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[S-044] 開口部絞りの効果確認

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さて、前回の続きで、BHの開口部構造に対する考察です。
今回は、測定データを元に検討してみましょう。

搭載ユニットは、FE103Sol。
エンクロージュアの基本スペックはこんな感じです。
------S-044 基本スペック---------
空気室容量 2.7L
スロート断面積 45cm2
スロート絞り率 90%
ホーン広がり率 1.4
ホーン長さ 1.4m
ホーン開口面積 460cm2 (塞ぎver.→150cm2)
---------------------------------


それぞれの構造を、「解放ver.(緑線)」「塞ぎver.(赤線)」「絞りver.(青線)」とします。



では、まず軸上1mから。
<解放ver.>


<塞ぎver.>


<絞りver.>


注目は、300Hzと100Hzの音圧です。300Hzはホーン特有の付帯音に起因するところで、いわゆる低音感は100Hz付近から出てくるものです。
「解放ver.」は、他と比べて300Hzのピークが大きく、100Hzの音圧が小さいことが分かります。一方で、「塞ぎver.」は、300Hz付近のピークは不明瞭になり、付帯音防止効果を明確に確認することができました。
注目の「絞りver.」は、300Hzのピークは若干残りながらも確かに低減され、100Hz付近の音圧は十分に確保できています。ホーンの体積としては「解放ver.」より小さいながら、低音はむしろ増大しています。



お次は、ダクト直前の特性です。
<解放ver.>


<塞ぎver.>


<絞りver.>


こちらは、軸上1mほど大きな差は確認できません。
この辺は、解釈が必要なところだと思います。



ラストは、ユニット直前の特性です。
<解放ver.>


<塞ぎver.>


<絞りver.>


あれ、こちらも余り変化なしですね(汗)
S-044はホーン長が1.4mなので、340÷1.4÷4=60Hz。 80Hzと160Hzのディップは、若干高めに出ていますが、共鳴周波数に基づくものでしょう。



ラストはインピーダンス特性です。


この辺も、想定通りのところにディップが出てきますね。
設計上のホーン長は1.4mですが、実際の長さである「音響長」は1.1m(=80Hz)とみて間違えなさそうです。
ホーン開口部からの音圧は、基音(一次共振)を除いた倍音がピークとして出てきているようです。


さて、この「絞りver.」ですが、今までエクスポネンシャル曲線に限定して作製していたバックロードホーンに良い風穴をあけてくれそうです。
通常のエクスポネンシャルと比べて、「絞りver.」は低音の伸びや付帯音の低減が確認され、なおかつ容量も削減できる・・・ということで、今後さらなる確認をしてみたいですね。

次回は、新作S-047です!

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