先日、「音工房Z」の試聴会に行ってきましたので、そのことを書こうと思います。
(オーディフィル試聴会の「PR-83Sol」感想は、後日記載します。)
「音工房Z」
は、大山美樹音氏が自作スピーカーの経験をもとに、
2009年に立ち上げたスピーカー専門工房です。
以前から公開している「究極の自作 スピーカー探求道」というwebページでは、長岡鉄男氏の作例に対する考察や、木工情報などが掲載され、なかなか読み応えのあるコンテンツとなっています。
最近では、メールマガジンの配信など、精力的に進めているのが印象的ですね。
さて、試聴会のメインは、
新発売の「Z700-FE108Sol」です。
フラッグシップの「Z1000-FE108Sol」のキット化ver.というだけあって、
自作派にとっても注目度が高い製品です。
音工房Zのリスニングルームに入ると、
メールマガジンでお馴染みの、板張りの空間に胸が高鳴ります。
よく見ると、ブラインドテスト用の黒カーテンや、
測定機材を載せた移動式ラックなどがあり、開発の過程を感じることができますね。
まずは、大山氏によるプレゼンタイム。
今回の「Z700-FE108Sol」の特徴としては、以下の3つ。
・組み立て式による、CP比向上。
・ローエンドより、中低域を重視。
・Z1000-FE108Solから、寸法・素材を再調整。
最後の「Z1000-FE108Sol」からの変更点については、
さらなるCP比向上や、オールバーチ合板化するにあたり、寸法を再調整したとのこと。
確かに、「Z700-FE108Sol」は「Z1000-FE108Sol」より若干小柄で、
そのためのチューニング再調整があったのだと思います。
---------------------------------
さて、まずは定番の「ホテルカルフォルニア」を含む、数曲を、
「Z1000-FE108Sol」と「Z700-FE108Sol」で聴き比べました。
帯域を両端に伸ばしている「Z1000-FE108Sol」は、
まさにHiFiを極めたような音で、リファレンスたる風格のサウンドです。
一方で、「Z700-FE108Sol」は、板材がALLバーチになったためか、
より華やかで、中高域の立ち上がりについては「Z1000」よりも良いように聴こえます。
「Z700-FE108Sol」の低域は、それほど「Z1000-FE108Sol」と違わないかな?
サイズとしてはZ1000より小さくなっているので、これはお見事です。
次に、「Z700-FE108Sol」のダクト調整を聴き比べました。
ポート出口の木片を出し入れすることで、いわゆる「バックロードバスレフ(BHBS)」と「バックロードホーン(BH)」を切り替えることが可能となっています。
木片なしの状態(BH)は、中域のヌケが良く感じることもあり、
BHファンならこれもアリかもしれません。
ただ、低音の沈み込み、とくに引き締まり感は、木片ありの状態の圧勝です。
やはりスタンダートとなるのは、「バックロードバスレフ(BHBS)」のほうでしょう。
さて、ここからはフリー試聴タイム。
皆で持参した、様々なジャンルの音楽を聴かせて頂きました。
「Z700-FE108Sol」は、やはりバシッと決まる音が爽快です。
フォステクスのFE108-Solの能力を十分に引き出すことができているのが分かります。
ボーカルはしっかり定位し、滲みがありません。
比較的ライブなリスニングルームに広がる音場は、長岡先生の「スワン」譲りなところでしょうか。
特にオルガンのペダル音は圧巻。
30~40Hzまでの低音を引き出すエンクロージュアは、技術力の高さを感じさせます。
大山氏のメールマガジンでも度々でてくる「ローエンド」という言葉を納得することができましたね。この辺の拘りが「音工房Z」流儀なのでしょう。
「Z800-FW168HR」も鳴らしてみると、こちらは中低域がリッチなサウンドで、大きく雰囲気が違います。
確かに、高域の粒立ち感や、超低域の鳴りは、「Z700-FE108Sol」とも近いような気がしますが、全体バランスとしてはユニットの持ち味を生かすチューニングのようです。
こうして、音工房Zのサウンドを聴かせて頂くと、オーディオ黄金期と呼ばれた時代が渇望したサウンドを、さらに研ぎ澄ませたような印象を抱きました。
「ワイドレンジ&ハイダイナミックレンジ」を筆頭に、「低歪で広大な音場」・・・というのが、試聴を終えての一番の印象でした。
これは「FE108-Sol」の個性も多分にあるのだとは思いますが、
それでも最近のスピーカーではなかなか無いような、まさに「音工房Z」たる音のポリシーを感じることができました。
先ほど、webページを確認したら、試聴会情報が出ていましたね!
