている甲斐あって、バランスもgoodでした♪

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A&Cオーディオ「Basic10」。
タイムアライメントを意識した設計のためか、2way間の繋がりがスムーズです!

他にも、PARC Audioの冨宅代表のホーンドライバーのデモなどがあり、
PARC Audioのスピーカーを満喫できた一日でした♪




春の自作スピーカーイベントも、それぞれ毎年大賑わいで嬉しいところです。
秋には「スピーカー再生技術研究会」「ミューズの方舟」が、それぞれイベント開催予定(?)なので、参加してみてはいかがでしょうか?

共鳴管型スピーカーの作り方 その3

今日は、いよいよ共鳴管の設計に入ってきます。

お題は、「共鳴管の長さ」です。

共鳴管型スピーカーの設計の基礎ともいえるポイントなので、
じっくり説明していこうと思います。


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基本となる公式

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基本となる公式は、「片開口共鳴管」の式です。

細かいことを言えば「開口端補正」などありますが、
今後の連載で説明するように、共鳴管型スピーカー自体が相当に複雑な動作をするので、
この段階で細かいことを議論する必要はないと考えています。

ざっと計算すると、
2.0m:42.5Hz
1.5m:56.7Hz
1.0m:85.0Hz
といった感じでしょうか。

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実際の動作

それでは、実際の動作を見てみましょう。
Fostexの10cmフルレンジ「P1000K」を使った箱です。

直管の端(閉じた方)に、スピーカーユニットを取り付けています。
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図のように、管の長さが120cmなので、
先の公式では、71Hzが強調されるはずです。

そして、この箱の開口部の周波数特性はこんな感じ。
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ちょうど、75Hz付近にピークが出来ています。
多少のズレはありますが、まあこんな感じです(笑)

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倍音について

ちょっと脱線しますが、先の共鳴管の開口部の特性で、
「200Hzと330Hzにもピークがあるじゃん!」と思った方も多いかもしれません。

これは、いわゆる倍音(高次共鳴)のことで、基音が先の計算で出てきた70Hzに対して、
それぞれ3倍音(70Hz×3=210Hz)、5倍音(70Hz×5=350Hz)に由来するものです。

今回の作例は、一切の折り曲げが無い「直管」の共鳴管ですが、
しっかりと、3倍音と5倍音が確認されました。
場合によっては、それ以上の高次共鳴がでるこもあります。

後日詳細を書きますが、「高次共鳴が起こるのは、複雑な折り返しのためである」というのは間違えで、
「複雑な折り返しが、高次共鳴を強調させることもある」というのが現実だと考えています。

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適切な長さ

先ほどの作例では、一発目から120cm(共振70Hz)の管を用意しましたが、
どうやって、その長さ(共振周波数、共鳴周波数)を決めればよいでしょうか?

実は、共鳴管の最適な長さ(最適な共振周波数)は、
メーカーが公開しているような「周波数特性」と「インピーダンス特性」から大体の推測ができます。

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これは、先ほど使用したFostexのP1000Kのユニットのデータです。(Fostexの商品ページより)
このグラフをじっと見ていると、次第にこう見えてきます。

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~周波数特性からの最適共振周波数~

まずは、赤線で示した部分。
これは周波数特性から判断した最適共振周波数で
「中低音域の音圧から-10dBのところ」です。

共鳴管といっても、魔法の道具ではないので、
低音増幅には限界があります。

一般的な共鳴管型スピーカーでは、たいてい+10dBの増幅が限度なので、
音圧の観点から、「中低音域の音圧から-10dBのところ」を設計上の共鳴点とするのが良いと感じています。
P1000Kでは、60Hz付近でしょうか。


~インピーダンス特性からの最適共振周波数~

そして、青線で示した部分。
これはインピーダンス特性から判断した最適共振周波数で
「インピーダンスピークの値から、半分ぐらいの高さとなるところ」です。

前回の説明で、管の端は「密閉」であるべき(=m0の小さなユニットは、共鳴を減衰する)という話をしましたが、
ユニットの共鳴周波数(f0)以下の領域でも、同様のことがいえると考えています。

共鳴周波数(f0)以上の領域であれば、ユニットに戻ってきた波を反射する(共鳴を維持する)ことは容易だと思いますが、
共鳴周波数(f0)以下の領域では、戻ってきた波に揺すられ、その波を(電磁制動として)吸収してしまい、共鳴が著しく非効率になるのではないか?と考えています。

その真偽は定かではありませんが、経験上からそんな感じがしており、
f0(インピーダンスのピーク)と比べて、余りにも低い周波数では、十分な共鳴を得ることができません。
そこで、目安として「インピーダンスピークの値から、半分ぐらいの高さとなるところ」という見方をしています。

そうしたことから、このP1000Kでは、70Hz~60Hzが最適、もしくは共鳴設計の下限値となるでしょうか?


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実際の設計への落とし込み

ユニットのスペックから、60~70Hzが最適共振点と求まりましたので、
前述の公式から、共鳴管は1.3m程度が好ましい、ということになります。

そこで、先の1.2mの直管に取り付けたP1000Kの1m特性を見てみましょう。
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低域をみると、管の共振周波数である70~80Hzに小さなピークが見えますが、ほぼフラットな特性が実現できています。

もう少しダラ下がりの低域を狙いたければ、1.3m、1.4mと長い管を用意することで、
簡単に実現が可能かと思います。

一方で、共鳴管は「出すぎた低音を抑える」のは楽でも、
「出ない低音を出す」のは不可能なので、
今回のように若干短めの設計として、必要に応じて吸音材などで共鳴を抑えるのが安全かもしれません。

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他の例

この方法は、カタログスペックを見るだけで、
共鳴管の長さの推測を付けられるという、大きなメリットがあります。

例えば、これはFostexの16cmフルレンジFF165WKの特性ですが、、、
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私なら、周波数特性が-10dBになっている、
40~50Hzあたりに共鳴を持ってくる(管の長さ1.7~2.1m)かな~、という感じでしょうか。

インピーダンス特性から考えると30Hz代の共鳴周波数の設定もできそうですが、中高域の音圧も高めのユニットなので、低音量感を確保する意味から50Hz弱ぐらいの共鳴を狙いたいところです。

まあ、もっと下の帯域を狙いたい気持ちも分からなくはないですが、
欲張れば欲張るほど、失敗する確率も高くなる、というのは何度も経験済みです。

そして、控えめな低音レンジで設計し、それゆえに、しっかりとした低域レスポンスをもつスピーカーは、
不用意に周波数レンジを広げたものより、ずっと気持ち良い低音を奏でてくれるものなのです。

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まとめ

共鳴管型スピーカーの最適共振周波数は、スピーカーユニット特性の、
「中低音域の音圧から-10dBのところ」
「インピーダンスピークの値から、半分ぐらいの高さとなるところ」となります。

まあ、人によって好みもあるので、「最適」というよりかは「カノン5Dの推奨値」といった方が適当かもしれませんね。



次回は、共鳴管設計の基本かつ不思議なところ「管の断面積」の解説です。

共鳴管型スピーカーの作り方 その4

今日は、共鳴管型スピーカーの作り方、その4をお話しします。

お題は「共鳴管の断面積」です。

共鳴管の断面積は、「振動板面積の2~3倍」と言われることが多いですが、
これは本当でしょうか。

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断面積の効果とは?

