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桧でスピーカーを作るということ(前編)

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オーディフィルのスピーカーは、「桧」を材料としています。

「桧」は、マツやスギと同じ針葉樹でして、
比較的密度が軽い部類に入ります。



今ではビンテージと呼ばれるスピーカーの中には、米松を使ったものがありますが、
現代のスピーカーで、無垢材、ましてや針葉樹を使用したものは稀ですね。


多くのスピーカーは、「MDF」を材料に使用しています。
MDFは、「木材チップを蒸煮・解繊したものに接着剤となる合成樹脂を加え板状に熱圧成型したもの(Wikipediaより)」です。
寸法安定性や加工性に優れ、強度と密度が高いのが特徴です。オーディオ用として使用した場合も、付帯音の少なさや、コシのある低音など、MDFならではの魅力はあると感じています。


そんな中、なぜ「桧」なのか。

答えは、シンプルです。「聴いて良かったから」



自作スピーカーを作っているなかで、常に材料選択の問題は頭にありました。
機会を見つけては、様々な樹種を比較試聴していたのですが、「桧」だけがいつも好印象だったのです。



試聴した中では、「フィンランドバーチ」「ロシアンバーチ」「シナアピトン」「タモ」といった自作界定番のものから、
「マホガニー」「ウォルナット」「メープル」「黒檀」といった高級材もありました。


それでも、やっぱり「桧」なのです。

「桧」の音の特徴を文章で表すのであれば、
「情熱的な表現力のあるボーカル。刺々しさが全くない、優しい音色。それにも関わらず、情報量は十分。低音は、鈍くならず弾力に満ちている。」といったところでしょうか。

あ、誤解を招かないように言っておくと、他の材料が音が悪い、ということは毛頭思っていません。 あくまでも「自分の音を出すために、最もマッチする材料を選んだ」「他の材料を使いこなす技術が自分には無かった」という話ですね。 それゆえに、桧と他の材料をハイブリッドすることは常に考えています。





音の観点から選んだ「桧」という材料ですが、
無垢材ゆえの美しさも、特筆すべきものがあると思っています。

淡い肌色の本体は、同じく明るい色の「メープル」ともちょっと違うような色調で、
優しい質感のあるエンクロージュアとなりました。

この優れた素材に恥じぬよう、
しっかりと音響チューニングを重ねるのがオーディフィルの開発モットーかもしれませんね。

(後編へ続く)

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試聴会情報 「オーディフィル 第3回試聴会」
1/28(土)神奈川県 藤沢商工会館ミナパーク 5F 507会議室 16:00~
<詳細はこちら>
皆様のご来場をお待ちしています。
最新情報はTwitter(@audifill)をご覧ください!
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桧でスピーカーを作るということ(後編)

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今回は、「桧でスピーカーを作るということ」の後編です。



「桧」を選んだ理由については、前回に書いたのですが、
しばしば『桧って高いの?』ということを聞かれます。

まあ、高いか安いかは人それぞれの感覚で違うのですが、
ざっとwebで調べてみたところだと、

「桧(節あり材)」で、「フィンランドバーチ合板」と同じぐらいの値段。

といった感じでしょうか。

もちろん、お店や寸法、表面仕上げや時代によって、価格はまちまちですし、
大面積が得意な「フィンランドバーチ合板」と、
柱材が得意な「桧」 を同列で比較するのも、微妙なところがあります。


ちなみに、先の比較は「節あり材」というグレードで、
建材など見えない所での使用であれば、これで十分かと思います。


(写真左が、節あり材)

スピーカーは鳴れば十分というわけではなく、
やはり見た目の美しさ、左右ペアの均質な響きなどが求められます。

オーディフィルのPremiumシリーズに相当する「PR-83Sol」と「PR-10」では、
「節無し」の材料を使うほか、
使用材料の打音チェックで、左右のマッチングを図っています。



あ、打音チェックについて説明しますね。

無垢の桧材は、同じ寸法に切った材料でも、
「コンコン」と叩くと音が違うことが多々あります。

おそらく、無垢材ゆえに、
一つづつ密度や強度が微妙に違うためだと思います。
音階でいえば「ド」と「ミ」ぐらいの違いがあることもありました(笑)

ステレオ再生で使う以上、やはり左右の品質がマッチしていることは重要でしょう。
製作に使う板を一つ一つ叩いてマッチングさせていくのは本当に地味な(アホなw)作業ですが、せっかく製作するなら!という意気込みでやっています。


これでも接着時の微妙な差で、完成した時の音のズレが発生してしまうのですが、
少なくとも、自分で制御できるところは詰めておきたいものです。




さて、無垢材の魅力は、「年輪」にもあります。

これは、どちらかというと、外観の話になるのですが、
フロントバッフル程度の幅(15cm弱)であれば、ざっと20~30年分の年輪が刻まれています。

これって、地味に凄いと思うんですよねぇ。

20年前の1997年は、DIATONEのDS-2000ZXが発売された年ですし、
30年前の1987年は、初の民生用CDプレーヤー登場から僅か5年という頃です。

その頃から、手間暇かけて育てられた桧が、
こうしてスピーカーになって、音を奏でているのです。

そう思うと、ちょっぴりイイ音に感じられるようになるのは、私だけでしょうか(笑)


さて、そんな無垢桧材で製作した「PR-83Sol」ですが、
なんといっても、音響的な基本設計が大事なのは言うまでもありません。

次回の日記では、「PR-83Sol」のエンクロージュア設計について、書こうと思います。


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「PR-83Sol」の構造

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いよいよ、試聴会が来週に近づいてきました。試聴会のメインとなる「PR-83Sol」についてのお話を書こうと思います。

と、その前に、
「PR-10」の紹介を簡単にしようと思います。


「PR-10」は、「PR-83Sol」の弟モデルに位置します。
無垢桧材のエンクロージュアなど、Premiumシリーズとしてのコンセプトは同様です。



寸法は、約(幅)15cm×(高)15cm×(奥)20cm。デスクトップに丁度良いサイズでしょうか。
試聴会には、写真の試作機を持参しますので、聴いた感想を教えてもらえると嬉しいです。

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今度の試聴会でのメインとなるのが「PR-83Sol」です。



