ミューズの方舟コンテスト出場作「W-tone」は、
「小澤式」の共鳴管になっています。
ここで「小澤式」と言っているのは、
「無線と実験」誌のライターである小澤隆久氏が考案した共鳴管方式のことで、
長岡式とは異なり、吸音材を多く用いることが特徴です。
「無線と実験」誌の2011年3月号を参考にすると、次のような要件があるようです。
[1]管の長さ
管の長さは、メーカー発表の周波数特性を元に決める。音圧が-10dB程度になる周波数が管共鳴の基音となるようにする。
[2]共振のコントロール
管の閉端側から1/2〜1/3程度のところに吸音材を充填する。
つまり、開口部付近には吸音材を設置せずに、ユニットに近い側(全体の1/3〜1/2程度の体積)を重点的に吸音する。実際は、ユニットの周囲(半径10cm以内)には吸音材を設置せず、ユニット周囲に空間を作る。
[3]開口の位置
ユニットと開口部は、離れた位置とする。
これにより、干渉によるディップが減少する。
そこで、今回の「W-tone」では次のように吸音材を配置しました。
吸音材の有無は、ダクト開口部の周波数特性を見ると明らかです。
[吸音材なし]
[吸音材あり]
吸音材を入れると、共鳴音のピークディップが減少し(厳密にはピークが潰されている)、スムーズな特性になっていることが分かります。
これは聴感と一致する変化です。
吸音材の量で、低音の量感を大きくコントロールできるので、
(吸音材の増減が可能であれば)箱の完成後であっても音のバランスを取るのは容易です。
この手法は、吸音材を大量に使うので、概して音が大人しくなりがちです。
ハリのある音がチャームポイントのFOSTEX系フルレンジより、
バスレフ型でも十分な低音がだせるウーハーやQ0の大きいフルレンジユニットに向いていると思います。
W-toneでは、金魚用の「ろ過フィルター」を使いましたが、安価であり、かつ固有な癖が少なく使いやすい吸音材だと思いました。ホームセンターに行けば必ず置いてあるのも有難いですね。
「あれ?W-toneの構造で、吸音材の出し入れって出来るの?」
と思った方、鋭いです。
実は「W-tone」は、吸音材を出し入れできる機構を備えているのです。
続きは次回。
「小澤式」の共鳴管になっています。
ここで「小澤式」と言っているのは、
「無線と実験」誌のライターである小澤隆久氏が考案した共鳴管方式のことで、
長岡式とは異なり、吸音材を多く用いることが特徴です。
「無線と実験」誌の2011年3月号を参考にすると、次のような要件があるようです。
[1]管の長さ
管の長さは、メーカー発表の周波数特性を元に決める。音圧が-10dB程度になる周波数が管共鳴の基音となるようにする。
[2]共振のコントロール
管の閉端側から1/2〜1/3程度のところに吸音材を充填する。
つまり、開口部付近には吸音材を設置せずに、ユニットに近い側(全体の1/3〜1/2程度の体積)を重点的に吸音する。実際は、ユニットの周囲(半径10cm以内)には吸音材を設置せず、ユニット周囲に空間を作る。
[3]開口の位置
ユニットと開口部は、離れた位置とする。
これにより、干渉によるディップが減少する。
そこで、今回の「W-tone」では次のように吸音材を配置しました。
吸音材の有無は、ダクト開口部の周波数特性を見ると明らかです。
[吸音材なし]
[吸音材あり]
吸音材を入れると、共鳴音のピークディップが減少し(厳密にはピークが潰されている)、スムーズな特性になっていることが分かります。
これは聴感と一致する変化です。
吸音材の量で、低音の量感を大きくコントロールできるので、
(吸音材の増減が可能であれば)箱の完成後であっても音のバランスを取るのは容易です。
この手法は、吸音材を大量に使うので、概して音が大人しくなりがちです。
ハリのある音がチャームポイントのFOSTEX系フルレンジより、
バスレフ型でも十分な低音がだせるウーハーやQ0の大きいフルレンジユニットに向いていると思います。
W-toneでは、金魚用の「ろ過フィルター」を使いましたが、安価であり、かつ固有な癖が少なく使いやすい吸音材だと思いました。ホームセンターに行けば必ず置いてあるのも有難いですね。
「あれ?W-toneの構造で、吸音材の出し入れって出来るの?」
と思った方、鋭いです。
実は「W-tone」は、吸音材を出し入れできる機構を備えているのです。
続きは次回。