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<S-039> ユニット交換後の特性

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今回は、S-039の測定結果から、共鳴管の動作とユニット変更の効果を見てみようと思います。

まずは、インピーダンス特性から。
インピーダンス特性は、スピーカーの動作を知る上での重要な指標となるので、ぜひとも測定しておきたいですね。

まずは、DCU-F101Wから。


このユニットは、f0が80Hz程度(実測)と8cmフルレンジとしては驚異的に低いのが特徴です。

このユニットを共鳴管に入れると、30Hz〜200Hzの幅広い範囲に凹凸のあるインピーダンス特性となりました。
共鳴周波数に相当するのは、インピーダンスの凹に相当する部分で、50Hz,100Hz,160Hzが共鳴していることが分かります。

次に、DCU-F102W。


こちらは、f0が140Hzと8cmフルレンジとしは一般的な特性となっています。ユニット単体で測定した際の、インピーダンスピークも高く、強力な磁気回路であることがデータにも表れています。

共鳴管に入れた場合、先ほどのDCU-F101Wより凹凸が見えにくい印象です。箱の構造、吸音材量はほぼ一緒のはずなので、ユニットの特性による違いなのだと思います。

インピーダンスの谷(共鳴周波数)は、60Hz,120Hz,160Hz,190Hz,250Hz付近に表れています。
この共鳴管の理論上の基本共鳴周波数は40Hzで、本来であれば3倍振動(120Hz)、5倍振動(200Hz)、7倍振動(280Hz)となるはずです。実際の測定値は理論どおりとはいきませんでしたが、管の広がり方や、管の折り曲げ、ユニットの特性などで変化したと考えています。


周波数特性は、DCU-F102Wを使用した場合を見ていこうと思います。
(DUC-F101Wを搭載した時の特性は、こちらの日記

ユニット近傍特性。


音響管型の箱が似合いそうな、ハイ上がりな特性ですね。DCU-F102Wの設計コンセプトが良く出ている特性だと思います。

共鳴管 開口部の特性。


この特性を見ると、50Hz〜800Hzの広い範囲の音が、開口部から出ていることが分かります。
共鳴管というと、基本共振周波数や3倍振動しか、共鳴音として出てこないと思いがちですが、実際はこれだけ幅広い音が管開口部からでているものなのです。

細かく凹凸を見ていくと、先ほどのインピーダンス特性で「谷」が表れていた周波数(60Hz,120Hz,160Hz,190Hz,250Hz付近)に、それぞれ共鳴による音圧増大が確認できます。300Hz以上の細かい凹凸は、共鳴管内部での細かな共鳴で出てきたものでしょう。
共鳴管やバックロードのような音響管型のスピーカーは、様々な付帯音が管開口部から出てきます。吸音材を管内部に仕込むなどで、これらを軽減することができますが、音響管方式の魅力的な音も同時に削がれてしまうことが多々あります。この辺のさじ加減で音を作り出していくのが、音響管方式の魅力だと思っています。


ラストは、軸上1mの特性です。


私の部屋は低音が出にくい特性なので、この位でまあまあフラットな特性になっていると考えてよいでしょう。

一見、10kHz付近のレベルが高く、ハイ上がりかと思われますが、フルレンジスピーカーは指向性が狭く、部屋の反響なども考えるとこの位が丁度良かったりするのです。
どちらかというと、300Hz付近の盛り上がりが問題で、好みによっては吸音材を増量して、もう少しスッキリとした音を狙っても良いかもしれません。

低音域の特性は、スピーカーの設置場所によっても±5dBぐらいコロコロ変わってしまうので、深追いはしないことにします。低音量感不足が懸念される共鳴管型でしたが、DCU-F102Wとの組み合わせでは聴感上問題ない低音量感が得られました。


以上が、S-039とDCU-F102Wとの組み合わせの測定結果になります。
やはり測定をしてみて分かることは多く、今後の参考にしていきたいと思います。

次回は、2013年12月8日に予定している「ミューズの方舟 自作スピーカーコンテスト2013」の様子でも紹介しようと思います♪

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