3月5日(日)とのことなので、気になった方はぜひ!
(オーディフィル試聴会の「PR-83Sol」感想は、後日記載します。)
「音工房Z」
は、大山美樹音氏が自作スピーカーの経験をもとに、
2009年に立ち上げたスピーカー専門工房です。
以前から公開している「究極の自作 スピーカー探求道」というwebページでは、長岡鉄男氏の作例に対する考察や、木工情報などが掲載され、なかなか読み応えのあるコンテンツとなっています。
最近では、メールマガジンの配信など、精力的に進めているのが印象的ですね。
さて、試聴会のメインは、
新発売の「Z700-FE108Sol」です。
フラッグシップの「Z1000-FE108Sol」のキット化ver.というだけあって、
自作派にとっても注目度が高い製品です。
音工房Zのリスニングルームに入ると、
メールマガジンでお馴染みの、板張りの空間に胸が高鳴ります。
よく見ると、ブラインドテスト用の黒カーテンや、
測定機材を載せた移動式ラックなどがあり、開発の過程を感じることができますね。
まずは、大山氏によるプレゼンタイム。
今回の「Z700-FE108Sol」の特徴としては、以下の3つ。
・組み立て式による、CP比向上。
・ローエンドより、中低域を重視。
・Z1000-FE108Solから、寸法・素材を再調整。
最後の「Z1000-FE108Sol」からの変更点については、
さらなるCP比向上や、オールバーチ合板化するにあたり、寸法を再調整したとのこと。
確かに、「Z700-FE108Sol」は「Z1000-FE108Sol」より若干小柄で、
そのためのチューニング再調整があったのだと思います。
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さて、まずは定番の「ホテルカルフォルニア」を含む、数曲を、
「Z1000-FE108Sol」と「Z700-FE108Sol」で聴き比べました。
帯域を両端に伸ばしている「Z1000-FE108Sol」は、
まさにHiFiを極めたような音で、リファレンスたる風格のサウンドです。
一方で、「Z700-FE108Sol」は、板材がALLバーチになったためか、
より華やかで、中高域の立ち上がりについては「Z1000」よりも良いように聴こえます。
「Z700-FE108Sol」の低域は、それほど「Z1000-FE108Sol」と違わないかな?
サイズとしてはZ1000より小さくなっているので、これはお見事です。
次に、「Z700-FE108Sol」のダクト調整を聴き比べました。
ポート出口の木片を出し入れすることで、いわゆる「バックロードバスレフ(BHBS)」と「バックロードホーン(BH)」を切り替えることが可能となっています。
木片なしの状態(BH)は、中域のヌケが良く感じることもあり、
BHファンならこれもアリかもしれません。
ただ、低音の沈み込み、とくに引き締まり感は、木片ありの状態の圧勝です。
やはりスタンダートとなるのは、「バックロードバスレフ(BHBS)」のほうでしょう。
さて、ここからはフリー試聴タイム。
皆で持参した、様々なジャンルの音楽を聴かせて頂きました。
「Z700-FE108Sol」は、やはりバシッと決まる音が爽快です。
フォステクスのFE108-Solの能力を十分に引き出すことができているのが分かります。
ボーカルはしっかり定位し、滲みがありません。
比較的ライブなリスニングルームに広がる音場は、長岡先生の「スワン」譲りなところでしょうか。
特にオルガンのペダル音は圧巻。
30~40Hzまでの低音を引き出すエンクロージュアは、技術力の高さを感じさせます。
大山氏のメールマガジンでも度々でてくる「ローエンド」という言葉を納得することができましたね。この辺の拘りが「音工房Z」流儀なのでしょう。
「Z800-FW168HR」も鳴らしてみると、こちらは中低域がリッチなサウンドで、大きく雰囲気が違います。
確かに、高域の粒立ち感や、超低域の鳴りは、「Z700-FE108Sol」とも近いような気がしますが、全体バランスとしてはユニットの持ち味を生かすチューニングのようです。
こうして、音工房Zのサウンドを聴かせて頂くと、オーディオ黄金期と呼ばれた時代が渇望したサウンドを、さらに研ぎ澄ませたような印象を抱きました。
「ワイドレンジ&ハイダイナミックレンジ」を筆頭に、「低歪で広大な音場」・・・というのが、試聴を終えての一番の印象でした。
これは「FE108-Sol」の個性も多分にあるのだとは思いますが、
それでも最近のスピーカーではなかなか無いような、まさに「音工房Z」たる音のポリシーを感じることができました。
先ほど、webページを確認したら、試聴会情報が出ていましたね!
3月5日(日)とのことなので、気になった方はぜひ!