連載しているサブウーハー試作、いよいよ試作4.5号機です。
前回の試作4号機では、スピーカーの振動板を3Dプリンターで製作しました。
今回の4.5号機(表題写真)では、作成したスピーカーユニットはそのままに、
箱をフィンランドバーチ材で作製し、グレードアップを狙います。
ウーハーの位置
今回のサブウーハーでは、床面からの反射音との位相差を減らすことを狙いとして
ウーハーの位置を「下」にしています。
パイオニアのトールボーイ型スピーカー「S−A7」でも使われていた技術で、以前から気になっていましたので、試作機の構造に取り入れてみました。
※ウーハーの下側配置については、後半に説明する箱内部の定在波の影響が大きく、
今回の試作検証ではイマイチな結果に終わりました。
箱の補強
エンクロージュアの剛性不足は、低域の解像度低下に直結するので、しっかりと作り込んでおきたいところです。
今回は、18mm厚のフィンランドバーチ板を使いましたが、内部にアルミ補強材を入れることでさらなる剛性向上を狙います。
この効果は一目瞭然で、200Hz付近にあった箱の共振ピークを解消することができました。
<補強なし>
<補強あり>
200Hzは、60~100Hzの倍音に相当するところであり、ここの共振が抑えられたことは低域の質感改善に大きく貢献したと思っています。
箱内部の定在波
こうして試作4.5号機を作製してみたのですが、聴いていると内部の定在波が気になってきました。
基本的には、140Hz以下のローカットフィルターが入るのですが、各部の完成度が高くなると中低域のモヤつきがどうしても気になってしまいます。
箱内部にマイクを入れて測定してみるとこんな感じの測定結果が得られました。
250~300Hzに大きな定在波が確認されます。本体高さが60cmなので、計算から縦方向の定在波だと分かりますね。
<定在波対策なし>
とりあえずの対策として、中央部に邪魔板を入れてみました。
しかし、これは余り効果ありません・・・
<邪魔板あり>
定番の定在波対策として、長さ36cmの音響管(片開口)を入れてみます。
250~300Hzのピークを多少削り取ることができましたが、200Hzに新たなピークが生まれてしまいました。
音響管が入ったことで、新しい定在波の発生個所ができたということでしょうか。一筋縄ではいかなそうですね。
ヤマハやパイオニアのスピーカーでは、音響管を積極的に使っての定在波対策をしていますが、あれはかなりのノウハウがあるものと思われます。
どうしようか、と頭を抱えていた矢先、
当たり前のことに気づきました。
スピーカーを箱の端に搭載することは、内部定在波の「節」に音源があることになります。
一般的なスピーカーのセッティングでも「部屋の隅にスピーカーを設置すること」が定在波を生むことは良く知られています。
基本に忠実に、スピーカーユニットの位置は、定在波の発生を避けられる「箱の中央(定在波の腹の位置)」とするべきでしょう。
そう考えると、ウーハーが下にある試作4.5号機の構造を、大きく見直す必要がありそうですね。。。(次回へ続く)
前回の試作4号機では、スピーカーの振動板を3Dプリンターで製作しました。
今回の4.5号機(表題写真)では、作成したスピーカーユニットはそのままに、
箱をフィンランドバーチ材で作製し、グレードアップを狙います。
ウーハーの位置
今回のサブウーハーでは、床面からの反射音との位相差を減らすことを狙いとして
ウーハーの位置を「下」にしています。
パイオニアのトールボーイ型スピーカー「S−A7」でも使われていた技術で、以前から気になっていましたので、試作機の構造に取り入れてみました。
※ウーハーの下側配置については、後半に説明する箱内部の定在波の影響が大きく、
今回の試作検証ではイマイチな結果に終わりました。
箱の補強
エンクロージュアの剛性不足は、低域の解像度低下に直結するので、しっかりと作り込んでおきたいところです。
今回は、18mm厚のフィンランドバーチ板を使いましたが、内部にアルミ補強材を入れることでさらなる剛性向上を狙います。
この効果は一目瞭然で、200Hz付近にあった箱の共振ピークを解消することができました。
<補強なし>
<補強あり>
200Hzは、60~100Hzの倍音に相当するところであり、ここの共振が抑えられたことは低域の質感改善に大きく貢献したと思っています。
箱内部の定在波
こうして試作4.5号機を作製してみたのですが、聴いていると内部の定在波が気になってきました。
基本的には、140Hz以下のローカットフィルターが入るのですが、各部の完成度が高くなると中低域のモヤつきがどうしても気になってしまいます。
箱内部にマイクを入れて測定してみるとこんな感じの測定結果が得られました。
250~300Hzに大きな定在波が確認されます。本体高さが60cmなので、計算から縦方向の定在波だと分かりますね。
<定在波対策なし>
とりあえずの対策として、中央部に邪魔板を入れてみました。
しかし、これは余り効果ありません・・・
<邪魔板あり>
定番の定在波対策として、長さ36cmの音響管(片開口)を入れてみます。
250~300Hzのピークを多少削り取ることができましたが、200Hzに新たなピークが生まれてしまいました。
音響管が入ったことで、新しい定在波の発生個所ができたということでしょうか。一筋縄ではいかなそうですね。
ヤマハやパイオニアのスピーカーでは、音響管を積極的に使っての定在波対策をしていますが、あれはかなりのノウハウがあるものと思われます。
どうしようか、と頭を抱えていた矢先、
当たり前のことに気づきました。
スピーカーを箱の端に搭載することは、内部定在波の「節」に音源があることになります。
一般的なスピーカーのセッティングでも「部屋の隅にスピーカーを設置すること」が定在波を生むことは良く知られています。
基本に忠実に、スピーカーユニットの位置は、定在波の発生を避けられる「箱の中央(定在波の腹の位置)」とするべきでしょう。
そう考えると、ウーハーが下にある試作4.5号機の構造を、大きく見直す必要がありそうですね。。。(次回へ続く)