構造としては、一般的な「バスレフ型」。
ヘルムホルツ共鳴を利用し、ダクトから低音を鳴らす方式です。

スピーカーの世界には、他にも様々な方式の低音増強方法がありますが、
今回の『「PR-83Sol」のコンセプト』だと、オーソドックスな「バスレフ型」に理があったと考えています。
(もちろん、別のエンクロージュア方式も、同様以上に素晴らしいものですよ!結局は、「どういうコンセプトを描くか」次第だと思うのです。)



小型のブックシェルフである「PR-83Sol」は、
その本体サイズゆえに音響管方式(共鳴管やバックロードホーン)を組み込むのは困難です。

オーディフィルには、BX-200など共鳴管を搭載するモデルもあり、その利点は大いに認識しているのですが、
やはり音響管方式だと、トールボーイ型のサイズになってしまうのは否めません。



また、「PR-83Sol」は、
スピーカーユニット「Fostex FE83-Sol」の素性の良さにもフォーカスしたモデルです。

公称口径8.0cm、磁石のサイズは直径6.5cmという小さなユニットで、
その素直な響き、豊かな表現力を大切にしたいと考えています。

超低音を取り出すために、ユニットへのロード(負荷)を高めるより、
ユニットが気持ちよく動ける、適度な負荷を探すことにしました。



一番の特徴としては、ユニット振動板面積より大きなダクト断面積でしょうか。
試作段階では、一般的なダクト面積(振動板の20~50%ほど)をテストしていましたが、
「FE83-Sol」から豊かな鳴りっぷりを引き出すために、あえてセオリー外しを行っています。

ダクト断面積が増えることは、エンクロージュア内部の付帯音も出やすくなるのが欠点です。そこで、「PR-83Sol」では共鳴管型スピーカーと同様のチューニングを行い、上手く音をまとめることができました。


結果として、「FE83Sol」は低音下限こそ70Hz程度とそれなりですが、
聴いていて心地よい、弾むような低音を獲得することができました。


周波数特性と、インピーダンスはこんな感じです。(双方とも、簡易測定です)





明日は、チューニングのことを書こうと思います。
それではお楽しみに!

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「PR-83Sol」のチューニング

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試聴会の準備を進めているカノン5Dです。

今日は、PR-83Solのチューニングについてお話しします。



チューニングといっても、電気回路的なところではなく、
アコースティックなところ、つまり吸音や振動制御が主になります。


これは、本当に音を聴きながらの試行錯誤です。

一つ対策するごとに、様々なジャンルの音楽を聴いて、
延々と、その対策の良し悪しを判断していきます。


今までのスピーカー製作でも、いろいろな試行錯誤をしましたが、
未だに、新規対策の採用率は50%ぐらい。。。

やっぱりやってみないと分からないものなのです。



PR-83Solについては、こんな感じ。


ノウハウでもあるのですが、おそらく製作者が変わればチューニングも変わるでしょうし、
そのうちマルノコで真っ二つにする人も出てくるでしょうから(?)、先に白状しておきます。

メインの吸音は、青の繊維系吸音材が担当します。
主に、箱内部の定在波の低減を行い、モヤツキや中域のピーク感を解消してくれます。

サブの吸音は、赤の発砲ゴム系吸音材が担当です。
ピンポイントで効く部位へ装着することで、各帯域に残る違和感を解消させていきます。

そして、緑の特殊高分子系制振材。
「桧」の振動特性を最大限に生かすため、適所に貼り付けています。

吸音材の増減ならまだしも、だいぶ眉唾な部分でもありますが、
材料と構造だけでは語り尽くせないのがスピーカー製作だと思っています。

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さて、もう一つのネタは最新作の「PR-10」。
webページの方に少しだけ書きましたが、ペア3万円程度の安価なモデルとなります。



それでも、オーディフィルのPremiumシリーズを名乗れるよう、音作りには余念がありません。


ユニット後方も、だいぶ盛ってみました。

音のほうは、試聴会でご確認ください♪


それでは、来週、藤沢の会場でお会いしましょう!

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第3回 オーディフィル試聴会(1月28日) の詳細

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1/28の試聴会まで、あと数日となりました。

試聴会の情報、会場への行き方を、
再度掲載しておこうと思います。

「第3回 オーディフィル試聴会」
・日時:2017年 1月28日(土)
    [第1部] 16:00~16:40 (Classic&Jazz)
    [第2部] 17:00~17:40 (Vocal&Fusion)

・場所:神奈川県 藤沢商工会館ミナパーク  5F 507会議室
    (JR藤沢駅徒歩約3分)



場所は、JR藤沢駅から徒歩3分の「藤沢商工会館ミナパーク」内です。
いわゆる「貸し会議室」ですので、『5F 507会議室』まで直接お越しください。



エレベーターを5Fで降りて、すぐ右横の通路を奥まで行ったところが会場です。

部屋自体は、15:00から入れますが、15:30頃までは準備でバタバタしていると思います(汗)



当日お聞かせするスピーカーは、
オーディフィルの「PR-10」と「PR-83Sol」です。



第1部(16:00~16:40)では、
ClassicとJazzの音楽をメインに鳴らしつつ、
それぞれのスピーカーの設計思想などの話を交えて進行しようと思います。

前半ということで、まずは概要説明が主になりますね。


第2部 (17:00~17:40)では、
VocalとFusionの音楽を鳴らすとともに、
簡単な音響実験や、開発過程でのネタ話をしようと思います。

後半は、ちょっとブログでは書けなかったような話(?)も交えて、
いろいろと楽しめる時間にしたいと思っています♪


あ、もちろん入場無料、入退場自由ですので、
ぜひお気軽に足を運んでくださいね!

空いた時間には、皆さまご持参のCDやUSB音源を鳴らせるようにしたいと思っていますので、ぜひお持ちください。

それでは、28日、土曜日にお会いしましょう!

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試聴会情報 「第3回 オーディフィル試聴会」
1/28(土)神奈川県 藤沢商工会館ミナパーク 5F 507会議室 16:00~
<詳細はこちら>
皆様のご来場をお待ちしています。
最新情報はTwitter(@audifill)をご覧ください!
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第3回 オーディフィル試聴会 無事終了しました!

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こんにちは。カノン5Dです。
無事に、「第3回 オーディフィル試聴会」を終えることができました!

