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ひのきスピーカー日誌【0007回】

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皆さん、こんにちは!
少しづつ秋の空が近づいてきたかなぁ~と感じることがありますが、お住まいの地域ではどうでしょうか?

今日もひのきスピーカー日誌、書いていきます♪

(写真は、ひのきスピーカー「TOYONE」)


共振を管理する

スピーカー設計では「共振」について、常に考えながら進めていきます。
素材や構造に基づく共振は、聴感上のピークディップを生み出す要因になるため、しっかりと管理することが大切です。



私は、共振を「大きさ」「長さ」「周波数」の3つで考えています。

「大きさ」は、共振の強さと放射面積(影響度)。
「長さ」は、共振の時間的な長さ。
「周波数」は、文字通りで共振が起こる音域のこと。

「大きさ」と「長さ」は比例することが多いのですが、
例えば、トライアングルを小さく叩いた場合、大きさは【小さく】、長さは【長い】共振が得られます。

他にも、コンサートホールの壁面は、その面積から大きさは【大きい】ですが、長さは【短い】共振だと言えるでしょう。


大抵、共振についての議論をするときは、『制振材』を使う話が最初に出てきます。
確かに、「大きさ」と「長さ」を小さくすることには効果的ですが、「周波数」の分布は高域から削がれてしまい、音楽の脈動感が削がれる結果になることが往々にしてあります。

スピーカー設計は、バスレフ共振などの機構を考えるのはもちろんですが、こうした共振の在り方を考えながら設計することで、「心地よい音」を意識的に作り上げることができると考えています。

...まあ、言うは易く行うは難し、なんですが(笑)



刃を当てる

現在開発中のモデルでは、30mm厚の ひのき板を使っています。
今までの25mmから、さらに板厚を上げています。これも、上記の「共振を管理する」という考え方に基づいての選択です。



板厚を増していくと、ひのき材から「生命力」みたいなものを感じるんですよね。
圧倒的な存在感みたいなものでしょうか。

そうなってくると、「切る」というより、「刃を当てる」という感覚になってきます。
1カット1カットの緊張感が違います。

スピーカーとして仕上がるのはまだ先ですが、
どうぞお楽しみに!




8月も、残りあとわずかですね!
全国的に天気も良さそうなので、充実の休日になることを願ってます!








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