先日は、実家でAudifillの試作機の試聴テストをやってきました。
今回の試聴環境は、木造住宅の2F。
普段聴いている「重量鉄骨造りのマンション」とは正反対の、低音が出にくい環境になります。
そして、何より、ライバル(比較対象)の存在が大きいでしょう。
今回の比較対象は、パイオニアのS-1EX。
BASICシリーズにとっては、想定価格差は5倍以上。
改キットからみれば、ざっと20倍以上の価格差になるでしょうか。
駆動系はデノンPMA-2000Ⅳと、パイオニアのN-70Aなので、
部屋も含めてS-1EXをフルパワーでドライヴできる環境ではありませんが、
丁寧で堅実に鳴ってくれるサウンドは、参考になるものです。
<BASICシリーズ>
まず、鳴らし始めて気づいたのが、S-1EXと比べてバランスが悪いということ。
低音の音圧が明らかに少なく、これはちょっと頂けません。
いつもの環境であれば十二分な低音量感が得られるところですが、この環境ではスッカスカです(汗)
共鳴管やバックロードホーン型は、一般的なバスレフ型と比べて部屋の影響を受けやすく、
木造住宅の2階という環境では、低音量感が大きく減少してしまいました。
そこで、手直し開始。
音道長を20cmほど短くして、量感重視の設計に変更です。
先ほどは薄手だった低音楽器の重量感が戻り、俊敏さと質感を伴った音が聞こえてきました。
とくにオーケストラの再生では顕著で、コントラバスからバイオリンまで、正しいバランスで聞こえてくるかどうかが一つのチェックポイントとなります。
こうして比較していると、気づいたことが、いくつかありました。
まずは、低域について。
S-1EXは、流石高級スピーカーという貫禄で、超低域から最高域まで十分に伸長しています。オーケストラのグランカッサの沈み込みや、パイプオルガンの余裕さでは大きな差をつけられます。
一方で、BASICは、低音は60Hz、出ても50Hzぐらいが限度です。しかし、小口径ウーハーから放たれる俊敏な低音は、質感が高く、数字上から思うほどの不足感はありません。
また、音色感についても、大きく異なります。
緻密で一切の余分な響きが付帯しないS-1EXのサウンドは、確かに魅力的です。しかし、(この部屋のように)十分な環境が整わない状況では、若干の物足りなさを感じさせる場面もありました。
一方で、BASICは「桧アンカー」などの搭載により、色彩感豊かなサウンドを奏でます。オーケストラでは、ホルンの漂うような優美な音色は見事ですし、ボーカルであれば体温が伝わってくるような生々しさを聴かせます。
まだまだ試作機の段階のBASICですが、今後が楽しみな出来栄えとなっています。
低音調整についても、量感重視と伸び重視の双方を実現できるような機構を搭載しようと思っています!
ここまでくると、「BASICという名前じゃ、勿体ない!」と家族に言われましたが、
オーディオの満足度は価格の上下に関係なく得られるべきで、
このBASICシリーズも、「あの高級スピーカーより、これがイイ!」と言わせる存在であるべきなのです。
<改キット>
さて、こちらは改キット。
ネットワーク調整なしで、アコースティックなチューニングのみ済ませた状態です。
(塩ビ管スピーカーオフ会で発表した時と、全く同じですね)
まずは、低音。
流石ダブルバスレフ型だけあって、環境に左右されにくい良さはありました。
若干抑え気味の低音量感で、質感重視のチューニングですが、FOSTEXらしい所だと思えば問題ない範囲です。
しかし、総合的に見たサウンドフィーリングは、、、、正直話になりませんでした。
単刀直入に言えば「安っぽい」のです。
確かに、バランス的には問題がないのですが、
いわゆる「高級コンデンサと、安物コンデンサを比較試聴したときの差」を如実に感じてしまいます。
音全体が薄く、パサついている。ボーカルはハスキーで、質感や粘りが出てこない状態です。
まあ、本体価格(本体ペア2万円、改キット1万円?)を考えれば、仕方ない・・・ということも言えますが、
これでは、自分が「満足(fill)」できません。
しかし、このぐらいはネットワークの調整で何とかなるものです。
確かにS-1EXのような緻密で圧倒的な情報量・・・とまでは行けないと思いますが
少なくとも「聴感上好ましく、魅力のある音」というのは、
ユニット価格を問わず、とくにFOSTEXのような確かな技術力をもつメーカーのユニットであれば十分に達成可能なのです。
さて、S-1EXとの比較を終えた今ですが、
「BASIC」は、いよいよ最終試作機の製作を始めています。
販売仕様と同じ材料、寸法で最後の調整をしていきます。
「改キット」は、まずは納得できる聴感特性を目標に、
ネットワークの調整と、「手ごろな値段で提供するための取捨選択」が続くことになるでしょう。