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たてちゅう様が、ブログに試聴会の様子を掲載して下さいました。
集まれ塩ビ管スピーカー主宰 たてちゅうブログ
(2017/01/29『第3回オーディフィル試聴会 』)

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今回は、第一回試聴会より、ちょい広めの会場で、
スペース的にも丁度良かったかな?と思っています。



細かいところは、いろいろと反省がありますが、
まずは楽しんで頂けたようで、何よりです。



毎度実施しているアンケート(製品の音についてのご感想)ですが、
今回から、許可を頂いた方のアンケートは「すべて掲載」します!
(あ、もちろん「掲載拒否」の方の分は載せませんのでご安心を。)

今回の試聴会では、7名(10名中)の方から、掲載許可を頂くことができたので、
次回のブログから、「PR-10」と「PR-83Sol」について頂いたコメントを掲載していこうと思います♪



そして、次回の試聴会が既に決定しています!

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「第4回オーディフィル試聴会 ~FOSTEXの8cmフルレンジで、アニソンを聴く~」

日時 : 2017年3月11日(土) 午後

場所 : エクスペリエンス・ストア二子玉川 (FOSTEXショールーム)

試聴機材:オーディフィル 「PR-83Sol」 (FOSTEX FE83-Sol搭載)
       FOSTEX FE88-Solを搭載したスピーカー (予定)
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次回は、アニソン試聴会です!
割とガチなやつなので、どれだけの方がいらっしゃるか不安ではあります(笑)

エクスペリエンス・ストア二子玉川様のご厚意で、FOSTEXのFE-88Solを搭載したスピーカーも鳴らせる(かもしれない)ので、私としても楽しみです。

それでは、今後ともオーディフィルをよろしくお願いします!

頂いたコメント 「PR-10」 (第3回オーディフィル試聴会)

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今日は、第3回試聴会で聴いて頂いた「PR-10」について、
頂いたコメントを載せていこうと思います。



試聴の中で「バスレフダクト(2本)を塞ぐ実験」をしまして、
そちらについても、コメントして下さった方も多くいらっしゃいました。

「PR-10」について、当日の配布資料はこちら。
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それでは、頂いたコメントです。
以下、順不同。
アンケートに記入いただいた[オーディオ歴]と[(自身の好きなorよく聞く)音楽(ジャンル)]を、コメントに併記しました。
もし気が変わって「やっぱり掲載NG!」という方がいらっしゃいましたら、ご連絡下さいませ。

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「小口径でバッフル面積が小さいので、音場感はとても豊か。音質的にはなかなか透明度が高い。一方、小口径の限界だろうが、中高域にエネルギーが集中しがち。その為、ややカンカンした響きが耳につく。ただペア32,000円は、お買い得だと思う。」
(ワッチ様 [オーディオ歴]45年 [音楽]クラシック)

「小さいが案外クラシック向きか。とはいえボーカルもよい。癖のなさはPR-83Solを上回るかも。」
(ヤスノリ様 [オーディオ歴]30年 [音楽]ポップス、ジャズ、声優)

「もう少し容量があっても良かったと思う。低音好きの人は物足りないと思う人がいるかも。宇多田ヒカルはダクト2本全開(の状態)が良かった。セッティングでは(壁につけると)大分変化しそう。」
(たてちゅう様 [オーディオ歴]15年 [音楽]マーカス・ミラー系)

「バスレフで低音を調整できるアイディアは素晴らしいです。1本塞ぎ(の状態)がとても良かった。全体的に音の軽さは否めませんが、ベッドサイドなどの用途を特定すれば、とても楽しめると思います。」
(K.M.様 [オーディオ歴]22年 [音楽]クラシック、ゲームサントラ)

「小型ながら音の拡がりは十分。見た目も木目が全面で美しい。店舗用に売りだすと良いかも。私は2ポート(の状態)が好みでした!」
(TAO1975様 [オーディオ歴]10年 [音楽]トラッド・ワールドミュージック)

「やわらかめの表現で、聴き易かった。個人的には、もう少しめりはりが効いた方が好みかも。ただし、価格を考えれば、仕上げも含めて良いと思いました。」
(G.M.様 [オーディオ歴]41年 [音楽]ポップス、ロック、ソウル、ジャズ)

「・弦の音がのびやか ・ビルエヴァンスはベースがリアル ・サックスはリアルだが、少しきついかな ・ソプラノはきれいに高音が伸びて聞きやすい 」
(コニ様 [オーディオ歴]50年 [音楽]ジャズ、クラシック、ボサノバ)
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会場にいらっしゃった方は、同じ会場で同じ選曲を聴いた他の方が、どう評価しているか気になるところではないでしょうか?

会場に来れなかった方も、同じ音楽ジャンルが好きな方が、どう評価しているか?は、なかなか参考になるのではと思います。


私からのコメントは特にありません。
皆さまの的確なコメントに感謝しております m(_ _)m


それでは、次回は上位機種「PR-83Sol」についてです!

音工房Z 試聴会 「Z700-FE108Sol」を聴いてきました

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先日、「音工房Z」の試聴会に行ってきましたので、そのことを書こうと思います。
(オーディフィル試聴会の「PR-83Sol」感想は、後日記載します。)

「音工房Z」
は、大山美樹音氏が自作スピーカーの経験をもとに、
2009年に立ち上げたスピーカー専門工房です。



以前から公開している「究極の自作 スピーカー探求道」というwebページでは、長岡鉄男氏の作例に対する考察や、木工情報などが掲載され、なかなか読み応えのあるコンテンツとなっています。
最近では、メールマガジンの配信など、精力的に進めているのが印象的ですね。


さて、試聴会のメインは、
新発売の「Z700-FE108Sol」です。



フラッグシップの「Z1000-FE108Sol」のキット化ver.というだけあって、
自作派にとっても注目度が高い製品です。


音工房Zのリスニングルームに入ると、
メールマガジンでお馴染みの、板張りの空間に胸が高鳴ります。



よく見ると、ブラインドテスト用の黒カーテンや、
測定機材を載せた移動式ラックなどがあり、開発の過程を感じることができますね。



まずは、大山氏によるプレゼンタイム。
今回の「Z700-FE108Sol」の特徴としては、以下の3つ。

・組み立て式による、CP比向上。
・ローエンドより、中低域を重視。
・Z1000-FE108Solから、寸法・素材を再調整。

最後の「Z1000-FE108Sol」からの変更点については、
さらなるCP比向上や、オールバーチ合板化するにあたり、寸法を再調整したとのこと。

確かに、「Z700-FE108Sol」は「Z1000-FE108Sol」より若干小柄で、
そのためのチューニング再調整があったのだと思います。

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さて、まずは定番の「ホテルカルフォルニア」を含む、数曲を、
「Z1000-FE108Sol」と「Z700-FE108Sol」で聴き比べました。

