Quantcast
Channel: オーディフィル公式ブログ (趣味の小部屋)
Viewing all 569 articles
Browse latest View live

レコードプレーヤー買いました

$
0
0
この前の手作り市出店で、「レコードは鳴らさないの?」と皆さまからお言葉をもらいました。
どこかで事前打ち合わせでもしてるんじゃないの?と思いたくなるぐらいの異口同音(笑)
レコード、ブームですものねぇ。
あとは、レコード買ってみたけどあまり良い音で鳴らずに困ってるという方もいらっしゃいました。

しかし、屋外で鳴らすとなると、軽くて持ち運びしやすくて…というのが条件になります。
サウンドバーガーまで振り切らなくてもいいけど、重量20kg超えみたいな本格的なプレーヤーは絶対に違う。
むしろ、誰でも手に取れるぐらいの値段のプレーヤーで、ちょっと足を止めたくなるようないい音を出せたら、それこそ面白い。

そこで選んだのは、DENONのDP-29F。


お値段は、なんと1万円。昨今のレコードブームがあってこその値段です。

アームはもちろん、カードリッジも、RCAケーブルも、電源ケーブルも変えられない。
交換針は、老舗DENONなので、長い間供給してくれるでしょう。絶対的安心感よ。





近所のハードオフで、オフコースのレコードを3枚(1枚300円と500円!)買ってきたので、聴くのが楽しみです♪


2/1は、東京国際フォーラムで行われるGladMarcheに出店します。

$
0
0
皆さん、こんばんは。

今週末の2月1日(土)は、東京国際フォーラムで開催される手作り市
GladMarche」に参加します。

時間 10:00~16:00
会場 東京国際フォーラム
   地上広場Bエリア

ひのきスピーカーのほか、
レコードプレーヤーも持参しますので、
もしお時間がありましたら、お立ち寄りください♪

2月1日のGladMarcheに参加しました

$
0
0
少し時間がたってしまいましたが、2月1日に東京国際フォーラムの中庭で行われた「GladMarche」に出展しました。

オーディオマニアにとっての聖地になりつつある、
東京国際フォーラムでの展示ができました。




定番のヒノキスピーカーに加え、
Bluetoothスピーカーの置台、レコード演奏などを展示しました。



またどこかでお会いできればと思っています。
引き続きどうぞよろしくお願いします!

「木の響きがとけこみ、豊かな日常を紡ぐ」JVCケンウッドの「ワイヤレスウッドスピーカー WDS-01」試聴会に行ってきました

$
0
0
昨日、JVCケンウッドが主催する「木の響きがとけこみ、豊かな日常を紡ぐ」スピーカー試聴会に行ってきました。

詳細はこちらのプレスリリースを見て頂きたいのですが、
振動板に木を採用したWOODシリーズ(ウッドコーン振動板)のスピーカーユニットを天然木のキャビネットに収納したBluetoothスピーカーです。



会場は、秋葉原駅から近いカフェの中で、
静かな場所で、じっくり試聴することができました。



コンセプトとしては、日常に溶け込む感じのデザインとして、
見た目と音響面の双方が、今までのスピーカーとは違う、
「木」を前面に出したものになっています。


また、スピーカー筐体が薄めの無垢木材で作られているので、
抱きかかえると、その振動が体に伝わるのが面白かったです。




6cm口径のウッドコーンは、非常に解像度が高く、
推奨の使い方とは異なりますが、リスナーにユニットを向けた使い方もできるな~と感じました。


(キューブデザインなので、なにかと収まりがいいですね)

いろいろ試聴させて頂いた感想としては、
【メープル、板材】解像度が高く、シャープな高音。
【オーク、板材】乾いたカリッとした響き。
【ケヤキ、板材】引き締まった、コシのある音。
【ケヤキ、くり抜き】板材verと音の傾向は類似。見た目のインパクトすごい。
【ひのき、くり抜き】自分好みの音がする。高音は柔らかい。

(肝心なウォルナットとスプルースを聴き忘れてしまったのが悔やまれる…泣)


ひのき くり抜きver。板材にはない、見た目のインパクトが凄いです。


↑今回準備中だった、ビバ材(くり抜き)。すごく目の詰まった良材ですね!!

