スピーカーには、二種類のスピーカーしかない。
一つはバックロードホーン型のスピーカーで、もう一つはその他のスピーカーだ。
と、意味の分からないことを書いてしまいましたが、
今回完成した「S-046」は、正に純然たるバックロードホーンの音を奏でてくれたのです。
ちょうど1ヶ月前の日記に、「製作編」を書いたS-046は、
FOSTEXの誇る(?)、強力フルレンジユニット「FE126E」を搭載しています。
今回は、そんなS-046の試聴&測定編です。
まず驚かされるのが、全域に溢れる描写力。
普通のスピーカーが細く細かい線を重ねていくような描写だとしたら、こちらは極太の筆でグイグイ描いていくような感じです。
ゲリーカーのコントラバスは、コントラバスとは思えない色っぽい音色・演奏で知られていますが、このスピーカーで聴くと如何に彼が情熱的に弾いているかが手に取るように分かるのです。
強力な磁気回路に支えられた、高能率フルレンジ(実際は96dB/Wぐらいか)からは、演奏の微細な動きや表情が、克明に伝わってくるのです。
さらに、パーカッション系の楽曲では、この長所がさらに際立ちます。ほぼ音階が無いパーカッションに対しても、この溢れるダイナミクスによって演奏の旨みが引き出されていきます。
こうした特徴は、正に「長岡系」スピーカーで語り尽くされたところかと思います。
S-046は、綿密なホーン設計のお蔭か、中低域の癖が皆無であることも書き加えておきたいですね。
そして、アニソンなども好ましく聴かせる、懐の広さが本作にあると言ってよいでしょう。
駆動系のチューニングはもちろん、「不用意に硬い箱にしないこと」など適度な緩さが、様々な録音への許容力を生み出しているのだと考えています。
んじゃあ、欠点は無いのかというと、、、
致命的な欠点として、「低域不足」なのです。。。
確かに、グランカッサの超低域まで伸びているし、全域に渡る表現力も見事なものです。
しかし、確実に低音量感が足りてないのです。
耳が馴染めば意外と気にならないのですが、聴き始めて数曲は低音不足を感じてしまいます。
重心の高さにつながるような低音不足ではないのは幸いですが、ちょうど150Hz付近の低音量感として感じるところに薄さがあるようです。
さて、そんな感想を抱いたS-046ですが、測定結果のほうはどうでしょうか?
<軸上1m>
<ダクト近傍>
<ユニット直前>
あー、見なけりゃ良かったorz という、これまた典型的な低音不足の特性です。
ただ、本作の周波数特性は、失敗したバックロードホーン型にありがちな「200Hzから急降下」とは少し異なり、300Hz付近からダラダラと下がっていくタイプです。
これは、全体的のホーンの効きが弱く、音響迷路に近い動作となっていためと思われます。
ユニット直前特性を見ると、40Hzや90Hz付近に大きなディップ(共鳴の発生)が確認され、2.2mのホーン長は、多少は効果があったようです。
<インピーダンス特性>
70Hz~150Hz付近が最も大きく、その左右に小さなピークがある形です。
一般的なバックロードホーン型では、200Hz付近にも大きなピークが確認されるはずですが、本作はそれが抑えられています。聴感上でも、付帯音の少ないスムーズな中低域が得られたことは、これと無関係ではないでしょう。
この独特なインピーダンス特性の要因としては、特有のホーン構造が原因と思われますが、具体的な原因は定かではありません。今後注目していきたいポイントですね。
超強力ユニット「FE126E」と戦う! と称して始まったこの「S-046」製作ですが、
どうやらこの辺で幕引きのようです。
ちなみに勝敗は、引き分けでしょうか。
FE126Eの持ち味を(部分的には)引き出すことはできたものの、好みの低音には程遠いものでした。聴感上では、S-046のホーンを楽勝でドライヴしているFE126Eなので、まだまだ引き出せる余地がありそうですね。