帯域を両端に伸ばしている「Z1000-FE108Sol」は、
まさにHiFiを極めたような音で、リファレンスたる風格のサウンドです。

一方で、「Z700-FE108Sol」は、板材がALLバーチになったためか、
より華やかで、中高域の立ち上がりについては「Z1000」よりも良いように聴こえます。

「Z700-FE108Sol」の低域は、それほど「Z1000-FE108Sol」と違わないかな?
サイズとしてはZ1000より小さくなっているので、これはお見事です。


次に、「Z700-FE108Sol」のダクト調整を聴き比べました。
ポート出口の木片を出し入れすることで、いわゆる「バックロードバスレフ(BHBS)」と「バックロードホーン(BH)」を切り替えることが可能となっています。

木片なしの状態(BH)は、中域のヌケが良く感じることもあり、
BHファンならこれもアリかもしれません。

ただ、低音の沈み込み、とくに引き締まり感は、木片ありの状態の圧勝です。
やはりスタンダートとなるのは、「バックロードバスレフ(BHBS)」のほうでしょう。



さて、ここからはフリー試聴タイム。



皆で持参した、様々なジャンルの音楽を聴かせて頂きました。

「Z700-FE108Sol」は、やはりバシッと決まる音が爽快です。
フォステクスのFE108-Solの能力を十分に引き出すことができているのが分かります。

ボーカルはしっかり定位し、滲みがありません。
比較的ライブなリスニングルームに広がる音場は、長岡先生の「スワン」譲りなところでしょうか。

特にオルガンのペダル音は圧巻。
30~40Hzまでの低音を引き出すエンクロージュアは、技術力の高さを感じさせます。
大山氏のメールマガジンでも度々でてくる「ローエンド」という言葉を納得することができましたね。この辺の拘りが「音工房Z」流儀なのでしょう。


「Z800-FW168HR」も鳴らしてみると、こちらは中低域がリッチなサウンドで、大きく雰囲気が違います。
確かに、高域の粒立ち感や、超低域の鳴りは、「Z700-FE108Sol」とも近いような気がしますが、全体バランスとしてはユニットの持ち味を生かすチューニングのようです。


こうして、音工房Zのサウンドを聴かせて頂くと、オーディオ黄金期と呼ばれた時代が渇望したサウンドを、さらに研ぎ澄ませたような印象を抱きました。

「ワイドレンジ&ハイダイナミックレンジ」を筆頭に、「低歪で広大な音場」・・・というのが、試聴を終えての一番の印象でした。

これは「FE108-Sol」の個性も多分にあるのだとは思いますが、
それでも最近のスピーカーではなかなか無いような、まさに「音工房Z」たる音のポリシーを感じることができました。


先ほど、webページを確認したら、試聴会情報が出ていましたね!
3月5日(日)とのことなので、気になった方はぜひ!

頂いたコメント 「PR-83Sol」 (第3回オーディフィル試聴会)

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遅くなってしまいましたが、1月28日の第3回オーディフィル試聴会のことを書こうと思います。

前半は入門機「PR-10」を鳴らし、
後半は、本丸となる「PR-83Sol」を鳴らしました。



FostexのFE83-Solを、無垢桧材エンクロージュアに入れたスピーカーです。

当日の配布資料はこちら。


それでは、掲載許可を頂いたコメントの紹介です♪

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以下、順不同。
アンケートに記入いただいた[オーディオ歴]と[(自身の好きなorよく聞く)音楽(ジャンル)]を、コメントに併記しました。
もし気が変わって「やっぱり掲載NG!」という方がいらっしゃいましたら、ご連絡下さいませ。
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「・良い意味で明るい音で良かった。・ダイアナクラールのエコー感の表現が良かった。・清水靖晃のソースでは左右の空間の拡がりが綺麗だった。・全体的にもう少しベースの沈み込み感があると良いのだが。」
(G.M.様 [オーディオ歴]41年 [音楽]ポップス、ロック、ソウル、ジャズ)

「伸びやかさ、軽やかさは絶品。少々明るめな感じはするが、セッティングでどうにかなりそう。持ち込みの南條愛乃もいい感じ。よく鳴っていました。」
(ヤスノリ様 [オーディオ歴]30年 [音楽]ポップス、ジャズ、声優)

「PR-10との比較では、価格差もあってか、2ランクほど上だと思った。特に中低域の量がPR-10よりずっと豊かなのが差になったと思う。それでもまだ中高域にカンカンした響きがまとわりつくのは、小口径のせいか、比較的柔らかい桧のせいか?
ただPR-10よりもぐっとHiFiオーディオ。このユニットをスコーカーにして大型の3wayを作ったら相当レベルの高い物が出来そうな気がする。」
(ワッチ様 [オーディオ歴]45年 [音楽]クラシック)

「良い音です!!フォステクスの83でこの容量での音の量感はすごい!!」
(たてちゅう様 [オーディオ歴]15年 [音楽]マーカス・ミラー系)

「音の静かさがPR-10と比べると段違いに良い。箱の小ささが幸いしてか、箱のビビり音が小さく、クオリティが高いと感じました。」
(TAO1975様 [オーディオ歴]10年 [音楽]トラッド・ワールドミュージック)

「PR-10と比べると、明らかにグレードアップしていますが、ハイエンドの領域に片足つっこんでいるためか、かえって音の軽さとカサつきを感じもします。高域の伸びは素晴らしいだけに、惜しい。
バスレフの径を調整して、PR-10のバスレフ1つ塞ぎのように、ある程度より低い部分はバッサリ切り捨てるチューニングをしてはどうでしょうか。エージングでどう化けるかもとても楽しみです。」
(K.M.様 [オーディオ歴]22年 [音楽]クラシック、ゲームサントラ)

「・PR-10と比べて全体に余裕が感じられる。・サックスは良かった。・低音がゆるい。・点音源の良さ。・フォステクス特有のサ行が相変わらずきつい。・スターウォーズのテーマは素晴らしかった。」
(コニ様 [オーディオ歴]50年 [音楽]ジャズ、クラシック、ボサノバ)
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短い視聴時間でしたが、皆さましっかり聴いて下さったなぁ~というのがカノン5Dの印象です。
いつも貴重なご感想をありがとうございます!