共鳴管の断面積は、イメージ的に低音の量感に効いてきそうなのは理解できるかと思います。
管が太ければ、より共鳴が大きくなり、結果として低音増幅ができる、と。

しかし、どこまで太くできるものでしょうか。

例えば、直径が3m、長さが6.8mの高架トンネルの中で、
スピーカーを鳴らしてみたらどうでしょうか?

長さが6.8m(共鳴は25Hz)で、断面積は振動板より「はるかに大きい」ので、
25Hzの強烈な共鳴音が聞こえるでしょうか?

ご想像の通り、おそらく共鳴は起こりません。
(大型スピーカーなら別ですが、)小型スピーカーから微かに出た25Hzでは、
例え非常に大きな断面積があっても、共鳴は起こってくれません。

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最適な断面積は?

最適な断面積を調べるために、
前回の実験を拡張して、以下のようなことをやりました。

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直管共鳴管の断面積を徐々に広げていき、
それぞれの周波数特性とインピーダンス特性を測定しました。

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軸上1m特性から言えること

まず、軸上1m特性の結果を、共鳴管の断面積の順に並べてみましょう。

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このままの状態では見にくいので、
共鳴周波数の80Hzを基準として、中音域音量からどれだけ下がったかを数値化してみます。

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どうでしょうか?
400%(振動板面積の4倍)までは、管の面積の増大に従って音圧が上がっていきますが、
800%になる頃には、ややその音圧増大がスポイルされたように見えます。

先の想像のとおり、やはり「太くしたら太くしただけ低音が増える」というのは間違いで、
「管を太くしても、ある程度以上は低音が増えにくくなる(サチる)領域がある」というのが本当のようです。

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開口部特性から言えること

さて、これを開口部(管の末端)での周波数特性から見たらどうでしょうか?

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確かに、断面積が400%~800%の太い管では、共鳴ピーク(80Hz)が見えますが、
断面積が72%~200%の細い管では、共鳴ピークは見えず曖昧です。

このような断面積が小さい例での結果は、
もはや200~500Hzの倍音のほうがリッチに出ているような感じです。

それでは、細い管では共鳴は起こっていないのでしょうか?
これは、ユニット近接特性とインピーダンス特性から明らかになります。

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ユニット近接特性、インピーダンス特性から言えること

まず先に大前提を言いますと、
「共鳴が起こると、(共鳴周波数での)振動板の振幅は小さくなる」という事があります。

長岡先生は「"空振り"が無くなったから」と説明した現象で、
これはバスレフ型でもバックロードホーン型でも確認できます。

もう少し原理に基づいて説明するのであれば、
振動板が振動するエネルギーが、共鳴のエネルギーに移った。と言うこともできるでしょうか。

つまり、ユニット近接特性でのディップは、振動板の振幅の低減、つまり共鳴が起こったことの証明になる、という訳です。


では、ユニット近接特性を見てみましょう。
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72%や、100%の細い管では、
モッコリとしたブロードなディップが共鳴周波数(80Hz)にあるのに対し、

400%や800%の太い管では、
キュッと小さく鋭い、三角形型のディップが、共鳴周波数にあるのが分かりますね。


次に、インピーダンス特性を見てみましょう。
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インピーダンス特性は、見方が慣れないかもしれませんが、
「ユニットの振幅が(想定より)大きくなった時、逆起電力が強く起こり、それが電気抵抗(インピーダンス、Ω)の上昇のように見える。」というのが簡単な説明でしょうか。

今回は、先ほど話したように「振幅が小さくなるところ(共鳴が起きている周波数)」を見るのがポイントなので、
インピーダンスのディップに着目します。


こうしてインピーダンスを見ると・・・

72%~200%の細い管では、
ブロードなディップ(吊り橋のロープのような形?)ですね。

400%~800%の太い管では、
細く鋭いディップ(渓谷のような形?)です。


これは、先のユニット近接特性と同じような変化です。

実は、インピーダンスの形状と、ユニット近接特性はかなり相関があると感じていまして、
インピーダンスを測定する手間や装置がないときは、ユニット近接の周波数特性で代用するのも手かと思います。


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結果のまとめ

結果をまとめると、
・ある程度以上の太さでは、太さに比例して低音が増えなくなる。
・細い管ではブロードな共鳴、太い管では鋭くピーキーな共鳴となる。

といったところでしょうか。

なんだか当たり前な結果ですみません(汗)

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その原理は?

ここからが難しいところですが、
ユニットの立場から考えて、以下のように解釈しています。

<細い管のとき(200%以下)>
スピーカーユニットにとっては完全に共鳴をコントロールしている状態。
つまるところ、インピーダンスのディップは大きく、共鳴をガッチリ抑え込んでいる状態だと思います。

そのために、共鳴の(管開口部での)音圧ピークはブロードで、
音圧も控えめとなります。


<太い管のとき(400%以上)>
スピーカーユニットより、管(エンクロージュア)の共鳴が主体になっている状態。
つまり、スピーカーユニットが放った音圧により共鳴が始まり、スピーカーユニットはその共鳴の影響を受動的に受けているような状態だと思います。

そのために、共鳴の(管開口部での)音圧ピークはピーキーで鋭く、
音圧は、しっかりとした共鳴増幅がえられ、十分な量感となります。


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最適断面積は?

