ミューズの方舟主催「スピーカーコンテスト2014」の第五回です。
ラストは、私の「スワン・ザ・バスレフ」です。
せっかくなので、当日配布資料の抜粋と、
試聴曲を紹介しながら、説明してていこうと思います。
まず、カノン5Dの目指すサウンドとして、
以下の3つが挙げられます。
①アーティストの感情が感じられる音
②録音の優劣を問わず楽しめる音
③脈動感のある低音
①については、音楽再生の基本だと考えています。
やはり、芸術の基本は「感情」であるという想いが、
このスピーカー製作にもつながっています。
たとえ、某アイドルや某声優さんのように、
一級の歌唱力でない人であっても、
その「胸に秘めた想い」が歌を通して伝わってきてほしい、と私は願うのです。
そういった考えの延長として、
②の録音の優劣に寛容、という項目も出てくるのです。
パッケージが何であっても、
「聴きたい音楽が、楽しく聴ける」というのは、
オーディオの根幹であると考えています。
もし、「分解能」や「fレンジ」といったオーディオ的な評価項目と、
この「楽しく聴ける」という要素が、トレードオフの関係にあるのなら、
カノン5Dとしては迷わず後者を選ぶでしょう。
(経験上、適切なチューニングを重ねることで、両者の両立は可能だと考えています)
この辺は、「音のスピード感」を重視した長岡鉄男先生と、
ちょっと異なる主張かもしれませんね。
ラストの③「脈動感のある低音」は、
私が音響管型のスピーカーに拘る最大の理由です。
ちょっと言葉では説明しにくいのですが、
バックロードホーンを含む、音響管を用いたスピーカーは、
独特の低音ニュアンス(癖)があるのです。
好き嫌いが分かれる部分ではありますが、
私は、積極的に「音響管の癖」を利用していこうと思っています。
こうして③を実現することで、
音の存在感と、(①で述べた)感情表現が充実してゆき、、
さらに、低音の混濁が起こりやすい録音(②)であっても、
好ましい再生音になることが多いと感じています。
さて、前置きが長くなりましたが、
試聴曲の紹介をします。
試聴曲の1曲目は、
「スターウォーズエピソード1 オリジナルサウンドトラック」より、
「ドロイドの進撃~ダーズ・モールの登場」です。
前半のグランカッサの響きは、50Hz以下の再生音を探るのに最適です。
本作では、10cmの付録ユニットにバックロードバスレフ箱を組み合わることで、
ギリギリ出せた帯域ですね。
(クリックで拡大)
さらに、後半は金管楽器が雄大に鳴り響き、
ScanSpeakの魅力的な音色と相まって、鳴りっぷりの良さを確認できる楽曲となっています。
試聴曲の2曲目は、
「DENONクラッシックス リマスタリング&HQCDサンプラー」より、
「ヴィバルディ:調和の霊感Op.3」です。
室内楽のこの曲は、
帯域バランスのチェックに重宝しています。
たとえば、明るい音色のFOSTEXのFE系フルレンジでは、
「音の張り出し」と「ハイ上がり」を勘違いしてしまうことが多々あります。
そこで、この曲を使って、適切な帯域バランス(チェロの存在感があるか)を確認しているのです。
本作では、「シルク吸音材」の上品な響きを確認して頂くために、選曲しました。
(クリックで拡大)
試聴曲の3曲目は、
「MONALISA(神田めぐみ)」より、
「Fly Me To The Moon」です。
JAZZの選曲ですが、
試聴曲的には、トロンボーンの音色がポイントです。
膨らみすぎず、冷たすぎず、ちょうど良い感じで鳴れば良く、
さらに、(生音にある)空気が揺れる感じがあれば、ベストです。
この曲は、ドラムやウッドベースも極上の音で入っており、
コンテストでの選択としては、ちょっとズルイ曲でもありますw
試聴曲のラストは、
「camonile Best Audio(藤田恵美)」より、
「Desperado」です。
一時期、話題になったSACD盤で、
ド定番の女性ボーカルとして聴いていただきました。
ボーカルの抑揚は、再生装置の能力を問うもので、
嫌な響きを付けずに、伸びやかな声を再生するのは、難しいものです。
本作では、「桧アンカー」を搭載し、
中域の質感向上を実現しています。
(クリックで拡大)
そんなカノン5Dの発表も、無事に終了!
投票の結果・・・
音質票:25票
アイディア票:4票
ルックス票:1票
を頂くことができました。
投票してくださった皆さん、
ありがとうございます。
結果として、「音質賞」を頂くことができましたが、
このブログで紹介してきたように、どのスピーカーも魅力溢れる作品でした。
この賞を励みに、
今後も皆さんとスピーカー作りを続けていきたいと思います!