型番はWDS-01。受注ページは(3/29現在)売り切れになっていますが、追加の製品もあるそうなので、気長に待っていただければと思います。

同じ筐体で、さまざまな樹種のスピーカーを聴き比べる機会は少ないので、とても良い経験になりました。
試聴会を開催してくださったJVCケンウッドさん、ありがとうございました!


~ニッパーくんと、ひのきver のツーショット。~

サブウーハーを自作する(1)

$
0
0
サブウーハーの製作が始まったので、こちらにメモを残しておこうと思います。

はじまりは、「TAD 2201にあうサブウーハーを作ってほしい」という依頼でした。


TAD 2201(正式名称「TSM-2201-LR」)は、TADが2010年に発売した小型スピーカーです。20cm口径ウーハーを搭載した2wayで、密閉型のエンクロージュアが組み合わされています。



公開されている周波数特性を見ると、-10dBで50Hzという特性です。
実際に聞いてみると、その数字以上に引き締まった低域であると感じました。

オーナーの拘りによって交換された内部配線の効果もあってか、中高域は、エネルギー感と音場の広がりが素晴らしく、
もし低域にしっかりとした厚みと伸びを付与させることができたら、さぞかし素晴らしい音になるだろうという興味が湧くスピーカーでした。


-----------------

このTAD 2201と、オーディフィル「SW-1」は、
横幅が26cmと偶然にも一致しています。


SW-1



今回は、設置スペースの制約から、
SW-1の上にTAD2201を載せることを想定します。

しかし、SW-1の上にそのままTAD2201を載せると高さが若干高い…
ということで、カスタムすることにしました。

具体的には、高さが595mmあるSW-1を、
高さ400mmまで小さくします。

単純に高さを減らしただけですと、
箱全体の容量が小さくなってしまい、バスレフ動作に影響が出かねません。

そこで、奥行を伸ばして内容量を確保します。

ちょうど、こちらの絵で描いたような感じですね。



「SW-1」(イラスト右側)の内容量が24L程度です。

高さを595mmから400mmに小さくする代わりに、
奥行を195mmから298mmに拡張して、容量24Lをキープします。(イラスト中央)

補強やバスレフダクトの位置は、もう少し考えるとして、
大まかな設計はこれで問題ないでしょう。

幸いにも、箱が極端な扁平型になることもなく、
むしろSW-1より立方体に近づいたことで、バスレフダクトの効率が上がることも期待できます。


-----------------

ただ、気になるのは、TAD 2201とのマッチング。

密閉型スピーカーである本機の低音と合わせるには、
もう少し低音を引き締めていきたいものです。


そこで、あえて奥行寸法を調整しない
容量16Lタイプも作ってみることにしました。
(イラスト左側が16Lタイプ)


バスレフ箱の容量を小さくすると、
バスレフダクトの動作は、総じてタイトな方向になります。

低音は、深くゆったりと伸びるというより、
中低音と連動したような鳴り方になっていく印象があり、
オーナーがよく聴くロック音楽にもマッチするものと考えました。


-------------------

以上が、今回のサブウーハー製作です。


あとは、作って試聴するだけ…
と思ったのですが、ちょっと物足りません。



単に箱の容量を小さくして終わり、では、
あまり進歩がないなぁ~と思ってしまったのです。

SW-1を圧倒的に凌駕する、
軽くてハイスピードな低音を出せるサブウーハーを、
完全な新規製作として作ってみたくなりました。

その話は、また次回。

サブウーハーを自作する(2)