これはもっと難しい問題です(笑)

私は、共鳴を利用して(ある種バスレフ型と同じような発想で)、十分な低音量感を確保するのが目的なので、
共鳴管は比較的太め(400%前後の状態)に設定するのが良いと思っています。

実際の音も、深みがありフワッっと押し寄せる低音は、実に聴いていて気持ち良いものです。

もちろん、今回の800%の事例のように、
低音量感を増幅するには『非効率な大きさ』というのもあるので、注意が必要です。

大きすぎるエンクロージュアは、「板鳴り」や「フラッターエコー(管の横方向)」など、様々な害悪をも引き起こします。
何事にも加減が必要かと思います。


一方で、200%~300%という定説の値も、十分に一理あるとも言えます。
この断面積は、先の作例ではユニットがしっかり共鳴管をコントロールできている、という状態でしたね。

実際の音も、共鳴管の共鳴臭さを感じず、良質な密閉型のような感じでした。

長岡先生は、このレスポンスの良い音に着目して、低音量感を若干犠牲にすることは承知で、この値を選択したのかもしれません。

さらには、「ウーハー」のように既に十分な低音量感があり、(振動板が重く)容易に共鳴が得られるユニットも、200~300%の断面積で、好ましい共鳴が得られることもありました。最適な断面積とは、ユニットの特性にも影響があるものだと思います。


まあ、そんな訳なので、
好きな太さでいいんじゃね?
という結論です(笑)

もし、しっかり作り込むのであれば、
200~400%ぐらいの値で数種類の試作箱を作るのがオススメかもしれません。
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さて、次回は、いよいよ具体的な作り込みに入ってきます。

実際の箱は直管でなく、折り返し構造を含む管です。
これがどう音に影響するのか、見ていこうと思います。

共鳴管型スピーカーの作り方 その5

連載5回目の今日は、「管の折り返し」について考えてみます。

長岡先生の著書をはじめ、何となくは書かれている項目ですが、
実際に「管を折り返すと、何が起こるのか」を確認してみましょう。

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180°の折り返し

まずは、基本となる180°の折り返しパターンから。
ここでは、二つの断面積で、直管と180°折り返し管を比較してみます。

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それぞれ、1回折り返しのシンプルな箱です。

ポイントは、以下の通りです。
・断面積が振動板比200%、400%となっていること
・音道の最短距離が1.2mとなっていること


断面積は、前回「その4」で説明したように200%~400%の間に最適値がありそう、という理由からの選択です。

また、音道の長さは、「音波は最短距離を通る」という仮説に基づいています。もしこの言葉の通りであれば、直管(1.2m)もU字管も同じ共鳴周波数となるはずです。

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180°の折り返し(結果)

それでは、早速結果を見てみましょう。

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「ダクト直前」の特性では、ピーク位置が見にくいパターン(断面積200%の直管)もあったため、
まずは「ユニット直前」の特性に注目します。 前回説明した通り、これはディップの位置が共鳴周波数でしたね。


200%の断面積の管では、共鳴周波数が70Hzから60Hzに下がっています。
また、400%の断面積の管では、65Hzから50Hzに下がっています。

400%の「ダクト直前」特性でも、ピーク位置は80Hzから60Hzに下がっているので、
「共鳴周波数が下がった」というのは間違いなさそうです。


この理由については、以下のように推測しています。
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今回の共鳴管では、「最短距離」が直管と同じようになるよう設計しました。

しかし、実際の音波は最短距離では進まず、
上の図のように、一部は迂回するような進み方をしたと考えられます。
(=実効長が長くなる → 共鳴周波数が下がる)


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折り返しの悪影響は?

今回の実験では、折り返しの影響は余り観測できませんでした。

実際にグラフを見てみても、どこかの高次共鳴が強調されているようには見えません。
むしろ、200%の軸上1m特性は低域(80Hz付近の)量感が増えており、180°折り返しの方が好ましい結果にすら見えます。

今回は、2つ折りのU字型でしたが、
もしかしたら3つ折りのように「共鳴の節や腹にあたる場所」に折り返しを作った場合は、何かしらの悪影響が出るのかもしれません。

また、軸上1m特性で確認された低域の音圧増大については、
以前、音工房Zの大山氏が、長岡氏のD-10バッキーや10cmバックロードについて研究していたときに「180°折り返しはローエンドに効く」のようなコメントをしており、これの裏付けとなるようなデータになったのかもしれません。

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コーナー部の処理

自作スピーカーのなかで、しばしば行われているのが「コーナー部の処理」です。
音の流れをスムーズにするよう、45°の板を以下の図のように設置することがあります。
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では、どれほどの効果があるのか、
これも特性で確認してみましょう。

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一見、殆ど違わないように見えますが、
よく見ると、いくつか違いがあることが分かります。

まずは、『軸上1m』特性に着目します。
200~400Hzにある特性の乱れ(凹凸)が、コーナー部処理があるほうが小さくなります。

直管ではなかった乱れなので、この180°折り返しの構造ゆえに出てきた乱れだと考えられます。

コーナー処理をすることで、音波がスムーズに伝達するようになったのか、それとも折り返し部に斜めの板が入り定在波が抑制されたのかは分かりませんが、結果として好ましい特性となりました。


一方で、『ダクト直前』特性では、
1kHz付近の盛り上がりが、コーナー部処理ありの方が大きくなっています。

以前から噂されていたように、コーナー部処理をすると中高域の反射もスムーズになり、中高音の漏れが多くなる、という事かもしれません。


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90°折り曲げ

他にも、「90°折り曲げは180°折り曲げと比べて影響が少ない」などと自作スピーカーの世界では言われていましたが、実際のところどうでしょうか?

振動板面積比400%の太さの管で実験してみました。
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結果はこちら。

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まずは、『軸上1m』特性に着目します。
先の180°折り返し(U字)に見られたような、200Hz~400Hzの特性の乱れもなく、
コーナー部処理の有無にかかわらず90°折り返し管は、殆ど直管と同じような特性が得られました。

そして、『ダクト直前』の特性。
今回は、最短距離が1mの管としましたが、予想通り共鳴は低めの80Hz(実効長1.2m)となりました。
こちらでも、音波の挙動が「最短距離でもなく、最長距離でもないところを通る」ということが確認できたと思っています。

また、コーナー部処理は、『ダクト直前特性』では明白に効いているようで、
500Hz~2kHzのピークディップが減少し、なだらかな特性になっていますね。

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90°折り曲げは低音が出ないのか?