一つはバックロードホーン型のスピーカーで、もう一つはその他のスピーカーだ。
と、意味の分からないことを書いてしまいましたが、
今回完成した「S-046」は、正に純然たるバックロードホーンの音を奏でてくれたのです。
ちょうど1ヶ月前の日記に、「製作編」を書いたS-046は、
FOSTEXの誇る(?)、強力フルレンジユニット「FE126E」を搭載しています。
今回は、そんなS-046の試聴&測定編です。
まず驚かされるのが、全域に溢れる描写力。
普通のスピーカーが細く細かい線を重ねていくような描写だとしたら、こちらは極太の筆でグイグイ描いていくような感じです。
ゲリーカーのコントラバスは、コントラバスとは思えない色っぽい音色・演奏で知られていますが、このスピーカーで聴くと如何に彼が情熱的に弾いているかが手に取るように分かるのです。
強力な磁気回路に支えられた、高能率フルレンジ(実際は96dB/Wぐらいか)からは、演奏の微細な動きや表情が、克明に伝わってくるのです。
さらに、パーカッション系の楽曲では、この長所がさらに際立ちます。ほぼ音階が無いパーカッションに対しても、この溢れるダイナミクスによって演奏の旨みが引き出されていきます。
こうした特徴は、正に「長岡系」スピーカーで語り尽くされたところかと思います。
S-046は、綿密なホーン設計のお蔭か、中低域の癖が皆無であることも書き加えておきたいですね。
そして、アニソンなども好ましく聴かせる、懐の広さが本作にあると言ってよいでしょう。
駆動系のチューニングはもちろん、「不用意に硬い箱にしないこと」など適度な緩さが、様々な録音への許容力を生み出しているのだと考えています。
んじゃあ、欠点は無いのかというと、、、
致命的な欠点として、「低域不足」なのです。。。
確かに、グランカッサの超低域まで伸びているし、全域に渡る表現力も見事なものです。
しかし、確実に低音量感が足りてないのです。
耳が馴染めば意外と気にならないのですが、聴き始めて数曲は低音不足を感じてしまいます。
重心の高さにつながるような低音不足ではないのは幸いですが、ちょうど150Hz付近の低音量感として感じるところに薄さがあるようです。
さて、そんな感想を抱いたS-046ですが、測定結果のほうはどうでしょうか?
<軸上1m>
<ダクト近傍>
<ユニット直前>
あー、見なけりゃ良かったorz という、これまた典型的な低音不足の特性です。
ただ、本作の周波数特性は、失敗したバックロードホーン型にありがちな「200Hzから急降下」とは少し異なり、300Hz付近からダラダラと下がっていくタイプです。
これは、全体的のホーンの効きが弱く、音響迷路に近い動作となっていためと思われます。
ユニット直前特性を見ると、40Hzや90Hz付近に大きなディップ(共鳴の発生)が確認され、2.2mのホーン長は、多少は効果があったようです。
<インピーダンス特性>
70Hz~150Hz付近が最も大きく、その左右に小さなピークがある形です。
一般的なバックロードホーン型では、200Hz付近にも大きなピークが確認されるはずですが、本作はそれが抑えられています。聴感上でも、付帯音の少ないスムーズな中低域が得られたことは、これと無関係ではないでしょう。
この独特なインピーダンス特性の要因としては、特有のホーン構造が原因と思われますが、具体的な原因は定かではありません。今後注目していきたいポイントですね。
超強力ユニット「FE126E」と戦う! と称して始まったこの「S-046」製作ですが、
どうやらこの辺で幕引きのようです。
ちなみに勝敗は、引き分けでしょうか。
FE126Eの持ち味を(部分的には)引き出すことはできたものの、好みの低音には程遠いものでした。聴感上では、S-046のホーンを楽勝でドライヴしているFE126Eなので、まだまだ引き出せる余地がありそうですね。