$
0
0
サブウーハー製作の2回目。今回は、よりハイスピードな低音を求めたサブウーハー構想をやってみたいと思います。

ユニットの選定

「SW-1」のときはウーハーユニットを使ってサブウーハーを作りましたが、
さらなる軽い低音を求めて、フルレンジユニットを使います。

低音を再生するにあたって、フルレンジは、
Xmaxの小ささや、振動板強度の不足、耐入力の小ささなど不安な要素は多いのですが、
実際に聞くと、振動板の軽さからくる低音感が魅力的なのです。

たまたまFostexの16cmフルレンジが手元にあるのもあり、
今回はFE166NV2(FE166En)を使ってシミュレーションで様々な箱を検討してみます。


---------------------

密閉型

まずは、密閉型でシミュレーションしてみます。
まずはこれでざっくりとした傾向をつかみます。

Qtc=0.71 で V1=25L でした。





密閉型として典型的な低域特性になりました。なにも違和感のない特性ですね。
今回は、サブウーハーとしての利用を想定し、2次のハイカットを50Hzでかけます。



うむ。60Hzをピークに、-10dBで 20 ~ 220 Hzという特性になりました。

ただ、これで20Hzが出る訳ではないんですよね~。

密閉型でこういう特性の箱を作ると、ピークトップ周波数付近(ここでは60Hz付近)しか聞こえないパターンが多いです。

おそらく、ユニットからの歪の影響や、周波数特性の双方が影響していると思うのですが、以前のSW-1試作のときもこのパターンは良くなかったので今回はパスします。


---------------------

バスレフ型

V1= 30L、fd=30Hz。カットオフは、変わらず2次の50Hzハイカットでシミュレーションしてみます。





意外と悪くないですね。
ちょっと大きめの箱になってるので、群遅延(Group delay)が28msと大きめなのが気になるところでしょうか。

まあ、こういう普通のバスレフ型だったら「SW-1」と同じなので、今回は別の方式でトライしてみようと思います。


---------------------
バンドパス型

今回挑戦してみたかったのは、バンドパス型です。
以下に示すのは、4th order のタイプで、ASW型、もしくはケルトン型とも呼ばれます。



とりあえず、先ほどが30Lのバスレフ型だったので、総容量が同じになるようV1=10L、V2=20L。ダクトも同じくfd2=30Hzとしてシミュレーションしてみます。



うーむ、これはいまいちですね。

周波数特性(SPL)は30Hzに鋭いピークが確認され、群遅延(Group delay)も40msまで増大してしまいました。(※群遅延ピークは28Hzなので、どこまで影響があるかは分かりませんが…)


試しに、2つの空気室の容量を反転させてみます。
V1=10L、V2=20L ⇒ V1=20L、V2=10L

ユニットが入る密閉箱より、ダクトが付いている箱のほうが小さいことになりますね。


(ポート共振周波数がほぼ同一になるよう、VituixCADへの入力値はfd2=40Hzに改めています。)


二つの空気室容量を反転させたことで、周波数特性・群遅延共に、穏やかな特性にすることができました。

ついバスレフ共振を強く得ようとして、バスレフ箱側(V2)の容量を大きくしてしまいがちですが、素直な特性を狙うならばむしろ大きくすべきはユニット側(V1)の方なのかもしれません。




では、もっとV1を大きくしたらどうでしょうか?
V2=10L、fd2=40Hzで固定したまま、V1を 30L、50L、100L、1000Lに変えてみます。

V1= 30L


V1=50L


V1=100L


V1=1000L



V1=100Lを超えてくると、だいぶ穏やかな特性になってきますね。
現実的には、V1容量は50L程度といったところでしょうか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まとめ

密閉型、バスレフ型、そしてバンドパス方式として、ケルトン型(ASW型)をシミュレーションしてみました。
とりあえず、V1=50L、V2=10L、fd2=40Hzで仮決定します。あとは試作してみてどういう結果になるかですね。



超低音域での平坦領域をより増やした設計案も用意しておきたいので、
次回はダブルバスレフに近い「DRW方式」を検討してみます。

第13回飯能ものづくりフェア に出展します!

$
0
0

2025年の5月16日~18日に開催される、
「第13回 飯能ものづくりフェア」に参加します!

