皆さんこんにちは。
今週は、サブウーハー用エンクロージュアで実験をしていました。
写真は、現在開発中のサブウーハーの実験機で、
Concept-SOLAや、その他の小型スピーカーに汎用的に使えるものに仕上げていければと思っています。
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今回の実験は、「吸音材」の有無。
非常に基本的なものですが、改めて確認をしてみます。
吸音材は、エンクロージュア内部の定在波を軽減し、
音の癖を取り除くために使います。
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例えば、この箱は内寸が長辺方向に514mmあり、そこでの定在波が懸念されます。
バスレフダクトの部分から、マイクを突っ込み、内部の定在波を測定してみます。
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それでは、エンクロージュア内部の定在波の変化を見てみましょう。
まずは、「吸音材なし」の場合。
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250Hz、500Hz付近に強い共振が見られます。おそらく、上下方向の定在波と思われます。
※寸法から計算すると330Hz付近に発生するはずですが、内部の補強材の影響で少し低めに出たと思われます。
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そこで、定在波を減らすために吸音材を投入します。
投入量は、エンクロージュア内部が吸音材で満たされるぐらい、多めに入れました。
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測定すると、定在波はすっきり消えているのが分かります。これだけの量を入れると、定在波は見事に消えてくれますね。
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ここまでの測定結果は、箱内部の音を拾ってのものでしたが、
ユニットから出てくる音に影響があるか確認してみます。
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まずは、「吸音材なし」
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そして、「吸音材あり」
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定在波が出ていた250Hz付近にある小さな凹凸が、「吸音材あり」では消えているのが分かります。 ※2kHz以上の高域のピークディップはスピーカーユニットによるもの。
箱内部の定在波は、(仮に密閉型だとしても)外まで洩れてきてしまうようです。
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こういうデータを見てみると、吸音材を入れた方がいい!という結論になりかねないのですが、
実際に試聴すると、「吸音材なし」の方が低音のキレ・量感共に優れていました。その理由をもう少し考察してみようと思います。
ここで、インピーダンス特性を見てみます。
まずは、「吸音材なし」。
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そして、「吸音材あり」。
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インピーダンス特性は見慣れていないと解釈が難しいのですが、バスレフ箱としてポートが機能しているかどうかをグラフ左端の2つのピークから読み解くことができます。
例えば、「吸音材なし」の場合、18Hzと43Hz付近にピークが見られます。その間の谷間は28Hz付近で、ほぼ計算通りのバスレフ箱として動作していることが分かります。
一方で、「吸音材あり」の場合、ピークはそれぞれ若干左側にシフトし(周波数は低くなり)、ピークの高さも低くなっています。これは、吸音材の質量やダンピング効果で、バスレフダクトの動作が変化していることを示しています。
特に、ピークディップが小さくなっているのは、ダクトの動作が弱くなっていることを意味しますので、余り良いことではありません。実際に、35Hz~25Hzの再生音圧が測定・聴感共に落ちていました。
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今回の製作では、サブウーハー用途を想定しているので、少なくとも250Hz付近までの定在波は除去しておきたいところです。
とくに共鳴音は目立ちやすいため、しっかりと対策をする必要があります。
その一方で、吸音材を入れすぎると低域、とくにバスレフダクトの動作が犠牲になることが確認できました。
よく言われるように、吸音材は最小限にすべき、という事なのでしょう。
吸音材は最小限にしつつ、定在波を減らす工夫は、今後実験で検証していく予定です。面白いデータが取れたら、また紹介しますね!
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写真は、現在開発中のサブウーハーの実験機で、
Concept-SOLAや、その他の小型スピーカーに汎用的に使えるものに仕上げていければと思っています。
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今回の実験は、「吸音材」の有無。
非常に基本的なものですが、改めて確認をしてみます。
吸音材は、エンクロージュア内部の定在波を軽減し、
音の癖を取り除くために使います。
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例えば、この箱は内寸が長辺方向に514mmあり、そこでの定在波が懸念されます。
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それでは、エンクロージュア内部の定在波の変化を見てみましょう。
まずは、「吸音材なし」の場合。
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250Hz、500Hz付近に強い共振が見られます。おそらく、上下方向の定在波と思われます。
※寸法から計算すると330Hz付近に発生するはずですが、内部の補強材の影響で少し低めに出たと思われます。
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そこで、定在波を減らすために吸音材を投入します。
投入量は、エンクロージュア内部が吸音材で満たされるぐらい、多めに入れました。
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測定すると、定在波はすっきり消えているのが分かります。これだけの量を入れると、定在波は見事に消えてくれますね。
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ユニットから出てくる音に影響があるか確認してみます。
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まずは、「吸音材なし」
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そして、「吸音材あり」
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定在波が出ていた250Hz付近にある小さな凹凸が、「吸音材あり」では消えているのが分かります。 ※2kHz以上の高域のピークディップはスピーカーユニットによるもの。
箱内部の定在波は、(仮に密閉型だとしても)外まで洩れてきてしまうようです。
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こういうデータを見てみると、吸音材を入れた方がいい!という結論になりかねないのですが、
実際に試聴すると、「吸音材なし」の方が低音のキレ・量感共に優れていました。その理由をもう少し考察してみようと思います。
ここで、インピーダンス特性を見てみます。
まずは、「吸音材なし」。
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そして、「吸音材あり」。
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インピーダンス特性は見慣れていないと解釈が難しいのですが、バスレフ箱としてポートが機能しているかどうかをグラフ左端の2つのピークから読み解くことができます。
例えば、「吸音材なし」の場合、18Hzと43Hz付近にピークが見られます。その間の谷間は28Hz付近で、ほぼ計算通りのバスレフ箱として動作していることが分かります。
一方で、「吸音材あり」の場合、ピークはそれぞれ若干左側にシフトし(周波数は低くなり)、ピークの高さも低くなっています。これは、吸音材の質量やダンピング効果で、バスレフダクトの動作が変化していることを示しています。
特に、ピークディップが小さくなっているのは、ダクトの動作が弱くなっていることを意味しますので、余り良いことではありません。実際に、35Hz~25Hzの再生音圧が測定・聴感共に落ちていました。
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今回の製作では、サブウーハー用途を想定しているので、少なくとも250Hz付近までの定在波は除去しておきたいところです。
とくに共鳴音は目立ちやすいため、しっかりと対策をする必要があります。
その一方で、吸音材を入れすぎると低域、とくにバスレフダクトの動作が犠牲になることが確認できました。
よく言われるように、吸音材は最小限にすべき、という事なのでしょう。
吸音材は最小限にしつつ、定在波を減らす工夫は、今後実験で検証していく予定です。面白いデータが取れたら、また紹介しますね!
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