今年も既に年の瀬ですが、
2015年もカノン5Dを宜しくお願いします。
-2014年自作スピーカーコンテスト(終)-
ラストは、私の「スワン・ザ・バスレフ」です。
せっかくなので、当日配布資料の抜粋と、
試聴曲を紹介しながら、説明してていこうと思います。
まず、カノン5Dの目指すサウンドとして、
以下の3つが挙げられます。
①アーティストの感情が感じられる音
②録音の優劣を問わず楽しめる音
③脈動感のある低音
①については、音楽再生の基本だと考えています。
やはり、芸術の基本は「感情」であるという想いが、
このスピーカー製作にもつながっています。
たとえ、某アイドルや某声優さんのように、
一級の歌唱力でない人であっても、
その「胸に秘めた想い」が歌を通して伝わってきてほしい、と私は願うのです。
そういった考えの延長として、
②の録音の優劣に寛容、という項目も出てくるのです。
パッケージが何であっても、
「聴きたい音楽が、楽しく聴ける」というのは、
オーディオの根幹であると考えています。
もし、「分解能」や「fレンジ」といったオーディオ的な評価項目と、
この「楽しく聴ける」という要素が、トレードオフの関係にあるのなら、
カノン5Dとしては迷わず後者を選ぶでしょう。
(経験上、適切なチューニングを重ねることで、両者の両立は可能だと考えています)
この辺は、「音のスピード感」を重視した長岡鉄男先生と、
ちょっと異なる主張かもしれませんね。
ラストの③「脈動感のある低音」は、
私が音響管型のスピーカーに拘る最大の理由です。
ちょっと言葉では説明しにくいのですが、
バックロードホーンを含む、音響管を用いたスピーカーは、
独特の低音ニュアンス(癖)があるのです。
好き嫌いが分かれる部分ではありますが、
私は、積極的に「音響管の癖」を利用していこうと思っています。
こうして③を実現することで、
音の存在感と、(①で述べた)感情表現が充実してゆき、、
さらに、低音の混濁が起こりやすい録音(②)であっても、
好ましい再生音になることが多いと感じています。
さて、前置きが長くなりましたが、
試聴曲の紹介をします。
試聴曲の1曲目は、
「スターウォーズエピソード1 オリジナルサウンドトラック」より、
「ドロイドの進撃~ダーズ・モールの登場」です。
前半のグランカッサの響きは、50Hz以下の再生音を探るのに最適です。
本作では、10cmの付録ユニットにバックロードバスレフ箱を組み合わることで、
ギリギリ出せた帯域ですね。
(クリックで拡大)
さらに、後半は金管楽器が雄大に鳴り響き、
ScanSpeakの魅力的な音色と相まって、鳴りっぷりの良さを確認できる楽曲となっています。
試聴曲の2曲目は、
「DENONクラッシックス リマスタリング&HQCDサンプラー」より、
「ヴィバルディ:調和の霊感Op.3」です。
室内楽のこの曲は、
帯域バランスのチェックに重宝しています。
たとえば、明るい音色のFOSTEXのFE系フルレンジでは、
「音の張り出し」と「ハイ上がり」を勘違いしてしまうことが多々あります。
そこで、この曲を使って、適切な帯域バランス(チェロの存在感があるか)を確認しているのです。
本作では、「シルク吸音材」の上品な響きを確認して頂くために、選曲しました。
(クリックで拡大)
試聴曲の3曲目は、
「MONALISA(神田めぐみ)」より、
「Fly Me To The Moon」です。
JAZZの選曲ですが、
試聴曲的には、トロンボーンの音色がポイントです。
膨らみすぎず、冷たすぎず、ちょうど良い感じで鳴れば良く、
さらに、(生音にある)空気が揺れる感じがあれば、ベストです。
この曲は、ドラムやウッドベースも極上の音で入っており、
コンテストでの選択としては、ちょっとズルイ曲でもありますw
試聴曲のラストは、
「camonile Best Audio(藤田恵美)」より、
「Desperado」です。
一時期、話題になったSACD盤で、
ド定番の女性ボーカルとして聴いていただきました。
ボーカルの抑揚は、再生装置の能力を問うもので、
嫌な響きを付けずに、伸びやかな声を再生するのは、難しいものです。
本作では、「桧アンカー」を搭載し、
中域の質感向上を実現しています。
(クリックで拡大)
そんなカノン5Dの発表も、無事に終了!
投票の結果・・・
音質票:25票
アイディア票:4票
ルックス票:1票
を頂くことができました。
投票してくださった皆さん、
ありがとうございます。
結果として、「音質賞」を頂くことができましたが、
このブログで紹介してきたように、どのスピーカーも魅力溢れる作品でした。
この賞を励みに、
今後も皆さんとスピーカー作りを続けていきたいと思います!
今年も既に年の瀬ですが、
2015年もカノン5Dを宜しくお願いします。
-2014年自作スピーカーコンテスト(終)-