埼玉県の飯能市で、年に1度行われるこのイベントでは、
飯能市にゆかりのある、ものづくり系の出品者が集います。



当日は、【西川ひのき】を使ったBluetoothスピーカー置台の販売や、
オーダーメイドスピーカーの試聴や案内ができると思っています。

多数の出品者が集うイベントですので、
きっと1日中楽しめるものと思います。

どうぞお気軽にお越しください♪


イベント詳細情報はこちら


サブウーハーの自作(3)

$
0
0
前回の続きで、バンドパス型のサブウーハーの特性をシミュレーションしてみます。


並列6次バンドパス型(Parallel tuned 6th order band pass)

これは、バスレフ型を前後に取り付けた方式です。前回紹介したASW方式(4th order band pass)の密閉箱側をバスレフ箱にして、振動板前後の双方の空気を使えるようにした形式ともいえます。



まずは、ASW方式の初期設定と同じV1, V2共に15L、合計30Lでの特性を見てみます。バスレフポートはfd1=80Hz、fd2=30Hzにしてみました。



かなり極端な特性になってしまいましたね。どうやら80Hzに設定したV2側のダクトがピーキーな動作をしているようです。

そこで、V1を15L→5Lに変更して、共振を弱めます。
(ダクトの共振周波数はそれぞれfd1=80Hz、fd2=30Hzで同じ。)



80Hzの単一ピーク特性から、少しだけ裾野が広がりました。
V1が小さくなり箱容量に余裕が出たので、V2を15L→25Lに拡大してみます。
(V1=5L、ダクトの共振周波数はそれぞれfd1=80Hz、fd2=30Hz。)





左上グラフのピンク線で示した、fd2由来の音圧が高くなり、素性が良くなってきたのを感じます。

インピーダンス特性を見ると、中央の凸が小さいので、もう少しfd1とfd2を離したいところです。
fd2を80Hz→100Hzにあげてみたのが次の特性です。(V1とV2の容量は、それぞれ5L、25Lのまま。)



フラットな領域ができ始めて、かなり良くなってきました。

周波数特性(左上グラフ)を見ると、下のダクトの共振周波数である30Hzは、-8dBのダラ下がり特性になっています。
このぐらいが自然に聞こえると思いますが、定在波と重なる50Hzの音圧がやや高いことが気になります。

そこで、V2=25L→40Lに拡張して、fd2の効きを強めます。
(V1=5L、fd1=100Hz、fd2=30Hz)





30Hzの音圧がぐっと上がって、かなり効率のいい増幅が得られています。
周波数特性の下端(30Hz)がやや肩が張った特性になっており、また3つ山特性になっているインピーダンス特性の中央の凸がやや小さいので、もう少し下の帯域を欲張る余力がありそうです。

そこで、fd2を30Hz→25Hzに下げてみます。 
たった5Hzの違いですが、超低音域の5Hzの差はかなり大きな影響があるので侮れません。
(V1=5L、V2=40L、fd1=100Hz)



fd2を下げたことで、周波数特性下限の肩特性がだいぶ穏やかになり、インピーダンス特性の3つのピークも高さが揃って綺麗になりました。
かなり聞きやすい聴感特性に変化するのではないかと思います。

V2容量は15L→40Lへの拡張で好結果が得られたので、V2の容量を 40L→60Lにさらに増やしてみます。
(V1=5L、fd1=100Hz、fd2=25Hz)





V2の容量を60Lまで大きくしたことで25Hzの音圧は上がりましたが、周波数特性に「しゃくれ」がでてしまい群遅延も30msを超えてしまいました。

ここまで伸ばすのは聴感上悪影響がある可能性が高いので、V2の最適容量は40Lと考えて良さそうです。



直列6次バンドパス型(Series tuned 6th order band pass)



こちらは、バスレフ箱の上にバスレフ箱を被せたような形状ですね。
あまり知らない方式だったのですが、いろいろシミュレーションしていたら小型かつワイドレンジな特性をつくることができたので紹介します。