次回は、3月11日に試聴会を予定しています。
「PR-83Sol」でガチでアニソンを鳴らします!

アニソンしか鳴らさない(!)試聴会にはなりますので、
もしご興味がありましたら、遊びに来てもらえると嬉しいです。

(次の「通常」試聴会は、秋ごろを予定しています。)


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試聴会情報 「オーディフィル 第4回試聴会 ~FOSTEXの8cmフルレンジで、アニソンを聴く~」
3/11(土)東京都 「エクスペリエンス・ストア二子玉川」
<詳細はこちら>
皆様のご来場をお待ちしています。
最新情報はTwitter(@audifill)をご覧ください!
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雑記(吸音材、公式webページ、第4回試聴会情報)

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皆さん、こんにちは。
だんだん日も長くなり、お昼は暖房なしで音楽を聴くこともできる陽気になってきましたね。

さて、今日は小話を3つほど。
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最近は、吸音材の調整にはまっているカノン5Dです。



以前から、「量」や「何を入れるか」が重要なのは分かっていましたが、
どうやら吸音材を「どこに入れるか」というファクターが、
実は前者と同等(以上?)に重要ではないか?と思うようになっています。

「吸音材レスが最高!」という考え方もありますが、
それは、「吸音材を入れる」=「音の脈動感や鮮度が犠牲になる」という理由があるためだと思います。

ならば、「鮮度や脈動感を犠牲にしない、吸音材の入れ方」があれば、
歪感や付帯音を減らすことができるのではないでしょうか。

まだまだ道半ばなので、適当な頃合いに報告できるようにしようと思います。
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オーディフィル公式webページ
の更新、地味~に進めています(笑)



イベント情報はもちろん、商品ページなど、
久々に訪れると「あれ?なんか変わってる」と気づいてもらえるところもあるかと思います♪

桧のスピーカーの良さを、堪能して頂けるようなページを目指して、
これからも頑張って更新していきます!

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3月11日の「第4回オーディフィル試聴会」、いよいよ再来週になりました。

会場のエクスペリエンス・ストア二子玉川様に、素敵な画像を作って頂きました (>ヮ<)つ


詳細情報は、こちらをご参照ください。


今回は、席の準備などの関係から、予約制となります。
予約は、こちら(ページ下部)のフォームからお願い致します。

それでは、皆さまのご来場、お待ちしています♪

PR-83Sol製品ページ製作中、「アニソン試聴会」に向けて

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いよいよ「第4回オーディフィル試聴会」が来週になりました。
参加希望で、まだ予約していない方は、ぜひ宜しくお願いします!
(ご予約は、下記の試聴会リンク先より可能です。)


さて、試聴会に向けてwebページの作成も進めています。
試聴会のメインとなる「PR-83Sol」のページも、だいぶ整ってきました。



まだまだwebページ更新は続けていきますので、
ぜひともご期待ください!

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今回の試聴会のサブタイトルは「FOSTEXの8cmフルレンジでアニソンを聴く」です。

(エクスペリエンス・ストア二子玉川 様 作成)

「アニソン試聴会」とも呼んでいる訳ですが、
この開催に至った理由(webページには掲載していないほう)を説明しようと思います。


この10年で、アニソン再生を目的にスピーカーを60台以上作ってきた訳ですが(マテ
その発表の場をどうしようか、難航していたのです。

スピーカー発表会の場で鳴らすとしても、アニソンに興味のない方も多くいらっしゃるわけで、
そこでアニソンを選曲しても、まあウケが悪いんですよ。(そりゃそうだ

もちろん、他のジャンルでも「ちゃんと鳴る」のは設計者の狙い通りなのですが、
やはり鳴らしたいんですよ。アニソンを。

ならば、それなりの場を用意して、
アニソンが大好きなフレンズを対象に、アニソン試聴会をやることができないか?という訳なのです。

以前に、アニソンを強行突破(?)で鳴らした時にも、
会場にいた数名の方から、(肯定的な意味で)熱い反響を頂くことができました。

ミューズの方舟 自作スピーカーコンテスト2015 「83Diamond」(FOSTEX FE83En使用)


そのときの経験が、この企画を後押ししてくれたのは間違いないでしょう。


そして、何よりもこの企画に賛同して下さった、
エクスペリエンス・ストア二子玉川 様の協力なしには開催できなかったと思います。

オーディフィル試聴会としては、第4回の試聴会ですが、
「アニソン試聴会」としては第1回目。

0から1へ。
アニソンを愛する皆さまと、大切な時間を共有できればと、
心から願っています。

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試聴会情報 「オーディフィル 第4回試聴会 ~FOSTEXの8cmフルレンジで、アニソンを聴く~」
3/11(土)東京都 「エクスペリエンス・ストア二子玉川」
<詳細はこちら>
皆様のご来場をお待ちしています。
最新情報はTwitter(@audifill)をご覧ください!
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明日は第4回オーディフィル試聴会(inエクスペリエンス・ストア二子玉川)

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いよいよ、「第4回オーディフィル試聴会」が明日になりました。

まずは、エクスペリエンスストア様がTwitterにアップして下さった写真を紹介します!
お洒落なショールームで、「PR-83Sol」もご機嫌そうです♪







https://twitter.com/xyz_250
https://twitter.com/xperience_inc


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さて、会場への行き方ですが、
以前行ったときに撮った写真で説明します。



まずは、駅の「西口」を左に歩き、
大通りを渡った後は、写真の不動産屋を目印に小道に入ります。


(大通り沿いの道から、奥に入ります。)

ちょっと歩くと、床屋が出てくるので右折すると、
いよいよショールームです!


(レンガの壁が目印の床屋さん。ここを右折。)


(1Fのショールームは「FOSTEX」のロゴが目印!)
(画像元:https://twitter.com/xyz_250)


それでは、皆さまのご来場をお待ちしております!

【速報】第4回 オーディフィル試聴会 無事終了しました!

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先日、無事に「第4回 オーディフィル試聴会」を終えることができました。
ご来場の皆さま、誠にありがとうございました!



アニソンをご機嫌で鳴らす「AudiFill PR-83Sol」とカノン5D。


FE88-SolとYK88-Solの組み合わせは、情報量とバランスに秀でた貫禄のサウンド!



細かい感想は、後日書こうと思います。
それでは!

