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[S-072] サブウーハー試作5号機  (最終回)

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連載しているサブウーハーの試作記、今回は「試作5号機」の紹介です。


前回の試作4号機(※実際は4.5号機)で、かなり音質は良くなってきましたが、
エンクロージュア内部の定在波を消せずに苦労していました。

 
 (試作4号機)



そこで今回の5号機では、ユニットの装着位置を 箱の中央にして、
定在波を軽減すること狙います。 


※ユニット位置と定在波の関係は、前回の記事を参照




ウーハーの装着位置を変えた効果は非常に大きく、
測定でも、はっきりと違いを確認することができました。

こちらは、試作4号機の測定結果。


このグラフは、時間ごとに変化する周波数特性を記録したものです。
エンクロージュア内部の定在波(残響音)は、より手前側に描かれます。

200Hz~500Hzに、定在波由来のピークがあることが分かりますでしょうか。

この帯域の残響は、100Hzの倍音に相当し、低音の質感を大きく損ねてしまします。
また、「吸音材」ではなかなか消すことができないため、とても厄介な存在です。


そして、こちらが試作5号機の測定結果。


先ほどのような、定在波由来のピークが無いことが分かりますでしょうか。

聴感上でも非常に大きな効果があり、
極めて透明度が高く、ダイナミックな低音が得られたことを記しておきます。




そして、最後の微調整(?)として、
エンクロージュア容量を31Lから24Lに削減しました。

 
  ↑ 完成後に丸ノコで裁断。


バスレフ型スピーカーでは、エンクロージュアの容量がダクトの効きを左右する重要なファクターになっています。


参考:「講談社 新装版 世界でただひとつ自分だけの手作りスピーカーをつくる」

小さすぎる容量は、ダクトの効きが悪く、また背圧の影響をスピーカーユニットが大きく受けるために好ましくありません。

その一方で、大きすぎる容量は空気の弾性(上記の図のバネ部分)を著しく弱くしてしまい、ダクトからの放射音のダンピングが低下してしまいます。

リジッドで忠実な低音再生のためには、大きすぎず、小さすぎずの適切なエンクロージュア容量の設定が大切なのです。




奥行は、わずか24cm。
小型スピーカーと殆ど変わらないサイズ感で、充実の超低音再生を可能にするサブウーハーが完成しました!



サイン波を入力すれば、25Hzまでしっかりとしたレスポンスを聴かせてくれます。
しかし、それは本作の特徴の一つにすぎません。

現在、この試作5号機を2ヵ月近く聴いていますが、
全く不満のない性能で、ハイスピードな低音を満喫しています。

メインスピーカーにしっかり追従する、スピード感のある低音。
それだけに留まらず、質・量・伸び、その全てにおいてメインスピーカーを凌駕することが、本作の最大の魅力だと考えています。


サブウーハーは使いこなしが大切な製品でもあるので、
2021年6月の製品化の際には、丁寧な調整マニュアルを用意したいと思っています。


サブウーハー「SW-1」商品ページはこちら。





このサブウーハーを皆さまの環境に届けられることを、楽しみにしています!










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