まずは、V1, V2共に15L、合計30Lでの特性を見てみます。
バスレフポートはfd1=30Hz、fd2=80Hzにしてみました。



外側のダクト(fd2=80Hz)の効きが強く、周波数特性が凸になってしまいました。
V2を15L→5Lに変えて、外側のダクトの共振を弱めます。
(V1=15L, fd1=30Hz, fd2=80Hz)





だいぶ平坦領域がでてきましたね。

この直列6次バンドパス型では、内側のダクトを低い帯域(ここではfd1=30Hz)、外側のダクトを高い帯域(ここではfd2=80Hz)に設定すると、好ましい特性が得られやすかったです。V1側の箱でワイドレンジな特性をつくり、V2側の箱で不要な帯域をカットするイメージでしょうか。

悪くはない特性ですが、やや30Hz付近が「なで肩」特性になっているのが気になります。また、VituixCADにはfd1=30Hzと入力しているのに対し、シミュレーションされたインピーダンスの凹は、25~27Hzと若干低めに出てきています。音楽の旨味のある超低域成分は、35~40Hzにあることが多いので、もうすこしfd1の共振周波数を高めておきたいものです。

そこで、fd1を30Hz→35Hzと少しだけ上げてみました。
(V1=15L、V2=5L、fd2=80Hz)



だいぶ良くなってきました。平坦領域がありつつ、スムーズな低域下降特性が得られています。

お試しで、V2を5Lから3Lへ狭めてみます。





V2を3Lまで小さくすると、一見平坦領域が広がったようにも見えますが、最低域の方特性はややシャープで、群遅延は30msを超えてきており、低域質感の悪化が懸念される結果になりました。
V2は5L程度がベストなようですね。



DRW方式

最後に、DRW方式を試してみます。長岡鉄男先生がバックロードホーンと組み合わせて使ったことのある方式で、ASW方式のダブルバスレフ版といえる形状です。

VituixCADでDRW方式のサブウーハーのシミュレーションはできないため、ダブルバスレフ箱のポート特性を活用しました。


まず、V2=15L、V3=15L、fd2=80Hz、fd3=40Hzでシミュレーションしてみました。





80Hzに強いピークができてしまいました。いわゆる第一ダクト(fd2)の共振が強いので、V2を15L→7L→5Lと段階的に減らしてみます。

<V2=7L>


<V2=5L>


V2=7L ではフラットな台形状の周波数特性が得られましたが、
V2=5L にすると再び凸な特性が出てきてしまいました。



次に、V2=7Lで固定しながら、
V3を7L~20Lに変化させたときの違いを見てみます。



<V3=7L>


<V3=20L>


V3=7Lのほうは、鋭いピークがある特性になってしまいましたが、
V3=20L(先ほどまでは15L)は、やや低音ブースト気味ですが、なんとか実用範囲でもあります。
※fd2, fd3は適宜調整した。


やや調整が難しいDRW方式でしたが、下記パラメーターが良さそうです。
V2=5L, V3=15L, fd2=80Hz, fd3=40Hz

V2とV3は比較的コンパクトに収まりましたが、今回のシミュレーションではV1は無限大に設定されているのが注意が必要です。


まとめ

今回は、6thバンドパス型(並列と直列)とDRW方式のシミュレーションをしました。
ちょっと内容が盛りだくさんになってしまいましたが、ざっくりとまとめると、下記のような特徴があることが分かりました。

能率が高く使いやすい並列6次バンドパス型。
小型でも良好な特性の直列6次バンドパス型。
V1の容量が大きくなりがちな DRW型。


次回は、改めて各方式でできるエンクロージュアを整理して、どれを作るか考えてみようと思います。

サブウーハーの自作(4)各エンクロージュア方式の比較

$
0
0
サブウーハーの自作と称して、ここまで様々な方式で検討してきました。
では、何が良いのか?ということで、それぞれの特性を比較してみようと思います。


先日までは、FE166EnのTSパラメーターで計算していましたが、今回からは最新モデルのFE166NV2のデータでのシミュレーションになります。使うソフトは変わらずVituixCADです。