頂いたコメント 「PR-83Sol」 (第4回オーディフィル試聴会)

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今日は、第4回試聴会で鳴らした「PR-83Sol」について、
頂いたコメントを載せていこうと思います。



今回は、11名の方から掲載許可を頂くことができました。

「アニソン試聴会」ということもあり、普段聴きなれた音源での試聴ができたのではないでしょうか。また、同じ会場にいた他の方が、どう評価しているかも、気になるところかもしれませんね。


それでは、「PR-83Sol」の音について、頂いたコメントです。
「PR-83Sol」の製品詳細はこちら

以下、順不同。 具体的な曲名や比較対象などの一部の記述を削除しているコメントもございます。申し訳ありませんが、ご了承くださいませ。
アンケートに記入いただいた[オーディオ歴]と[(自身の好きなorよく聞く)音楽(ジャンル)]を、コメントに併記しました。
もし気が変わって「やっぱり掲載NG!」という方がいらっしゃいましたら、ご連絡下さいませ。


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「やわらかい印象。でも、しっかりといろいろな音が聞こえてきた。」
(くろめる様 [オーディオ歴] 2年 [音楽]アニソン)

「中高域がやさしく、美しく聞こえる。音量が大きくなると低音もしっかり聞こえるが、バスレフポート開口部の拡がり(面積)が大きいため何となくあいまいな印象をうける。」
(がくふぁ様 [オーディオ歴] 7年 [音楽]アニソン)

「昔からFE83系はボーカルに定評がありますが、83Solも女性ボーカルが良いですね。自分としては好みです。アニソンにベストマッチかも。」
(田畑耕作様 [オーディオ歴]40年 [音楽]JAZZ CLASSIC(小編成))

「8cmでこんな音が出せるのかと驚きました。完」
(MX様 [オーディオ歴] 1年 [音楽]ボーカロイド)

「ネットワークを介さない、自然でスピード感のある音。小さいユニットのためか、エッジが立っていてキレがよく、かつ冷たくなりすぎない。フワッと広がる音場が心地よく、今日ねれるわー。」
(すら様 [オーディオ歴] 8年 [音楽]洋ロック、アニソン)

「ボーカルの声の味わいが出る。アニソンののりがよい。聴きづかれがしない。感情がつたわってくる。」
(マロン様 [オーディオ歴]10年 [音楽]アニソン)

「明るくメリハリがある音。高音特性もよい。弦楽器の再現性が良い。ボーカルの定位が良い。フルオーケストラの音場感が良い。」
(たかおん様 [オーディオ歴] 30年 [音楽]ロック、アニメサントラ)

「とてもナチュラルな音でした。」
(T.S様 [オーディオ歴]40年 [音楽]クラシック)

「83Solという事もあり女性の声がきれいでした。あと、弦やコーラス等、響く音の反響音が良く響いていました。弦の音は楽器にかかわらず素晴らしいです。」
(雲様 [オーディオ歴]10年 [音楽]アニメ、古いゲーム)

「前回までの試聴会より、聴きなれたソースなので、音が分かりやすかった。ピーキになってしまうところを、やわらかく響かせてうまく鳴らしてしまう包容力がある。反面、全体的にやわらかいという感じもあるので、吸音材などの今後のチューニングに期待。」
(ヤスノリ様 [オーディオ歴]30年 [音楽]アニメ、ジャズ、女性ボーカル)

「あらゆる楽曲を無理なく、軽く鳴らしてくれる。朝起きて一番に聴きたくなるようなスピーカーであった。その音色は、まるで小鳥がさえずるような気持ちのよいものであった。」
(Z様 [オーディオ歴]8年 [音楽]アニメ、フュージョン、ジャズetc.)
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私もじっくり拝読させて頂きましたが、
どれも、凄く的確なコメントや、自分でも知らない良いところを見出して下さったコメントでして、大変感謝しております。 今後の開発の参考にさせて頂きます!

次回は、この「第4回オーディフィル試聴会」のセルフレビューです♪ 

「第4回オーディフィル試聴会」セルフレポート

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今日は、「第4回オーディフィル試聴会」セルフレポートを書こうと思います。

(写真は再掲載です・・・)


そもそもの始まりは、FE88-Solが発表された頃(2017年1月)に、
「アニソンをメインとした試聴会ができないか?」と考え始めたことかもしれません。


アニソンといっても、本当に幅広くありまして、
今回の試聴会のメインソースとなった「オープニング、エンディング曲」はもちろんのこと、
歌手がソロで発表する曲、ゲームの曲、各種サントラ、さらには(ジャズやクラシックを基調とした)アレンジ曲など、多岐に渡ります。

さらに言えば、聴くアニソン(知っているアニソン)も、
各個人ごとに大きく違うと思うのです。

私自身でいえば、平野綾さんや丹下桜さんの楽曲なども好きですが、
昭和のロボットアニメの曲などは、残念ながら殆ど知りません。。。


では、「今、アニソン試聴会として、どういう選曲をするか?」と考えたとき、
まずは、「最近のTVアニメのオープニングとエンディング、その中でも声優さんの歌う曲を中心に選ぼう」という選択に至りました。

これは「たとえ、作品を知らなくても、声優さんを知っていれば楽しんで頂けるのでは?」といった推測も含めての決断でした。作品が横軸だとしれば、歌い手は縦軸になるのではと考えています。

もちろん、私の大好きな高音質サントラを鳴らす場も、いつか設けたいと思っています!
さらには、昭和の激アツなアニソンや、ボーカロイドなどもやってみたいですが、その時は選曲やコメンテーターとしてご協力頂ける方が必要ですね(!?)