自作スピーカーの謎の一つ、「D-111エスカルゴが低音が出ない」について考えてみます。

「D-111エスカルゴ」というのは、長岡鉄男先生の作品のうちの一つで、
アンモナイト型構造とも呼ばれ、まるでカタツムリの殻のように渦を巻いたホーンをもつバックロードホーン型スピーカーです。

全ての折り曲げが90°で構成され、まさに理想的で美しいホーンなのですが、
これが、低音が出ないと有名なのです(笑)

この理由は二つの理由があると考えています。
・直管に近い特性である
・実効音道長の差が大きい

一つ目は、先の実験でも出てきたように、90°折り返しは直管と同じような特性になるということです。一方で、180°折り返しの特性(軸上1m)では、直管より低音が出る特性となっていました。
つまり、「90°折り返しが低音が出ない」のではなく、「90°折り返しは、直管と同程度の低音が出る。180°折り返しの一般的な音響管と比べると、低音が出ない。」という理屈なのでは?と考えられます。

二つ目は、実効音道長の問題。
アンモナイト型の構造は、常に一方方向に曲がる90°の折り返しが連続します。先の実験では、実効音道長が最短距離を通らずに、他の長さの影響をも受ける、ということがありました。
もし、ホーン内部の最短距離を通った音と、最長距離を通った音が干渉するとしたら、どうでしょうか。もちろん、共鳴周波数もそれぞれ違うので、自ずと共鳴効率は下がります。
アンモナイト型構造は、単純な構造ゆえに、この音の干渉の影響が強かったのではないでしょうか?


ちなみに、上記は共鳴管としての動作の考察です。
バックロードホーンは、本来『ホーン』としての動作を期待して作る箱です。共鳴効率が落ちることは、ホーンとして理想的な動作に近づくということです。炭山アキラ先生が「部屋の隅であればアンモナイト型BHも低音が出る」というのも、ホーンとしての動作を十分に引き出すためのアイディアの一つでしょう。

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今回は、「管の折り曲げ」について見てみました。

共鳴管なので、比較的太めの管での実験となりましたが、
原理的には、バックロードホーンの管でも同じような結果となるはずです。

次回は、いよいよ共鳴管の特性をコントロールするテクニックについて、紹介していこうと思います。

共鳴管型スピーカーの作り方 その6

今日は、共鳴管型スピーカーの共鳴をコントロールする方法について説明しようと思います。

以前にちょっとお話ししたように、共鳴管はそのままでは500Hz~1kHzの中域までを増幅してしまう特性があります。
ハイ上がりなユニットに対して中域からの音圧が欲しい長岡型共鳴管とは異なり、この連載で対象としている一般的なユニットにとっては「低音だけの増幅」という特性が必要です。
そこで、何らかの形で中低域~中域を抑え込まなければなりません。

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吸音材を使う

これは非常にシンプルで、吸音材を使用して共鳴を止める方法です。
とくに、MJ誌などで活躍されている小澤隆久先生が提唱しているのは「共鳴管のユニット付近に吸音材を入れる」という方法です。

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これは、基音での共鳴と、倍音での共鳴では、異なる位置に『共鳴の腹』ができることを利用したものです。

共鳴の腹では、空気が大きく振幅しており、そこに抵抗となる吸音材を入れることでその共鳴を抑えることができます。

基音の共鳴(図中で一番上の管)は、管の開口部に共鳴の腹が来ています。
一方で、3倍音や5倍音での共鳴(図中で上から2番目と3番目の管)は、ユニットの近傍に共鳴の腹が来ています。そこで、その共鳴の腹に対して吸音材を設置することで有害な倍音だけを抑え込むことが可能となります。


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開口部を塞ぐ

これは、先の小澤隆久先生のほか、音工房Zの大山氏などが実施している方法です。

共鳴管の開口部を塞ぐことで、開口部からの中高音漏れを防ぐことを狙いとしています。

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基音の共鳴である重低音は、開口部付近では流体としての性質が主となり、
開口部を多少(60%程度)に塞ぐだけでは、流速が増すだけで、そこから出てくる音圧(空気の総量)にほぼ影響はありません。

一方で、中高音域は波としての性質が強く、開口部の面積に応じて出てくる音圧が左右されます。
それゆえに、開口部を塞ぐことで低音域の音圧は保ちつつ、有害な中高域をカットすることができるのです。


さらに、設計によっては超低域を補強するバスレフ箱としての動作をも期待することができ、非常に効果的な方法といえるでしょう。

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開口部塞ぎの欠点?

一方で、開口部を塞ぐことは「音響インピーダンスのマッチング(整合)」という考え方とは相反する手法であることも忘れてはなりません。

「音響インピーダンス」が整合していない状態では、振幅が大きくても音としては余り伝わっていきません。たとえば、小口径ウーハーに20Hzを振幅させても超低音はほぼ出てきません。これは長岡先生が『空振り』と称した状態ですね。

もちろん、こうした状態でも大振幅にすれば、音圧としては出てきます。しかし、聴感上で好ましいかと言えば別問題だと感じています。
大口径ウーハーや、バックロードホーン箱の奏でるような、空気を直接ドライヴするような再生音は、やはり「面積」に依存していると考えています。


開口部を塞いだ共鳴管は、深く沈むような低音となるような経験があります。これを「バスレフ臭い」と表現している人もいましたが、そんな感じです。
軽くて音色感が豊かな低音は、どうしても放射面積が広いスピーカーが有利というイメージをもっています。

開口部を塞ぐかどうかは、周波数特性はもちろん、聴感上の好みや設計意図によって選択すべき問題だというのが、現状でのカノン5Dの主張です。

一方で、部屋の共鳴(定在波)により、インピーダンス整合が想定以上(低音過多)となった場合の対処方法として、開口部を塞ぐのは合理的な方法だと思います。

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テーパーをつける

これも良く知られている方法でして、実際やってみても結構効果があります。「カノン5Dの資料室」でも掲載していたデータを使って、説明しようと思います。

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次に示すのは、長さ2.4mの共鳴管の広がり具合を変えたデータです。両末端の断面積の比をとって「1.0倍」「1.9倍」「4.6倍」の三段階で、開口部の周波数特性を比較します。

なお、ユニットは、TangBandの10cmフルレンジW4-927SA。ユニットの位置は管の端とします。

[1.0倍(255cm2→255cm2)]
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[1.9倍(150cm2→285cm2)]
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[4.6倍(75cm2→345cm2)]
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これらを比較すると、より大きな広がりをもった共鳴管ほど、ピークディップが少なくなっていることが分かります。その一方で、「4.6倍」のように急な広がりをもつ共鳴管は100Hz以下の伸びが悪くなることも確認できます。

音としては、低域の不自然なピーク感は無くなり、穏やかな鳴りっぷりに変化します。「4.6倍」では100Hz以下の重低域の伸びがスポイルされる感じがあるものの、「1.9倍」では重低音の伸びは「1.0倍」と大差なく良好でした。

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今回は、以下の3点で開口部の放射特性をコントロールしてみました。

・吸音材を入れる
・開口部を塞ぐ
・テーパーをつける

次回は、干渉などの音響的な効果を使って共鳴音をコントロールするする方法を紹介します!



