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新・硬貨インシュレーターの実力(3)

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連載でお伝えしている硬貨インシュレーターシリーズ。
第3回となる今回は、1円~500円を使用した実験をお伝えします!

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第2回では、インシュレーターの効果として、
必ずしも「制振」だけでなく、より調和のとれた振動を作り出す「整振」もあることを説明しましたね。

硬貨インシュレーターも、いわば「金属の円盤」であることに過ぎないので、
この独自の響きをいかに使っていくか、がキモとなってきます。



そんなわけで、硬貨インシュレーターの序章として
それぞれの硬貨が「どんなキャラクター」を持っているのか、
を徹底的に調査してみました。


やり方としては非常に単純。
硬貨2枚をぶつけて、その音を測定します。



一枚をクッションの上に置き、
そこに対して二枚目の硬貨を、高さ20cmから硬貨を落とします。

この音をマイクを使って録音し、周波数特性を求めます。


余分な音が入らないよう、クッションを敷いたり、
適切な枚数(最終的に2枚のみ)など、測定条件も試行錯誤しています。



とはいっても、手作業の調査なので、
以下の落下パターンによって、やや結果がブレることも分かっています。



いちばんシンプルな落ち方は、①のパターン。
一度だけ衝突したのちに、すぐにクッションへ硬貨が移動する場合です。

一番、ピュアな音がとれますが、得られる結果に偶然性(衝突のクセ)が乗るようです。


②は、二回衝突してから、クッションへ行くパターン。
二回衝突している分、得られる音圧も高く、比較的好ましい結果が得られました。

③は、何度も衝突して、最終的に二枚の硬貨が重なるパターン。
衝突回数が多く、打撃音によるノイズが乗りやすくSNが低下します。(欲しいのは金属の共鳴音の方です。)


今回は、二回、コインの裏表を変えての測定を行い、
双方の結果と、聴感を合わせて議論を進めます。


周波数特性の見方は、赤線が硬貨の音になります。
黒線はバックグラウンドノイズ。参考までに載せました。

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1円玉
<若木デザインが上>

<数字1が上>


聴感上は「ジリッ」というような音。
金属音というより、接触音というような感じで、あまり硬貨っぽい音ではありません。

特性上は、4~5kHz付近に小さなピークが見られるのみ。
10kHz付近にもブロードなピークがあり、小口径硬貨らしい特性です。

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5円玉
<稲穂が上>

<日本国が上>


聴感上は、「チリイーン」というような音。
お賽銭箱のイメージに一番近い華やかな音。さすがは五円。

特性は、2kHzと8kHzのピークが印象的。
ただ、衝突の状況に応じて、他の強い共振も容易に起こりやすいようです。

700Hzのピークは、落下時に中央の穴から空気が流れる「ポフッ」という音を拾っているのだと思います。

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10円
<平等院鳳凰堂が上>

<数字10が上>


聴感上は「ジィーン」という感じ。
5円よりデッドな響きでしょうか。

5円玉と類似した2.5kHzと8kzHzのピークに加えて、
5~6kHzには小さいながらも鋭い共振も確認されます。

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50円
<菊が上>

<数字50が上>


聴感上は、「リィーン」という音。
1円玉とは違う、共振がメインの軽やかな音ですね。

特性では、他にはない4kHzのピークが目立ちます。
小さなピークでは7kHz、9kHzも特徴的ですが、衝突の状況により音圧の大小が大きく変わるみたいです。

500Hzのピークは、(5円玉と同じく)中央の穴による空気音でしょう。

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100円
<八重桜が上>

<数字100が上>


聴感上は、「トリィン」という音、、かな?
他にはない独特の響きを感じます。

目立った共振ピークはなく、3~10kHzの幅広い帯域の共振が確認されます。
どちらかというと3kHzがメインで、そこから高域に向けて音圧が落ちていく…というのも興味深いですね。

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500円
<桐花葉が上>

<数字500が上>


聴感上は、「ドヂィ」という音。
硬貨の王者(?)を感じさせる、重みのある音です。

特性上は1kHzから5kHzまで右肩上がりに上がる細かな共振と、
7~9kHzにある強い共振が特徴になるでしょうか。
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正直、硬貨のどれもが特色のある音を聴かせてくれて、
測定した甲斐がありました(笑)

今回は、測定系の影響もあると考え10kHz以上は参考特性として捉えましたが、
聴感に重大な影響がありそうな、1~10kHzでも大きな違いが確認されました。


測定結果も多いので、ここでまとめ。
1円「ジリッ」
5円「チリイーン」
10円「ジィーン」
50円「リィーン」
100円「トリィン」
500円「ドヂィ」
うーん、擬音語って難しいなぁ…(汗)

この結果を元に、インシュレーターとしての優劣や、音質についての議論をすることは難しいように思いますが、
なかなか貴重な結果になったのではないかと思っています。


次回は、インシュレーターとして
実際に音を聴いたうえでレポートを書いてみようと思います!

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