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さて、話を機材に戻しましょう。
「フルレンジ×アニソン」というのは、webページに書いた狙いに基づくものです。

こうして話しているように、
今回の試聴会は、「高音質なアニソンを選別して鳴らすぞ!」というものではありませんでした。どちらかというと、私的な思い入れのある作品の楽曲を鳴らしていた(だけ)なのです。


試聴機:オーディフィル「PR-83Sol」の詳細はこちら。



しかし、(狙い通りに!?)最新型フルレンジユニット「FE83-Sol」「FE88-Sol」を搭載した両モデルは、見事にアニソンを鳴らしてくれました。

駆動系はバリバリのセパレートアンプなので、上流で音を柔らかくして誤魔化していた…なんてこともないはずです。
もちろん、両モデルは違う個性のあるスピーカーであるのは確かですが、それぞれの鳴りっぷりは正直想像以上でしたね。
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せっかくなので、鳴らした楽曲を記載しておきます。誤記があるかもしれませんが、ご容赦ください。(各種申請は済んでいるので、安心して掲載できます。)

「STARTIG NOW!」(水樹奈々)
「青空Jumping Heart」(Aqours)
「Ring Ring Rainbow!!」(ゆいかおり)
「恋する図形(cubic futurismo)」(上坂すみれ)
「Million Clouds_01_Million Clouds」(坂本真綾)
「Exterminate」(水樹奈々)
「ルンがピカッと光ったら」(フレイアΔ鈴木みのり)
「Wishing」(レム(CV.水瀬いのり))
「ユメ語るよりユメ歌おう[第4話エンディング主題歌(TVサイズ)]」(
国木田花丸(CV-高槻かなこ)、黒澤ルビィ(CV-降幡 愛))
「High Free Spirits」(TrySail)
「Non stop road」(スフィア)
「吹雪」(西沢幸奏)
「ありがとう、だいすき」(茅原実里)
「FLIP FLAP FLIP FLAP」(TO-MAS feat.Chima)
「ヴィヴァーチェ!」(北宇治カルテット)
「神様のいたずら -うたとぴあの-(Various Artists)」(中島愛)
「きっとワンダフォー!(澄原サトカ(日高里奈)&菜森まな(小倉唯))」

と、こんな感じでした。
試聴会で気になった楽曲を、後で自分のシステムで聴いてみるのも試聴会の楽しみですよね!
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さて、試聴会のコメントでは、何度か言いましたが
「アニソンを良いオーディオで、気持ちよく鳴らすのを諦めないでほしい」というのが、今回の試聴会で一番に伝えたいことでした。

アニソンは「録音が…」「歌唱力が…」という話も耳にしますが、
(今回の再生システムに限らず)自分なりに工夫と選択を重ねれば、ここまで鳴るんだよ!というのを聴いて頂きたかったのです。

もちろん、今回や今後の試聴会活動が、Fostex製品やオーディフィル製品の購入につながれば会場と私共々嬉しいことですが、
まずは「オーディオで好きな音楽を、こんなに楽しく聴けるんだ」という体験をした方が一人でも増えることを心から願い、これからも試聴会を開催していこうと思います。

オーディフィル 1周年!

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皆さん、こんにちは。
今日は、オーディフィル1周年の日です!!


このブログで、立ち上げの宣言をしたのが2016年の4月でした。

まだまだ製品の概要も決まっていなく、
様々なところに出向いて、「何ができるか」「何が求められているか」を検討する日々が続いていました。


それから一年。
様々な発表の機会を経て、「桧スピーカー専門」としての歩みを始めたところです。

とくに、試聴会で皆さまの反響やご意見を聴けたことは、
本当に有意義だったと思っています。

ここでは、この1年の試聴会を振り返ってみようと思います。


2016.08.06 第1回オーディフィル試聴会

この時発表した「フィルキット(旧:改キット)」シリーズは、諸々の都合で販売休止中です。
いつか、自作派の方に向けた製品として復活させたいですね。


2016.10.01 第2回オーディフィル試聴会




ここで「PR-83Sol」の試作版を発表。大変好評を頂き、一番に生産を整えることになりました。

最上級モデルの「RF-1000」は、しっかりとラインナップの中に組み込んでいく予定です。ただ、(現状の環境では)重すぎて試聴に持ち出せないという大問題があるので、時間はかかりそうなモデルです。

共鳴管を使ったBASICシリーズ「BX-200」は、今、基礎設計から磨きなおし中です。 値段やコンセプトに変わりはないのですが、(今年の秋には!?)ぐっと魅力的なモデルとなったBASICシリーズを発表できるよう動いています。


2017.01.30 第3回オーディフィル試聴会


こちらでは、「PR-10」の試作機を発表しました。
コンパクトな桧無垢材スピーカーの代表となるモデルで、私自身、台所でのリスニングに重宝しているモデルです。
試聴会の感想を元に音質の微調整はしましたが、基礎設計はそのままで生産へ移すことになりました。


2017.03.11 第4回オーディフィル試聴会


こちらでは、最終仕様となった「PR-83Sol」をお披露目することができました。
初のアニソンオンリー試聴会でしたが、これからも定期的に開催していきたいですね!

(過去の試聴会情報は、webページの「イベント」タブから、ご覧いただけます)


まだまだ始まったばかりのオーディフィルですが、
これからも、ぜひ宜しくお願いします!

45°カット

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皆さん、こんにちは。
だいぶ暖かくなってきて、何をするにも快適な頃になりましたね!

さて、今日はオーディフィルのスピーカーの特徴について、
ちょっとお話しをしようと思います。

オーディフィルといえば、「桧」ですが、
その外観上の特徴として「45°カット」があります。


(写真は、オーディフィル「PR-83Sol」)

「45°カット」とは、フロントバッフルの両端、上下を、
45°で切り落としている形状のことですね。

この形状は、他のスピーカーでも多く採用されているものですが、
これには、しっかりとした理由があるのです。


そこで見て頂きたいのが、このグラフ。

「スピーカー&エンクロージュア百科」に掲載されている図を転載(一部加筆)したものですが、
45°カットをすると、明らかに特性が向上するのが分かります。

こういうデータは、「ユニットの指向性」「カットの寸法」「周囲の反射音」など、様々なファクターで変化してしまうので、鵜吞みにするのも良くないのですが、
少なくとも、一つの好ましい例であるのは間違いないと考えています。


これをトライした当初は、「手鋸」でゴリゴリ削っていたので、
あまり工作精度も高くありませんでした。
 
「S-044」(2014~2015年頃)

これでも、明らかに改善効果を感じることができ、
特にフルレンジで気になっていた「高域のキツさ」を和らげる効果は大きなものがありました。


未塗装の自作スピーカーであれば、完成後でもトライできる改善方法なので、
ぜひとも実験してみて頂きたいですね。

手鋸だと、汗だくになりますが、その甲斐はあると思いますよ!