「第23回真空管オーディオフェア」に出展します!

皆さんこにちは。
今日は重大ニュースの発表です!

オーディフィルは、
「第23回 真空管オーディオフェア」に出展します!


-開催概要-(第23回 真空管オーディオフェア」)

  会場:秋葉原損保会館 (秋葉原駅から徒歩5~10分)
      4階 408号室 (「A&Cオーディオ」と同室)

  日時:10月8日(日)10:00~19:00
     10月9日(月・祝)10:00~17:00

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「オーディフィル」は、「A&Cオーディオ」さんと共同の出展となります。

A&Cオーディオ」は、スピーカーを原理原則から見つめなおし、「フローティングマウント+グランドマス」や「ユニ・トランジェント方式」など新規技術の開拓に熱心なスピーカーブランドです。

A&Cオーディオの新製品「Dolphin-10W
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10月なのでまだ先ではありますが、
AudiFillのwebサイト内に、特設ページを設けて全力で盛り上げていこうと思います!


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特設ページはこちら。


共鳴管型スピーカーの作り方 その7(最終回)

連載の「共鳴管型スピーカー」も、今回で最終回となります。
共鳴管といえば、やはり中低域に表れる高次の共鳴をどう消すかが悩みどころとなります。

今回は、音響的な構造を利用して消音する方式を紹介します。



・吸音管を用いた方法

共鳴管は一本の管が共鳴を起こし、低音を増幅する方式ですが、
その管を枝分かれさせることで、余分な中低音を吸収する方法です。

こちらは、以前の自作スピーカー発表会で倉橋氏が製作していたスピーカーです。

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本体側面の巨大な管は、余分な中低音を吸収するためのものとのことでした。

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これと同じ発想は、ヤマハのNS-5000に搭載されている「アコースティックアブソーバー」がありますね。
ヤマハスピーカー技術紹介「アコースティックアブソーバー」



・吸音管を試してみた。

そんな注目の方式なので、私の方でも追試してみました。
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一回折り返しの共鳴管型スピーカーに、直径48mmの塩ビ管を長さ33cmにカットしたもの(片側開口管)を忍ばせておきます。この場合、管での吸音は250Hz付近を期待しています。

ここで、共鳴管(スピーカー)の出口での周波数特性を、吸音管有無で比較してみましょう。

<吸音管 無し>
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<吸音管 あり>
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ちょうど、220~250Hz付近の音圧が減っていますが、懸念の270Hz付近のピーク音圧に余り変化はありません。この方式は、吸音管の設置個所にも大きく影響を受けると聞いており、細かな使いこなしが必要なのかもしれません。



・折り返し構造での中低音抑制

他にも、180°の折り返し構造を使うことで余分な中低音を抑制することができます。

たとえば、この二つの設計。
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何の変哲のない、一回折り返しの共鳴管ですが、
折り返し構造の距離を変えています。

そうすると、次のようなダクト開口部特性となります。
(ユニットは閉管端に搭載)

<折り返し部 距離:13.8cm>
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<折り返し部 距離:28.8cm>
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300~600Hzの中低音が大きく減少できていることが分かると思います。
折り返し部分については、単純な構造の違いであっても、なかなか効果が大きいポイントだと思っています。



さて、長らく連載を続けてきましたが、いかがでしたでしょうか?
ちょっと専門的な話も多く、読むのが大変だったかもしれません(汗

この共鳴管設計技術を生かして、オーディフィルの「BX-200」がリニューアルを予定しています!
その近況については、また次回の日記で紹介します。

オーディフィル「BX-200」
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試聴会情報 「オーディフィル 第5回試聴会 in 第23回真空管オーディオフェア」
会場:秋葉原損保会館 (秋葉原駅から徒歩5~10分)4階 408号室
日時:2017年10月8日(日)10:00~19:00
      10月9日(月・祝)10:00~17:00
<イベント詳細はこちら>
当日は、オーディフィル製品をご試聴頂けます。皆様のご来場をお待ちしています。
最新情報はTwitter(@audifill)をご覧ください!
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[試聴レポ]Stereo誌2017年8月 ムック付録スピーカー / 新BXシリーズ

さて、今年もステレオ誌の付録スピーカーの季節になりましたね。

今年は、月刊Stereo誌ではなく、ONTOMO MOOK(ムック)での扱いです。

早速、8cm用エンクロージュアに装着です!

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まずは、「Fostex OMF800P」から。
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(エンクロージュア「KT-808」の詳細はこちら

さっそく試聴すると、昨年のM-800と比べて低音量感が豊かなのに驚かされます。
磁気回路の増大はありましたが、能率はM800と聴感上同等でした。重低音の質感は向上している、という話も聴きますね。

何はともあれ、比較的穏やかな中高域が全体のバランスを決めているのは間違いありません。

このキャラクターは、今までの自作向けFostexユニットより、
「市販スピーカーのFostex」の低歪さが前面に出てくるサウンドを連想させるかもしれません。


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そして、注目の「Pioneer OMP-600」。
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こちらは、先ほどのエンクロージュア「KT-808」にサブバッフルを装着しての試聴です。
(この「変換サブバッフル」は、依頼があれば作製しようと思うので、興味があればコメント願います)

すっと伸びた高音が印象的で、音全体が非常に伸びやかです。
FostexよりFostexらしい?とも思える、元気な音です。

低音は、150Hzを中心に十分な量感があり、
今回のような2L程度の小型エンクロージュアで、ちょうど良い感じのバランスとなりました。

オーディオマニアとしては、重低音領域のパワーが欲しくなるところですが、
Q0の高さで低音量感を稼いでいる「Pioneer OMP-600」から重低音を引き出すのは難儀しそうです。

オーソドックスなバスレフや共鳴管で、80Hz付近までを質感豊かに鳴らすか、
多段バスレフ(ダブルバスレフや多自由度バスレフ)で、60Hz以下まで空気負荷をかけて勝負に出るか、、、


今年のStereo主催コンテストは、このパイオニアの方での勝負なので、
皆さんの創意工夫が楽しみです!

