今日は、インシュレーター開発のお話しです。
前回、様々な積層構造を試しましたが、今回は、その応用編です。
そもそも、ここでの「インシュレーター」とは何を目指すのか。
日記「新・硬貨インシュレーターの実力(2)」で説明したように、
インシュレーターといっても、その効能・目的は様々です。
「桧スピーカー工房」のオーディフィルが
インシュレーターを作るにあたって、一番気にしているのは、
「スピーカーが朗々と歌っているか」
というところです。
オーディオ的には、ノイズを徹底的に除去するのが正解かもしれませんが...
オーディフィルは、「スピーカーメーカー」です。
(残念ながら、アクセサリーメーカーではありません...)
スピーカーが、
気持ちよく、
音楽を奏でてくれるか。
これがインシュレーター作りの根幹です。
もちろん、スピーカーが朗々と音楽を奏でてくれれば、
聴いているこちらとしても、嬉しくなりますよね。
そんなスピーカーが歌いだすようなインシュレーターが、
この開発の目指すところです。
音を殺さない、音を生かす。
そんなことを考えて行きついたのが、ハイブリッド型です。
金属素材は、その密度ゆえに、
音の「コシ」を出すのに有用な素材です。
しかし、金属の鋭い共振音は、どうしても克服しなければなりませんでした。
そこで、共振が異なる、銅と真鍮をサンドイッチさせ、
その癖を消し去る方法に着目しました。
金属の共振は、ゴム系の制振素材を使えば簡単に除去できますが、
それでは「音を生かす」ことにはつながりません。
可能な限り、剛体を使いながら、
違和感のない音になるよう、その構造を探っていきました。
様々な構造を試していた結果、
前回の金属箔を用いたものから、次のような3ピース構造に辿りつきました。
それぞれ、物量・面積共に意味のあるサイズになっており、
一つだけ違うサイズになると、それだけで音が激変してしまいますorz
特に、中央の「銅3連リング」の寸法は、
上下の真鍮の響きを中和する絶妙なサイズとなりました。
この銅リングを大きくしたり、銅板にすると、
銅由来の硬くて暗い音色が顔をのぞかせてしまいます。。。
ちなみに、直径は30mm。
小型スピーカーから、アンプの脚部まで使えるサイズにしています。
そして、使い勝手を考えると、
それぞれの金属を接合しないといけません。
言うまでもなく、接着剤の種類によっても音は変わります。
ゴム系から瞬間接着剤まで試したなかで、
接着剤のなかに「微粒子」を適量入れることで、癖のない特性になることが分かってきました。
私自身もよく分かっていないのですが、接着剤(ポリマー)単独と比べて、粘弾性や損失特性が変わるのでしょうか。
そして、ソフト系素材ではもう一つ発見がありました。
それは、埼玉県小川町産の和紙「細川紙」が、音を整えるのに役立ってくれたことです。
この和紙がインシュレーター最下層に一枚入ることで、最後に残ったエッジのようなものを、質感を保ったまま穏やかに整えてくれました。
和紙は「楮(こうぞ)」の長繊維がそのまま残っており、一般的な紙と比べて非常に大きな繊維構造をもっていることが有名です。
接触歪を抑える方法として、薄い紙やフィルムを挟むことは、以前から知られていましたが、実際に試してみると高音がロールオフしてしまうのは避けられませんでした。
「楮(こうぞ)」のもつ長繊維構造、とくに楮100%で作られる「細川紙」は、接触歪を抑えつつ、振動を素早く逃がすのに役立っているのかもしれません。
こうして出来上がったインシュレーターは、
コシと深みのある低域、伸びやかで情熱的な中域、穏やかで聴き心地のよい高域、を実現できるものとなりました。
桧スピーカーのオーディフィルが、試聴会などで自信を持って使えるリファレンスインシュレーターが一つ完成したというのは、私にとっても大きな安心材料となりました。
私自身、これまで幾多ものインシュレーターを捨ててきたので、ようやく完成した...という安心感があります(笑)
一応、4個で3000円弱のお値段で提供できるよう、オーディフィル側でも動いていこうと思いますので、もし興味がある方は、もう少々お待ちください。
見た目は地味ですが、音については自信を持っておすすめできます!
さて、次回は「オーディオみじんこ」で入手したアクセサリーが手元にありますので、その試聴記でも書いてみようと思います♪
ではでは!