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キューブ型のオーディフィル「PR-10」。 どことなく「S-044」の面影があるような?
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今回は、技術の一つとして「45°カット」を紹介しましたが、
もちろん『「45°カット」を行っていないスピーカーが悪い』というつもりは一切ありません。

スピーカーの形状は、音を決める多様な要素の「ほんの一つ」に過ぎません。
スピーカー設計では、無数にある各要素の良い点・悪い点を考慮したうえで、それぞれ取捨選択をしているのだと思います。

例えば、「45°カット」は、必ず加工の手間が増えます。
その手間の部分(コスト増)を避け、別のパーツのクオリティアップに回す・・・というのも一つの選択でしょう。 

こんな風に、スピーカーの資料を見て各設計者の意図を考えてみると、(それが当たっていようが、いまいが)なかなか楽しめると思いますよ!


今後も、機会があればスピーカーの技術ポイントを紹介していこうと思います♪

集まれ塩ビ管スピーカー・関東オフ会2017 「S-063 PR-10 塩ビEdition」

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いよいよ、「集まれ塩ビ管スピーカー・関東オフ会2017」が来週になりましたね。

・日時:2017年4月29日(土・祝) 10:00頃開始(9:30開場)16:00頃終了予定。
・会場:横浜ラポール 3階ラポール座(視聴覚室)
・交通:新横浜駅 徒歩10分
・会費:無料(塩ビ工業・環境協会協賛)

http://www.enbisp.com/modules/news/index.php?page=article&storyid=94


私も、発表を予定していまして、
「S-063 PR-10 塩ビEdition」を持参します♪



これは、AudiFillのスピーカー「PR-10」をベースとした作品です。
ダクトを塩ビ管に変えたので、これはこれで存在感が出ていますw




ベースとなった「PR-10」は、
設計上バスレフダクトがφ12mm×2と、かなり小さめです。

振動板面積と比較して、10%ほどのダクト断面積となりますね。



本体サイズや、設計意図から適正値を出したのですが、
一方で、「突き抜けたモノ」も聴いてみたいものです。

そこで、この塩ビ管の機会に作ってみることにしました。


「S-063 PR-10 塩ビEdition」では、8cmフルレンジ(振動板面積28cm^2)に対して、50%程度と、やや大きめのダクトを用意します。
具体的には、内径43mm(面積13cm^2)の塩ビ管を使うこととしました。


ご存知の通り、
ダクトの共振周波数は、ダクトの長さで決められます。

上手く調整すると、断面積の大きく違うダクトでも、
同じような共振周波数とすることができます。

こんな感じ。(ディップの部分が、共振周波数)



ちょうどピッタリに持ってくることができました。

そして、外見はこのとおり。




こんなノリで作った作品ですが、
ぜひ聴いてもらえると嬉しいです。

それでは、塩ビ管オフ会でお会いしましょう!

塩ビ管スピーカーオフ会に向けて ~その2~

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来週の塩ビ管オフ会に向けて、調整中の「PR-10 塩ビEdition」ですが、
私自身、ちょっと驚いた出来事があったので、日記に書いておきます。



前回の日記にあるように、このダクトの長さは、「PR-10」のダクト共振周波数に合うように決定しました。

前回測定時は、「PR-10」のダクトを両方使用した状態でマッチする共振周波数でした。

(背面に2本のダクト(穴)があるPR-10。)



こんな感じに、インピーダンスの谷もピッタリ一致していたので、
これでOK。と思ったのです。

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それから、「吸音材の調整」をしましたが、
私自身、聴感特性以外が大きく変化するとは、余り思っていませんでした。
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そして、今日。
周波数特性を測っていたら、妙な違和感がありました。

「なんか、共振周波数がズレた気がする・・・」


まあ、周波数特性がズレるのは、簡易評価なのでよくあることです。
懸念を払拭するために、インピーダンスをとってみたのですが・・・




やっぱり、変わっている・・・・
ナンテコッタ。
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とまあ、こんな感じなのですが、
これは超小型のPR-10ならではの現象かもしれません。

PR-10の内容積は、1.5Lと超小型。
(ダクト共振周波数から逆算したエンクロージュア容量は1.4L程度です)

この小さな容量のなかで、吸音材を調整すると、
少なからずダクト動作も影響を受けるようです。

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結果として、「PR-10 塩ビEdition」は「PR-10(ダクト片側塞ぎver)」と、
インピーダンス&周波数特性で同等な特性となりました。


「PR-10 塩ビEdition」(軸上1m)


「PR-10(ダクト片側塞ぎver)」(軸上1m)


低域までだら下がり特性なので、
部屋の隅に置いて本領発揮するタイプですね。


オフ会では、比較試聴を予定していますので、お楽しみに。

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時間があれば、この小ネタも披露できるかな?

集まれ塩ビ管スピーカー・関東オフ会2017に参加しました。

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今年も、「集まれ塩ビ管スピーカー 関東オフ会」に参加してきました!



様々なスピーカーが集まるオフ会とあって、
今年も大盛況でした。

<「集まれ塩ビ管スピーカー・関東オフ会2017」>
http://www.enbisp.com/modules/xpwiki/158.html#v1b83404


さて、私が持参したのは「PR-10 塩ビEdition」。



ダクトの大型化や、桧材の豊かな響きで、
広い会場でも元気に鳴ってくれました。

とはいっても、エンクロージュア内容量が1.4Lしかない超小型システムなので、
序盤は大音量すぎて歪みっぽかったかもしれません(汗

さて、後半は「10円玉」を使った実験。
エンクロージュアに重量を加えつつ、響きを殺さないことで音質向上できるアイテムです。

鉄板を発注していたのですが、当日には間に合いそうもなく、
急遽、10円玉を使うことになりました。
(2週間かけて頑張って集めましたw)


(撮影 たてちゅうさん)



効果としては、狙い通り(というか試行錯誤の末の構造なのですが)
桧由来の「ノリの良さ」を保ちつつ、かつ切れ味や重心の安定感が出てきたように感じました。


そんな試聴の様子を、たてちゅうさんと、なーおさんが、
動画にしてくださいました!
毎年、ありがとうございます!!

<たてちゅうさん、ZOOMQ3での動画・録音>
カノン5Dさん 集まれ塩ビ管SP関東オフ会2017


<なーおさん、オリジナル録音システムでの録音>
集まれ!塩ビ管スピーカー 2017関東オフ会:10:Kanon5Dさん



今後も、「音展(OTOTEN)」や「PARCサウンド鑑賞会」など、
イベントが続きますね!

イベント関係に遊びに行っているときは、Twitter「@audifill」でリアルタイム(?)レポートしていますので、ぜひ覗いてみてください♪
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