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さて、「オーディフィル」の方では、
共鳴管型スピーカーの新型を開発中です。

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まだ試作機の段階ですが、測定と聴感の両面から追い込んでいます。
今秋の真空管フェアには、プロトタイプを発表できるよう頑張っていこうと思います。



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試聴会情報 「オーディフィル 第5回試聴会 in 第23回真空管オーディオフェア」
会場:秋葉原損保会館 (秋葉原駅から徒歩5~10分)4階 408号室
日時:2017年10月8日(日)10:00~19:00
      10月9日(月・祝)10:00~17:00
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皆様のご来場をお待ちしています。
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HandMade in Japan Fes 2017に行ってきました。/ BX-100進捗

前回の日記「[試聴レポ]Stereo誌2017年8月 ムック付録スピーカー」は、沢山の反響を頂きました。いつも読んで下さり、ありがとうございます!


さて、今日は一休み。
先日行ってきた、「HandMade in Japan Fes 2017(ハンドメイド インジャパン フェス)」のことを書こうと思います。
https://hmj-fes.jp/

こちらは、アクセサリーや雑貨を手作りしている作家さんが集まる即売会で、
東京ビッグサイトの半分ほどを使ったイベントです。

いくつか気になったブースをピックアップします!

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木野内さんのブランド「Kino」。
オリジナルの腕時計を手作りしていらっしゃいます。
http://www.kinocentworld.com/

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 (商品ページより)
ウサギと月がモチーフの「メカピョン(写真)」は、
ゼンマイ仕掛けの内部が表からも見える作りが、そそられます!

手作りならではの味わいのある時計ですね♪

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Fairytalesの汐帆(しほ)さん。
可愛い手編みアクセサリーを製作しています。
https://twitter.com/PopuraSky

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つい、二つほど買ってしまいました(∩´∀`)∩

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苔盆栽の茶木さん。
小さな盆栽の中に、、、「むっちゃん」がいます。
https://twitter.com/cyaki356

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(Twitterより)

なかなかの存在感を放つ「むっちゃん」は、
盆栽にもれなく付いてくるとのこと。
 
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どの作家さんも、おしゃれで綺麗なものを作っていてびっくりしました。
スピーカーにもあんな感じのセンスの良さを入れていきたいのですが、道は険しそうです(笑)


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さて、BX-100の進捗ですが、
試作機を8台ほどテストした中で、良さそうなものでステレオ試聴に移っています。

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 (実験中の試聴室・・・)

この箱の大きさだけあって、
ブックシェルフ型では得難い重低音を出すことができています。

また進捗があれば、書いていこうと思います。



■試聴会情報■
「オーディフィル 第5回試聴会 in 第23回真空管オーディオフェア」

会場:秋葉原損保会館 (秋葉原駅から徒歩5~10分)4階 408号室
日時:2017年10月8日(日)10:00~19:00
      10月9日(月・祝)10:00~17:00

<イベント詳細はこちら>

当日は、オーディフィル製品をご試聴頂けます。皆様のご来場をお待ちしています。
最新情報はTwitter(@audifill)をご覧ください!

「スピーカー設計図面集」、制作決定!

暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

今日は、新しいお知らせです。

「スピーカー設計図面集」を発売します!

内容は、『重低音再生を狙ったエンクロージュア設計』についてです。

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 (表紙イメージ、仮)

8cmフルレンジの中核モデル「Fostex FF85WK」をベースに、
低音再生に優れたエンクロージュアの製作事例集となります。

とくに、優れた重低音再生が可能な、
「ダブルバスレフ(DB)型」
「共鳴管(QWT)型」
「バックロードバスレフ(BHBR)型」
の3方式を中心に、
設計理論の解説から、その実例・測定結果を交えた本となります。


「密閉型」や「バスレフ型」の設計手法を解説した本は多々ありますが、
上記のような重低音再生に秀でた方式を解説する本は、余りありませんでした。

従来の考え方では、
どうしても解説が難しい側面があったのかもしれません。


しかし、低音再生には必ず理論があります。

そして、その理論に従って設計すれば、必ず好結果が得られます。



この本は、今まで設計が難しいとされていた、
「ダブルバスレフ(DB)型」
「共鳴管(QWT)型」
「バックロードバスレフ(BHBR)型」
を、誰もが自由に設計し、重低音を堪能できるようにするための本です。




気になる、発売時期ですが、
今年の年末~来春ごろ・・・でしょうか。


まずは10月の真空管フェアに、
『作例 第一弾』を持参できるよう、頑張ってみようと思います!

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■試聴会情報■
「オーディフィル 第5回試聴会 in 第23回真空管オーディオフェア」

会場:秋葉原損保会館 (秋葉原駅から徒歩5~10分)4階 408号室
日時:2017年10月8日(日)10:00~19:00
      10月9日(月・祝)10:00~17:00

<イベント詳細はこちら>

当日は、オーディフィル製品をご試聴頂けます。皆様のご来場をお待ちしています。
最新情報はTwitter(@audifill)をご覧ください!

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第23回2017真空管オーディオフェア 出展内容1

こんにちは。今日は、2017年秋開催の真空管フェアの出展内容紹介です!
(真空管フェア自体の紹介は、前回の日記へ。)

まず、展示品は「PR-83Sol」と「RF-1000」の二機種が決定しています。
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どちらも、桧無垢材を使ったスピーカーで、
桧ならではの情感溢れる、優しい音色を聴いて頂きたいと思います。

小型の「PR-83Sol」は、その名の通りFOSTEX製FE83-Solを搭載。フルレンジならではのストレートなサウンドに注目です。

大型の「RF-1000」は、3.2mの音響管をもつ大型機。17cmウーハーの限界まで引き出した超低音を堪能下さい♪



さて、この真空管フェアでは、損保会館の4階 408室が会場となっており、
A&Cオーディオ」さんとの相部屋になります。

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こちらの表の通り、30分おきのデモンストレーションとなります!
ぜひお時間を確保して、双方のデモを楽しんで頂けたら幸いです。


そして、、、
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真空管フェア初日(10月8日)の夕方には、
アニソンオンリー試聴会を開催します!
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アニソンに詳しくない方でも、16:30~の回は楽しんで頂けると思うので、
ぜひお越しください。
(もちろん、我こそは!という方は、全ての回を全力でコンプリートしてください!)


また情報があれば、このブログに記載しようと思います♪

桧の聖地、木曽に行ってきました。

真空管フェア関係は、今日はお休み。前回の日記「出展内容1」以外にも、まだまだお披露目できる内容を詰めています!