前回、様々な積層構造を試しましたが、今回は、その応用編です。
そもそも、ここでの「インシュレーター」とは何を目指すのか。
日記「新・硬貨インシュレーターの実力(2)」で説明したように、
インシュレーターといっても、その効能・目的は様々です。
「桧スピーカー工房」のオーディフィルが
インシュレーターを作るにあたって、一番気にしているのは、
「スピーカーが朗々と歌っているか」
というところです。
オーディオ的には、ノイズを徹底的に除去するのが正解かもしれませんが...
オーディフィルは、「スピーカーメーカー」です。
(残念ながら、アクセサリーメーカーではありません...)
スピーカーが、
気持ちよく、
音楽を奏でてくれるか。
これがインシュレーター作りの根幹です。
もちろん、スピーカーが朗々と音楽を奏でてくれれば、
聴いているこちらとしても、嬉しくなりますよね。
そんなスピーカーが歌いだすようなインシュレーターが、
この開発の目指すところです。
音を殺さない、音を生かす。
そんなことを考えて行きついたのが、ハイブリッド型です。
金属素材は、その密度ゆえに、
音の「コシ」を出すのに有用な素材です。
しかし、金属の鋭い共振音は、どうしても克服しなければなりませんでした。
そこで、共振が異なる、銅と真鍮をサンドイッチさせ、
その癖を消し去る方法に着目しました。
金属の共振は、ゴム系の制振素材を使えば簡単に除去できますが、
それでは「音を生かす」ことにはつながりません。
可能な限り、剛体を使いながら、
違和感のない音になるよう、その構造を探っていきました。
様々な構造を試していた結果、
前回の金属箔を用いたものから、次のような3ピース構造に辿りつきました。
それぞれ、物量・面積共に意味のあるサイズになっており、
一つだけ違うサイズになると、それだけで音が激変してしまいますorz
特に、中央の「銅3連リング」の寸法は、
上下の真鍮の響きを中和する絶妙なサイズとなりました。
この銅リングを大きくしたり、銅板にすると、
銅由来の硬くて暗い音色が顔をのぞかせてしまいます。。。
ちなみに、直径は30mm。
小型スピーカーから、アンプの脚部まで使えるサイズにしています。
そして、使い勝手を考えると、
それぞれの金属を接合しないといけません。
言うまでもなく、接着剤の種類によっても音は変わります。
ゴム系から瞬間接着剤まで試したなかで、
接着剤のなかに「微粒子」を適量入れることで、癖のない特性になることが分かってきました。
私自身もよく分かっていないのですが、接着剤(ポリマー)単独と比べて、粘弾性や損失特性が変わるのでしょうか。
そして、ソフト系素材ではもう一つ発見がありました。
それは、埼玉県小川町産の和紙「細川紙」が、音を整えるのに役立ってくれたことです。
この和紙がインシュレーター最下層に一枚入ることで、最後に残ったエッジのようなものを、質感を保ったまま穏やかに整えてくれました。
和紙は「楮(こうぞ)」の長繊維がそのまま残っており、一般的な紙と比べて非常に大きな繊維構造をもっていることが有名です。
接触歪を抑える方法として、薄い紙やフィルムを挟むことは、以前から知られていましたが、実際に試してみると高音がロールオフしてしまうのは避けられませんでした。
「楮(こうぞ)」のもつ長繊維構造、とくに楮100%で作られる「細川紙」は、接触歪を抑えつつ、振動を素早く逃がすのに役立っているのかもしれません。
こうして出来上がったインシュレーターは、
コシと深みのある低域、伸びやかで情熱的な中域、穏やかで聴き心地のよい高域、を実現できるものとなりました。
桧スピーカーのオーディフィルが、試聴会などで自信を持って使えるリファレンスインシュレーターが一つ完成したというのは、私にとっても大きな安心材料となりました。
私自身、これまで幾多ものインシュレーターを捨ててきたので、ようやく完成した...という安心感があります(笑)
一応、4個で3000円弱のお値段で提供できるよう、オーディフィル側でも動いていこうと思いますので、もし興味がある方は、もう少々お待ちください。
見た目は地味ですが、音については自信を持っておすすめできます!
さて、次回は「オーディオみじんこ」で入手したアクセサリーが手元にありますので、その試聴記でも書いてみようと思います♪
ではでは!