自作スピーカーコンテストも、後半戦。
今回音質賞を受賞された、塩沢さんの「FX120 ZWBR」です。
外見はオーソドックスすぎる作品なのですが、
中身はダブルバスレフ。
しかも、ZWBR方式と命名された構造で、
本体内部の仕切り板が大きく斜めになっているのが特徴です。
実際に聴いてみても、その構造による恩恵が大きいと感じました。
ダブルバスレフらしい超低音の伸びや、定在波による着色のない中高域で、素直なサウンドに仕上げられていました。
エンクロージュアは、MDFにウォルナットの突板。
MDFらしい色づけの少なさは、サウンドにしっかり現れていたように感じました。
本機は、PST回路を切り替えることができ、
これをOFF(つまり普通のフルレンジ)として聴くと鮮度がグッと上がります。
一方で、中高音のレベルも上がってしまうので、好みの帯域バランスによっての選択がキモになりそうです。
お次は、上條さんの「ヒレコーン VLF」。
こちらも、外見はオーソドックスなのですが、
なんと、ユニットの振動板に細工があるのです。
こちらのように、コーン裏側に「ヒレ」を装着し、
分割振動を抑えているとのこと。
「ヒレ」は、11×5mm程度の大きさに粘着テープをカットして、
これをL字型に縦長方向に折り曲げて、コーンに貼り付けるとか。
施工後は、コーン紙に粘着テープが垂直に立っている感じになり、
振動板上の分割振動を抑える効果を目的としています。
自作の圧電センサーで、効果を検証するなど、
徹底した研究魂には驚くばかりです。
普段の試聴ではボーカル曲をメインに聴いているとのことで、
コンテスト会場でも、浸透力のあるボーカルを聴くことができました。
今回のコンテストでは、ユニットのFX120の特性なのか、
どうしても金属ドームの「シャリシャリ」した響きが気になる場面が多かったのですが、
この「ヒレコーン VLF」では、そのような不快音は皆無でした。
最後は、内野さん。
外見が「行灯」に似ていることから「ANDON」と命名。
昨年の作品に引き続き、素晴らしい工作精度で製作されており、
木口ムラや、接合部のズレなどは、凝視しても分かりませんでした。
ニス塗りは5回(?)塗り重ねており、
殆ど木目が見えないレベルまで、深い茶色となっています。
塗装だけで、一ヶ月ほど掛かってしまったとか。
しかも、今回は変形直方体という難易度の高い構造に挑戦されており、
音を聴かずとも、本機にかける気合が伝わってきます。
内部構造はオーソドックスなダブルバスレフ型なのですが、
音を出すと、これまたハイスピードな長岡サウンドなのです。
悪く言ってしまうと低音不足なのですが、
そのお陰なのか、サッパリとした感触が好ましく感じられました。
低音に関しては、第二ダクトの面積が小さかった…(内野さん談)とのことで、
その辺はノウハウとして今後の作品に生きてくるのだと思います。
こうして、7人の発表が無事に終了!
力作揃いのコンテストで、主催側としてやっていた私にっても良い刺激になりました。
閉会後には打上げもあり、充実した一日でした。
−2012 ミューズの方舟 自作スピーカーコンテスト(終)−
今回音質賞を受賞された、塩沢さんの「FX120 ZWBR」です。
外見はオーソドックスすぎる作品なのですが、
中身はダブルバスレフ。
しかも、ZWBR方式と命名された構造で、
本体内部の仕切り板が大きく斜めになっているのが特徴です。
実際に聴いてみても、その構造による恩恵が大きいと感じました。
ダブルバスレフらしい超低音の伸びや、定在波による着色のない中高域で、素直なサウンドに仕上げられていました。
エンクロージュアは、MDFにウォルナットの突板。
MDFらしい色づけの少なさは、サウンドにしっかり現れていたように感じました。
本機は、PST回路を切り替えることができ、
これをOFF(つまり普通のフルレンジ)として聴くと鮮度がグッと上がります。
一方で、中高音のレベルも上がってしまうので、好みの帯域バランスによっての選択がキモになりそうです。
お次は、上條さんの「ヒレコーン VLF」。
こちらも、外見はオーソドックスなのですが、
なんと、ユニットの振動板に細工があるのです。
こちらのように、コーン裏側に「ヒレ」を装着し、
分割振動を抑えているとのこと。
「ヒレ」は、11×5mm程度の大きさに粘着テープをカットして、
これをL字型に縦長方向に折り曲げて、コーンに貼り付けるとか。
施工後は、コーン紙に粘着テープが垂直に立っている感じになり、
振動板上の分割振動を抑える効果を目的としています。
自作の圧電センサーで、効果を検証するなど、
徹底した研究魂には驚くばかりです。
普段の試聴ではボーカル曲をメインに聴いているとのことで、
コンテスト会場でも、浸透力のあるボーカルを聴くことができました。
今回のコンテストでは、ユニットのFX120の特性なのか、
どうしても金属ドームの「シャリシャリ」した響きが気になる場面が多かったのですが、
この「ヒレコーン VLF」では、そのような不快音は皆無でした。
最後は、内野さん。
外見が「行灯」に似ていることから「ANDON」と命名。
昨年の作品に引き続き、素晴らしい工作精度で製作されており、
木口ムラや、接合部のズレなどは、凝視しても分かりませんでした。
ニス塗りは5回(?)塗り重ねており、
殆ど木目が見えないレベルまで、深い茶色となっています。
塗装だけで、一ヶ月ほど掛かってしまったとか。
しかも、今回は変形直方体という難易度の高い構造に挑戦されており、
音を聴かずとも、本機にかける気合が伝わってきます。
内部構造はオーソドックスなダブルバスレフ型なのですが、
音を出すと、これまたハイスピードな長岡サウンドなのです。
悪く言ってしまうと低音不足なのですが、
そのお陰なのか、サッパリとした感触が好ましく感じられました。
低音に関しては、第二ダクトの面積が小さかった…(内野さん談)とのことで、
その辺はノウハウとして今後の作品に生きてくるのだと思います。
こうして、7人の発表が無事に終了!
力作揃いのコンテストで、主催側としてやっていた私にっても良い刺激になりました。
閉会後には打上げもあり、充実した一日でした。
−2012 ミューズの方舟 自作スピーカーコンテスト(終)−