さて、先日、桧(ひのき)の聖地ともいえる「木曽」に行ってきました。

ここでいう「木曽」とは、長野県の左下にあたる場所で、
京都から江戸へ通っていた中山道の要所ともされた所です。


今回の旅行では、
長野の「諏訪湖」の近くにある塩尻市から、南に下るようにして移動したので、
その順に紹介しようと思います。

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 諏訪湖SAから望む諏訪湖

<塩尻市>
こちらで立ち寄ったのは「木曾くらしの工芸館」。
木曾ならではの漆塗りの木工芸品や、名産ぶどうを使ったワインなどを販売しています。
ゆったりとした展示で、見ているだけでも楽しいですね。
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他にも、「木曽漆器館」など、漆塗り関係で見るところも多そうです。


<木祖村>
こちらでまず立ち寄ったのが、「きそむら道の駅」。

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"木の匠"として、木工家さんの作品が展示販売されています。
最初に立ち寄って、気になった木工家さんにアポととってみるのも良いかもしれません。

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こちらは、「木工文化センター(木祖村商工会)」。
絵画に使うイーゼルスタンドの半分以上を木祖村で生産している、と教えて頂きました。

道の駅から少し離れたところにある「奥谷ろくろ職人工房」さん。
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ろくろの技術を生かして、モダンな皿や机の脚を製作しています。

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展示スペースには、木の食器セットもありました。
小さなスツールは、スピーカースタンドにも良さそうだったので、購入させて頂きました。
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<木曽町>
御嶽山に、木曽福島の町並みなど、こちらも見所満載です。
今回は、時間の関係もあり、余り見れませんでしたので、次回行ってみたいですね。

<上松町>
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駅前から「ひのき」ムード満点な上松町。
近くには、製材所が集まる木工団地もありました。

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車を30分ほど走らせると、「赤沢自然休養林」に到着します。
樹齢数百年の天然桧の林は、まさに圧巻です。

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20年に一度の伊勢神宮の御遷宮は、ここの木曽谷と裏木曽(御嶽山の反対側)の桧が使われます。
一回の御遷宮で、13,800本の木曽桧を供給するのですから、凄いことですね。

<大桑村>
自然豊かなハイキングコースや、須原宿が見どころ。
こちらも、次回立ち寄りたいポイントです。

<南木曽町>
旅のラストは、南木曽町。
「妻籠宿」では、木工芸品のほか、美しい町並みも必見です。

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こちらでお世話になったのは「楯木工製作所」さん。
妻籠宿のショップ「さしものや」から、いろいろと案内して頂きました。

以前は、SANSUIのスピーカーグリルを製作されていたとのこと。
ショップで小さな格子細工を買うことができたので、8cmフルレンジに付けてみると・・・
これは、ジャストフィットです!
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今回は、1泊2日でしたが、もう少し長く滞在して楽しむのも良さそうです。
木工や漆に興味のある方は、ぜひ木曽に行ってみることをオススメします!

真空管だけじゃない! 真空管オーディオフェア♪

真空管オーディオフェアというと、いかにも「真空管だけ」のように聞こえますが、
真空管アンプや自作スピーカー関係はもちろん、オリジナリティに溢れる"スピーカーメーカー"の出展にも注目したいところです。

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今日は、2017年の第23回真空管オーディオ・フェアに出展する、注目のスピーカーメーカーをピックアップして紹介します!

A&Cオーディオ (損保会館 4F 408室)
[web] http://ac-audio.org/index.html
[blog] http://blog.goo.ne.jp/ac-audio

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A&Cオーディオは、「Arts And Crafts」をモットーに、大量生産品にはないテイストのスピーカー製作をしています。「フローティングマウント」構造など、原理原則に立ち返ったアイディアと構造は、自作派スピーカー派にとっても見所満点です。

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山越木工房 (損保会館 1F 1F-A室)
[web] http://yamakoshimokkoubou.com/
[blog] http://blog.goo.ne.jp/yamakoshimokkoubou
[Facebook] https://www.facebook.com/山越木工房-172394789493768/
[Twitter] https://twitter.com/masamasa184
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山越木工房は、成形合板技術を使い様々な木工製品を製作しています。なかでも成形合板技術による「ラウンド加工」は、スピーカーの造形と音質を引き上げてくれるキーポイントだと言えるでしょう。

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WE-13A Studio (損保会館 4F 404室)
[blog]  https://blogs.yahoo.co.jp/we555mark/10172661.html
[Facebook]  https://www.facebook.com/WE13A-Studio-715276968498009/

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WE-13A Stuidoは、1920年にハリウッド映画用ホーンスピーカーとして開発された「WE-13ホーン」のレプリカを製作しています。ホーンの製作では、天然無垢材を手カンナで丁寧に曲面に仕上げていくという、まさに拘りの逸品といえるものですね。

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ファルコン (損保会館 5F 506室)
[web]  http://www.falconlab.jp/

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ファルコンは、海外大手ブランド等のスピーカーの開発生産協力を行っているメーカーです。優れた全指向性高域特性を得るために、振動板からボイスコイルまで拘った独自のドライバーを搭載しています。

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ここでは紹介しきれないぐらい、沢山のスピーカーメーカーが真空管オーディオフェアに登場します。普通のスピーカーでは物足りなくなった(!?)あなたも、真空管フェアなら新鮮な体験ができるかもしれませんよ!

下記ページでは、これからも紹介記事を追記していこうと思いますので、ぜひチェックしてみてください♪

「オススメ案内 - 第5回オーディフィル試聴会 in 第23回真空管オーディオフェア」
http://www.audifill.com/event/004_010/event_005_5guide.html

嬉しいお便り / OMF800P搭載の新作S-065

先日、オーディフィル"PR-10"をご購入頂いた、
富山県のM様から、嬉しいお便りを頂きました。

"PR-10"は、8cmフルレンジを使用した小型ブックシェルフ型スピーカーです。
コンパクトでありながら、全面に無垢桧を使用しているのが特徴ですね。
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  PR-10の詳細はこちら

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お便りを頂いたM様のオーディオルームは沢山のスピーカーがあり、
スピーカー好きとしてはたまらない空間です。
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M様は、1920年代~1950年代のJAZZがお好きで、
モノラル音源でも存在感のある音場再現を目指しているとのこと。

PR-10について、『バランスは良く、特に気にかかる音域や音も無さそう』とのお言葉を頂いており、
セッティングについては、「上向き用のドアストッパーを中央1個+後部角にフェルトシート」とのことでした。

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セッティングの情報は、製作者の私も大変参考になります!
これからも使いこなしや、リスニングで楽しんで頂ければ幸いです。