今回の試聴環境は、木造住宅の2F。
普段聴いている「重量鉄骨造りのマンション」とは正反対の、低音が出にくい環境になります。
そして、何より、ライバル(比較対象)の存在が大きいでしょう。
今回の比較対象は、パイオニアのS-1EX。
BASICシリーズにとっては、想定価格差は5倍以上。
改キットからみれば、ざっと20倍以上の価格差になるでしょうか。
駆動系はデノンPMA-2000Ⅳと、パイオニアのN-70Aなので、
部屋も含めてS-1EXをフルパワーでドライヴできる環境ではありませんが、
丁寧で堅実に鳴ってくれるサウンドは、参考になるものです。
<BASICシリーズ>
まず、鳴らし始めて気づいたのが、S-1EXと比べてバランスが悪いということ。
低音の音圧が明らかに少なく、これはちょっと頂けません。
いつもの環境であれば十二分な低音量感が得られるところですが、この環境ではスッカスカです(汗)
共鳴管やバックロードホーン型は、一般的なバスレフ型と比べて部屋の影響を受けやすく、
木造住宅の2階という環境では、低音量感が大きく減少してしまいました。
そこで、手直し開始。
音道長を20cmほど短くして、量感重視の設計に変更です。
先ほどは薄手だった低音楽器の重量感が戻り、俊敏さと質感を伴った音が聞こえてきました。
とくにオーケストラの再生では顕著で、コントラバスからバイオリンまで、正しいバランスで聞こえてくるかどうかが一つのチェックポイントとなります。
こうして比較していると、気づいたことが、いくつかありました。
まずは、低域について。
S-1EXは、流石高級スピーカーという貫禄で、超低域から最高域まで十分に伸長しています。オーケストラのグランカッサの沈み込みや、パイプオルガンの余裕さでは大きな差をつけられます。
一方で、BASICは、低音は60Hz、出ても50Hzぐらいが限度です。しかし、小口径ウーハーから放たれる俊敏な低音は、質感が高く、数字上から思うほどの不足感はありません。
また、音色感についても、大きく異なります。
緻密で一切の余分な響きが付帯しないS-1EXのサウンドは、確かに魅力的です。しかし、(この部屋のように)十分な環境が整わない状況では、若干の物足りなさを感じさせる場面もありました。
一方で、BASICは「桧アンカー」などの搭載により、色彩感豊かなサウンドを奏でます。オーケストラでは、ホルンの漂うような優美な音色は見事ですし、ボーカルであれば体温が伝わってくるような生々しさを聴かせます。
まだまだ試作機の段階のBASICですが、今後が楽しみな出来栄えとなっています。
低音調整についても、量感重視と伸び重視の双方を実現できるような機構を搭載しようと思っています!
ここまでくると、「BASICという名前じゃ、勿体ない!」と家族に言われましたが、
オーディオの満足度は価格の上下に関係なく得られるべきで、
このBASICシリーズも、「あの高級スピーカーより、これがイイ!」と言わせる存在であるべきなのです。
<改キット>
さて、こちらは改キット。
ネットワーク調整なしで、アコースティックなチューニングのみ済ませた状態です。
(塩ビ管スピーカーオフ会で発表した時と、全く同じですね)
まずは、低音。
流石ダブルバスレフ型だけあって、環境に左右されにくい良さはありました。
若干抑え気味の低音量感で、質感重視のチューニングですが、FOSTEXらしい所だと思えば問題ない範囲です。
しかし、総合的に見たサウンドフィーリングは、、、、正直話になりませんでした。
単刀直入に言えば「安っぽい」のです。
確かに、バランス的には問題がないのですが、
いわゆる「高級コンデンサと、安物コンデンサを比較試聴したときの差」を如実に感じてしまいます。
音全体が薄く、パサついている。ボーカルはハスキーで、質感や粘りが出てこない状態です。
まあ、本体価格(本体ペア2万円、改キット1万円?)を考えれば、仕方ない・・・ということも言えますが、
これでは、自分が「満足(fill)」できません。
しかし、このぐらいはネットワークの調整で何とかなるものです。
確かにS-1EXのような緻密で圧倒的な情報量・・・とまでは行けないと思いますが
少なくとも「聴感上好ましく、魅力のある音」というのは、
ユニット価格を問わず、とくにFOSTEXのような確かな技術力をもつメーカーのユニットであれば十分に達成可能なのです。
さて、S-1EXとの比較を終えた今ですが、
「BASIC」は、いよいよ最終試作機の製作を始めています。
販売仕様と同じ材料、寸法で最後の調整をしていきます。
「改キット」は、まずは納得できる聴感特性を目標に、
ネットワークの調整と、「手ごろな値段で提供するための取捨選択」が続くことになるでしょう。