特性の比較

音圧、再生帯域


群遅延


振動板変位、振幅@2.8V




密閉型


Qtc=0.5となるよう、容量V1=14.8Lに設定。Butterworth 2nd(-12dB/oct)の50Hzローパスフィルターをかけた特性を示しています。
群遅延は小さく魅力的であるものの、音圧は他の方式と比べて6~12dB程度小さい結果でした。

Linkwitz Transformなど、低域を増強してフラットな特性を得る方式のベースにすることができますが、今回のようなフルレンジでは耐入力がもちません。2発、4発と並列にすればよいのですが、製作コスト・製作労力・設置スペースも倍々で膨れ上がってしまいます。



バスレフ型


バスレフは2種類で評価しました。小さめの箱として、V1=14.8L、fd1=40Hz。より周波数特性を重視した大きめの箱として、V1=25.0L、fd1=30Hz。
密閉型と同じく、Butterworth 2nd(-12dB/oct)の50Hzローパスフィルターをかけた特性を示しています。

「バスレフ小」では、群遅延は悪くありませんが、30Hz以下の音圧が物足りなさを感じます。
箱容量を大きくとった「バスレフ大」では、30Hz音圧が担保されますが、群遅延が25msと大幅に増加してしまいました。

市販スピーカーでは定評のある方式ですが、「フルレンジドライバーを使ったサブウーハー」という今回の作例では、バスレフ型はちょっと使いづらいな…という印象を抱きました。



ASW(4次バンドパス型、ケルトン型)

V1=60L、V2=12L、fd2=40Hzとしました。
音圧は、30Hzは水準レベル。50Hz付近はやや控えめになりますが、むしろ不要な帯域の漏れを抑制する意味では好都合かもしれません。

群遅延は比較的小さい値であり、特に定在波と重なりやすい50~100Hzで群遅延が小さく抑えられる結果になっているのは好ましいことです。



6th並列(PPW、プッシュプルウーハー型)


V1=5L、df1=100Hz、V2=40L、fd2=25Hzと、
もう少し小さな箱としてV1=5L、df1=100Hz、V2=25L、fd2=25Hzを用意しました。
音圧は、83~88dBと非常に良好。しかしながら、群遅延は25msを超える大きなものになりました。これは、箱の容量によらず共通する結果でした。

ASW方式と比べて、最低域の落ちが早い(最低域ではバスレフ型として動作するため、2つのポートの音が逆相になり打ち消す)ため、群遅延ではバスレフと同じく不利になりやすい方式のようです。



6th直列(Series tuned 6th order band pass)


V1=15L, fd1=35Hz, V2=8L, fd2=80Hz。
群遅延は20ms以下で、音圧も良好。エンクロージュアの合計容量は、23Lと、小型ながら使いやすい箱といえそうです。

ただ、最低域は2本のダクトを経由して放出されるので、双方の位置関係によっても空気の流れが変わってきて音質に影響がでるかもしれません。



DRW


V2=7L, fd2=80Hz, V3=20L, fd3=40Hzのダブルバスレフとして計算しました。 実際は、V1=60Lの密閉箱が付きます。

音圧は、23Hz~70Hzまで比較的均一な音圧で出ており良好。その上の帯域が急峻にカットされているのも好ましいところです。
群遅延は16ms以下と抑えられていますが、こればDBでの計算値なのでDRWとして作った時の特性は気になるところです。



各方式の特性を並べてみてみましたが、いかがでしたでしょうか。
気になったのは【ASW】【DRW】【6th直列】でしょうか。

今回はFE166NV2でのシミュレーションでしたが、他のウーハーユニットを使った場合はまた違う結果になるかもしれません。
ここからは試作と試聴をしてみないと分からない領域かなと思います。

また進捗あったら、書いていこうと思いまう。
Viewing all 569 articles
Browse latest View live


<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>