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さて、オーディフィルは10/8~9の真空管オーディオフェアに向けて準備を進めていますが、
9/23に開催される「スピーカー再生技術研究会 オフ会」への発表も予定しています。

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 http://rilsrt.web.fc2.com/

そこでお披露目するのは、今年のステレオMOOK付録「FOSTEX OMF800P」搭載の共鳴管型です。

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「S-065」

重低音もしっかり再生できるように調整しているので、
ぜひ9/23のオフ会を楽しみにして頂ければと思います!
(本作「S-065」は、10/8~9の真空管フェアにも持参します)

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試聴会情報 「オーディフィル 第5回試聴会 in 第23回真空管オーディオフェア」
会場:秋葉原損保会館 (秋葉原駅から徒歩5~10分)4階 408号室
日時:2017年10月8日(日)10:00~19:00
      10月9日(月・祝)10:00~17:00
<イベント詳細はこちら>
当日は、オーディフィル製品をご試聴頂けます。皆様のご来場をお待ちしています。
最新情報はTwitter(@audifill)をご覧ください!
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第23回2017真空管オーディオフェア 出展内容2 (新作S-065)

いよいよ、真空管フェアまで約1カ月となりました。
今日は、前回の日記に引き続き、出展内容の紹介です。

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新作の自作スピーカー「S-065」。
オーディフィルの製品ではありませんが、こちらも桧スピーカー達と一緒に持参します!

テーマは、「響け!低音再生!」として、
以下の時間に、鳴らすことを予定しています。

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低音再生は、いつの時代も自作スピーカーの大きなテーマです。 いかに、気持ち良く、深みのある低音を出すか。 重低音まで十分な音圧があることはもちろん、しっかりとした質感のある低音は、心地よい音の第一歩だと言えます。

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(S-065の周波数特性)


 S-065の設計方法の解説や、低音試聴ソース(CD)の紹介もありますので、自作スピーカーに興味のある方は、ぜひご参加ください!

他の出展内容については、こちらをご覧ください。

真空管フェア開催中には、S-065 設計図面の無料配布を行います!
ぜひお楽しみに♪

第23回2017真空管オーディオフェア 出展内容3 (名脇役たち!?)

いよいよ、各種オーディオイベントが近づいてきましたね。

把握しているところでは、こんなところでしょうか。
・スピーカー再生技術研究会 2017年第9, 10回公開オフ会(9/23、10/9)
・2017東京インターナショナルオーディオショウ (9/29~10/1)
・真空管オーディオ・フェア (10/8,9)
・ミューズの方舟 自作スピーカーコンテスト2017(12/10)

さらに、ポータブル系を含めれば、もっと多いかもしれませんね。

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さて、今日は真空管フェア出展スピーカーのお話ではなく、
それを陰で支える、名脇役たちを紹介します。


まず、一つめは「オーディオボード」。

高品位合板として知られる、フィンランドバーチをベースとしたオーディオボードをいくつか作成しました。

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今回使用した塗料は、着色系のものです。
「大谷塗料 バトン」のダークブラウン色で仕上げています。塗料としてはかなり濃い色ですが、木目もクッキリ浮かびあがる感じで、質感も十分です。

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手前のリモコン(黒)と比較すると、黒っぽさがどの程度か分かりやすいですね。右側が無塗装なので、しっかり着色できているのが分かります。
今回は、クリアのワックスを上から塗り、より高級感のある仕上がりとしました。

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二つめは、「スピーカースタンド」。

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注目は、なんといっても「桧無垢柱」です!

桧の名産地【吉野】から直送してもらった無節桧は、
12cm角の通し柱サイズのものです。
(ざっと計算して、2×4のSPF材の数十倍の値段がします…)

桧の仕上げは、「木工美肌~清香~」というワックスです。

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海外製の製品が多いワックスですが、これは日本製。桧との相性も抜群でした♪

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桧スピーカーとの見た目のフィット感はもちろん、
音も、低音から高域まで癖がなく、伸び伸びと鳴ってくれるスタンドが完成しました。

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三つめは、「パンフレット」。

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真空管オーディオフェアに出展するということで、
今回初めて「スピーカー総合カタログ」を製作してみました。

A3用紙を二つに折った、見開き1ページのシンプルなものですが、
想像以上に"それっぽい"感じになりました♪

印刷ショップ「ラクスル」で、数百部刷って1万円以下だったので、
自作スピーカー派にもオススメできるかもしれません。
(なんというか、満足感ありますよw)

真空管フェアで無料配布していますので、
ぜひ見に来て下さい♪

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来週は、再生技術研究会オフ会に参加しますので、
真空管フェアより先に皆さんにお会いできる機会になりますね!

それでは。

第23回2017真空管オーディオフェア 出展内容4

いよいよ真空管オーディオフェアが間近となってきました。
改めて、展示の内容をお知らせします。

-開催概要-(第23回 真空管オーディオフェア」)

  会場:秋葉原損保会館 (秋葉原駅から徒歩5~10分)
     4階 408号室 (「A&Cオーディオ」と同室)

  日時:10月8日(日)10:00~19:00
     10月9日(月・祝)10:00~17:00

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当日は、以下のプログラムを予定しています。
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30分ごとにある、オーディフィルの通常プログラムでは、
桧スピーカーの魅力を楽しんで頂けるような選曲でお届けします!

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初日(日曜日)の夕方からは、「アニソン試聴会」と題して、
アニメ関連楽曲のみの選曲となります!

アニソンといっても、16:30~はサントラなど聞きやすい選曲、17:30~/18:30~は割とガチな選曲となっています。これらを大小2台の桧スピーカーで鳴らし、その音を楽しんで頂きたいと思っています。

アニソン好きなら、きっとご満足頂けるプログラムとなっていますので、ぜひともご参加ください♪

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そして、両日の12:30~、15:30~は、「響け!低音再生!」と題しまして、
低音再生にフォーカスしたプレゼンとなります。

登場するのは、今年の音楽之友社ムック付録「Fostex OMP-800P」を使用したスピーカー【S-065】と、弊社のフラッグシップモデルRF-1000です。

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単なる製品紹介ではなく、共鳴管型スピーカーの設計方法解説や、重低音が堪能できる楽曲紹介を兼ねたプレゼンとなります。自作スピーカー設計や、愛聴盤探しなど、参考になればと思っています。

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それでは、皆さまのご来場をお待ちしております!

webページにも、フェア紹介を記載しましたので、ぜひご覧ください。
http://www.audifill.com/event/event_top.html
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