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W-toneのユニットを FOSTEX FE103M から FE168EΣへ

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今度は、「Fostex FE103M」を「FOSTEX FE168EΣ」へ変えてみました。
10cmでは駆動しきれなかった共鳴管を、強力にドライブすることを狙います。

FE103M搭載時



ユニットを外します。本体の横幅は175mmなので、なんとか16cmフルレンジを入れる穴を開けることができました。



FE168EΣを入れて完成!



ユニット上方に貼ってある松集成材は、最初にALPINE DLS-108Xが入っていた穴を塞ぐ為のものです。

さすが高級ユニットだけあって貫禄があります。
独特な形状のHPコーンもイイ感じです。






早速、周波数特性の測定です。聴感上好ましかった吸音材ゼロの状態です。

軸上1m



ユニット直前



管開口部




軸上1mの周波数特性を見ると、500Hz以下では余りFE103M (10cmフルレンジ)と差が見られません。

150Hzを境にズルズルと音圧が降下し、50Hz付近では-10dB程度に低下しているところも類似しています。FE168EΣのほうが3dBぐらい低音音圧が高いように見えますが、誤差の範囲でしょう。

口径を大きくすれば駆動力やf0といった点から低音再生が有利になると考えられますが、共鳴管ではユニットは「共鳴の制動」としての役割も併せ持っており、後者が強く出た場合は低音量感の低下が起こる可能性は十分にあります。
特に、FOSTEXのFEシリーズのような軽量コーンでは、管共鳴の制動が強く、共鳴管よりバックロードホーン(これは非共鳴系)に向いているのでしょう。

高域特性は、FE168EΣ特有の凸凹が目立っています。8kHzのピークはカタログ通りですが、カタログにある15kHzのピークは測定限界以上だったようで確認できませんでした。

聴感では大きな違いが確認できました。
ややFE103Mでは緩めだった低音も、16cm口径のFE168EΣであれば しっかりと骨格をもった音として表現されます。やはり共鳴管を上手く制動できているのだと思います。
管の断面積が175cm2なので、FE103Mでは振動板の3.5倍だったのに対し、FE168EΣでは1.5倍だったのは大きな違いだといえます。

帯域バランス、最低域の伸びとしては余り変化ないようです。

一方で、全域の質感や情報量ではFE168EΣが圧倒的です。さすが高級ユニットですね。一方で、ボーカル帯域以上で周波数特性の凹凸に起因すると思われる違和感を感じましたが、使いこなしで調整できる範囲だと思います。あくまでも16cm口径なので、その辺まで完璧を望むのは酷なのでしょう。

ちょっと面白かったのが、低音が意外とユニット本体から出ていることです。FE103Mの時は低音の大半が管開口部から放射されていたのに対し、FE168EΣでは半分程度がユニットから直に放射されているような感じでした。
よく言われるように、FE168EΣはバスレフ方式の箱とも上手くマッチするかもしれませんね。

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