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MarkAudioの「Alpair10 MAOP」

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Fostexに続き、今度はMarkAudioの新型ユニット「Alpair10 MAOP」の紹介です。

MarkAudioは聞き馴染みの少ないメーカーかもしれませんが、
イギリス人のMark Fenlon氏が、中国の広東省で起業したことを始まりとするメーカーです。
http://www.markaudio.com/

マグネシウム合金振動板のフルレンジユニットを得意としており、
9cm〜17cm口径をラインナップしています。


(写真はAlpair10 v2)

今回は、13cm口径の「Alpair10 v2」の限定モデル、
「Alpair10 MAOP」です。
http://blog.fidelitatem-sound.com/?p=474




通常のAlpair10が、ペア18,900円なのに対し、
新登場のAlpair10 MAOPは、ペア59,000円。


お値段も一気に三倍近く跳ね上がった、この限定verなのですが、
違いは振動板の表面処理のようです。
http://blog.fidelitatem-sound.com/?p=383

通常は、この振動板表面を陽極酸化処理とするのですが、
今回の限定verは、アルカリ電解槽を用いた高電圧・長時間の処理を経て製作されるとか。

この工程により、振動板表面に非常に細かい気泡を含んだ酸化結晶層(20μm×3?)が形成されます。
そんな事から、この工程を「Micro-Arc Oxidation Process (MAOP)」と呼んでいるのだとか。


この酸化結晶層は、軽量・柔軟でありながら、
不要振動を効果的に抑制できるそうです。



この工程のお陰(?)で、量産は非常に困難なようで、
今回の商品は、世界で100ペアという極少数なのです!

試聴することも難しそうですが、
昨年の真空管フェアで試作品を試聴できた機会があったそうです。


気になるTSパラメータは、以下のとおり。
http://blog.fidelitatem-sound.com/?p=474

<↓読みやすいよう、小数点以下など適宜変更しました>
定格抵抗 = 7.2Ω
fo = 36.9 Hz
Sd = 90 cm2
Mms= 7.9 g
Qts = 0.40
能率 = 86.5 dB
対入力 = 35 W (nom. 70)

これらの値は、量産品の「Alpair10 v2」と一致しています。
振動板の表面処理は、中高域の質感の違いに現れていると想像できます。


ちなみに、我らがFostexのFF125WKは

fo = 67 Hz
Sd = 66.5 cm2
Mms= 5.0 g
Qts = 0.42
能率 = 89 dB
対入力 = 50W


まあ、違うメーカーのTSパラメータを比較するのも酷な話なのですが、
「Alpair10 MAOP」はf0の低さが目立ちますね。密閉型やバスレフ型でも十分な低音が期待できそうです。

有効重量としては大差なく、実質的にはダンパーが非常に柔らかく、
磁気回路を弱めにすることでバランスをとっているのでしょう。

ちなみに、カーボンブラックで着色した色違いモデルもあるので、
(音は同じなので)デザイン的な好みで選べるそうです。


数量限定なのが惜しまれますが、
新型振動板は、ぜひ聴いてみたい逸品ですね。

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